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娘の渡航から1週間

前回の初投稿から5日、娘の渡航からは1週間たった。
SNSに助けられ、娘とは気軽に連絡を取ることができ、心が安定した。ルームメイトは今のところ最悪な同性が一人だそうだが、今後増える予定であること、来週から授業が始まること、物価が高すぎて気軽に物を買えないこと、自炊生活にチャレンジしていることなどを教えてくれた。

私も接客の仕事で忙しく過ごしているうちに、涙は出なくなっていた。スーパーにも行けるし、思いもよらないタイミングで涙があふれることはなくなった。

そして私は英会話を始めた。人生何度目の挑戦だろう?毎回挫折してきたが、今度こそ日常会話を流暢に話せることが目標だ。仕事でも使うことがあるので、今度こそは絶対にものにする。

英会話習得を目指す大きなモチベーションとなったのは、空港で見かけた光景だ。日本人女性と白人男性(おそらく夫婦)と、彼らを見送りに来た日本人女性のご両親が、フードコートでフライト待ちの時間を過ごしていた。どうやらご両親は英語が得意でないようだ。白人男性は片言の日本語を話していたが、どうにも会話が弾まない。別にこの光景が悪いこととは思わないが、私だったらと考えた。同じ状況が私にも訪れる可能性は充分あるのではないか。

上記のご家族と我が家の決定的に異なるところは、うちの夫は英会話がネイティブ並みだということ。夫に言ったら、「僕がフォローするし、あなた(私)も全くできないわけじゃないじゃない。」と。

いや待て、過去に外国人がたくさんいる場所に連れていかれて、夫がフォローすると言いながらほとんどしてくれず、ぽつんと悲しい気持ちになったことが何回もある。それに、自分でコミュニケーションをとって他愛もない会話をしたいじゃないか。夫を挟んだら何か違うものになってしまう。

これが大きなモチベーションとなったのだ。今は毎日NHKのラジオ英会話を聞き、テキストを購入して勉強している。BBCの英語ニュースを隙間時間や寝る前に聞いている。ネットフリックスで出来るだけ字幕をみずに映画を観る。更にアウトプットの場をどこかで作りたい。

仕事もして、あと二人の子どもたちのこともやって、家事も犬の世話もして、英会話もやって、、忙しいし充実しているはずである。友達と遊ぶ予定も入っている。

だが、やっぱり以前と何かが違うのだ。なんだろう?と考えた。
くだらないことでしょっちゅう笑い合っていた相手がいなくなったからなのか、「美味しい!」と言ってくれる人がいないからなのか、生活が淡々としている。美味しいものを作ろうという気になれない。いわゆるロスというものなのだろうが、娘の渡航直後とはまた少し違う。ぽっかり空いた穴から這い上がっている段階なのだろうか。

家族のバランスが変わり、なんとなく落ち着くまでにはまだ少し時間が必要なのだとは思う。出産で家族が増えたときもそうだった。新しい家族のバランスに慣れるまでに半年くらいかかったものだ。
来年は長男が家を出るかもしれない。そうしたら3人暮らしになる。次男もやがては自立してほしいと思う反面、夫と二人暮らしはもはや考えられない。さて、どうするか。

家族のこととは別に、仕事でも予想だにしないことが起こり、泣いたり怒ったりと感情の振れ幅が大きい1週間だった。そのせいか、今日は一人で静かにだらだらしていたい。「人間だもの」と悟りの境地に立つにはあと何年かかるのか。生きているうちに悟れるのかもわからないが、今日も私はここで生きている。



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