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焼豚玉子飯うまい

カラオケで盛り上がる動画がいくつか送られてきた。
10代から仲良くしている男友達からである。

再生すると「Time To Say Goodbye」をサラ・ブライトマン顔負けの美声で歌う女性が映っていた。
「昨日カラオケ行ったら会社の後輩がめっちゃ上手かった!!」
という報告のメッセージが添えられている。

月初からなんとも平和な昼下がりである。

今日も有難いことに私の生活の安心安全は保たれているな、と感じる。

日頃から彼とは他にも、
「家の近くの飲み屋の飯がめっちゃ上手かった」とか
「最近金遣い過ぎてやばいんだけど、youお金の管理どうやってる?」とか
「おすすめのキャンプ飯教えて」とか
「会社携帯がない!!」

というような、極めて日常に密着した会話をしながらお互いの関係を長年維持してきた。

一緒に映画を見に行って大笑いしたり、カラオケで盛り上がって「イエーイ!!」みたいなテンションで写真を撮ることもある。恋人とのデートスポットや誕生日プレゼントをレコメンし合ったり、お互いのマッチングアプリのプロフィールを校閲し合ったりもする。遠慮なく「太った?」と指摘し合い、ご飯を食べるときは焼肉や居酒屋で大して目も合わせずにガッツリいく。

まさに「健全な友達」を絵にかいたような間柄。

この関係を続けられていることって結構奇跡なんじゃないかと思うんだけど、何がユニークって、世の中の大抵の人間関係は努力を必要とする中で、彼と私の場合、お互いの歩み寄りを全く意識することなく今に至ることだ。

大切な人との人間関係を成り立たせるために、私たちは普段からお互いの記念日を祝ったり、新しい髪型をいち早く褒めたり、カーネーションを贈ったり、会食御礼のメールを打ったりする。
それでも悲しいことに、いつの間にか何かが通じ合わなくなって、さっきまでそこにあったはずの貴重なご縁が、すーっと消えてしまうことがある。
そこに決定的な理由があることもあるし、ないこともある。

だからやっぱり彼との関係はイレギュラーだと思う。

「サラブライトマン、あさこも練習してみてよ!」

と言われたけど、

私的には「・・・・(死んだ目)」って感じだったので、

とりあえず既読スルーを決め込んで、noteを書くことにした今である。


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