何でサステイナブルだったのか。
この記事は以前、2019年2月10日にNoteの別アカウントに掲載したものです。)
よく聞かれるんです。「麻子さん、環境に関しての勉強をしていたのですか?何でサステイナブルな生活に興味を持ったのですか?」
それは…。凝り性だから。それだけの事です。
料理は子供の頃から大好きで、5〜6歳の時には自分で朝からお弁当を作って、近くの公園に遠足に行くような子供だったような気がします。初めて習った料理は卵焼き。母が愛用の丸い鉄のフライパンで、クルクルと上手に卵焼きを作っていて「アレがやりたい!」と思ったのが最初だったかと思います。母はとても料理が上手で、舌をきちんと育ててくれた母には感謝をしています。以前お世話になったシェフに「MSG(アミノ酸系調味料=●の素)に慣れてしまうと味蕾(舌の表面にある味を認知する器官)が潰れて、味がわからなくなる」と言われた事がありますが、多分本当かと。繊細な美味しいものの味が感じられなくなってしまうような。以前知人の若いアメリカ人シェフに「昆布、鰹節、シイタケなどの旨味成分と、MSGとして抽出されたMSGは同じものだから問題ない」と言われた事がありますが、もしシェフという仕事のスキルを「材料の旨味を上手く引き出して、料理を美味しくする事」だとすると、人工的に作られた旨味を足してしまうシェフは???という気もしますよね。(と、たまにさり気なく毒を吐きます。シアトルでは頑張っていたFarm-to-Tableを売りにしているシェフです。笑)
自然が好き?という面では、東京の外れ「練馬」で育ったという事実は否めないかも知れません。私が子供の頃の練馬は、家の周りは駐車場という名の空き地が多く、水たまりで「田植えごっこ」をしたり、太く育ったタンポポの根をサツマイモに見立て、三輪車を上下逆さまにしたものに積んで、「焼き芋屋さんごっこ」とかをしていた面白い子供でした。あとはウチの家族は、私の友人達から「ハンター」呼ばわりされるほどの●●釣り/狩り/摘み好き。父と私は東京湾海釣り仲間だし、季節になれば苺、さくらんぼ、もも、ぶどう、梨…と農園のはしごをしたりしていました。千葉にある父の実家の近くでは、田んぼの畦道でセリ摘みをしたり、カエルを取ったり、土手でノビルを採ったり。父が近所の梨園(”りえん”ではなく”ナシ園”の方ね)の方にお願いして、一晩中梨の木の下で、セミが脱皮するのを観察した事もあったな。私の父はちょっと凝り性・変わり者のエンジニアで、私が捕まえて来てしまった可哀想な青ガエル達を飼うための大きな水槽を購入したり、水槽の前に何時間も座って「生き餌に見えるようなエサの結び付け方や、与え方」を、何時間も(何度も言っちゃうけど本当に何時間も!)考えるような人で、そんな環境のおかげで自然を大いに楽しむ術を習うことが出来たのかも知れません。
アメリカには17歳の時から住んでいます。最初に住んだ街はアリゾナ州ツーソン。
大学でシアトルに引っ越して、お金も食品を置くスペースもなかったので、自分でドレッシングとかの調合をし、鶏肉なども丸鷄から最初はハサミを使って分解したり…という生活を始めました。そして「日本人がアメリカやその他外国で美味しく、手軽に日本の家庭料理を作るには?」というテーマに興味を持ち始めました。どうしても日本の材料は高くなりがちだし、入手出来ても新鮮じゃなかったり、長距離輸送できるものだから添加物まみれだったり。じゃあ何で代用できるかな?とか、自分で作れるかな?と始めた実験が今日の仕事に繋がっていると言っても過言ではないかと思います。
「凝り性だ」と言いましたが、自分で決めたルールに従って生活するのをゲームのように楽しむ事が好きな方、私の他にもいらっしゃいませんか?私は21エーカーズで働きだしてから、「サステイナブルな暮らし」について考え、学ぶ機会を得て、ビックリするような発見がたくさんありました。初めて考え・知る事(例えばグリーンビルの技術、パーマカルチャー、日本の発酵技術や、伝統的な農業について…これからちょっとずつお話します)、間違えて認識していたこと(例えばゴミの分類や処理方法について)、より良い方法が見つかる事(例えばオーガニックの野菜を無駄にしないや、地元で有効利用されていない農産物を美味しく食べる方法)…とかとか。それらを独自のルールを作ってゲーム感覚で実践し始め…6年経過。多分、もうそろそろ皆さんにシェアし、情報をアウトプットをしなくてはいけない頃かと思います。
私は料理、製菓・製パン、発酵に関しては一応学校にも行って、生業にしていますが、サステイナブル生活の専門家ではありません。(だいぶ知識が増えてはきましたが)別に健康・美容・栄養学に特別興味があるわけでも、環境問題の活動家でも、有機農業の専門知識があるわけでもありません。
でも。私にも家族や友人も、可愛がっている若者たちや子供達、ペットなどもいる訳で…。一人暮らし、主婦業、母業の経験と、世界中のお料理を目にし、口にし、学ぶのが大好きで、サステイナブルなキッチン生活について、時間面、金銭面、健康面、環境面…など様々な視点で考える機会をたまたま得た「オタク」です。
少しでも人々の身体や環境に有害であるかも知れない要因は排除したい!特に私が知っている事で比較的「手軽に」毎日の生活に活かせる知識は皆さんにシェアしなければ、と思っています。だって2050年に海のプラスチックの数は、魚より多くなると言われているし、畜産は環境破壊の最大の原因だし…。美味しいお魚もお肉もずっと食べたい。現在進行形で使用認可が下りている農薬や遺伝子組み換えのタネが、50年経って若い人たちのガンの原因になっていたりしたら…怖いじゃないですか! サステイナブルなキッチン生活にご興味のある皆さんと一緒にコミュニティーを作って行きたいと願っています。気軽に声をかけてくださいね。
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