経理の効率化だけじゃない!届けたい本当の価値とは?
こんにちは!『マネーフォワード クラウド債権管理』のプロダクトマネージャーをしております、石塚と申します。
先日、新卒から長きに渡りお世話になった前職の上司の還暦祝いがあり、6年ぶりに前職時代の仲間に会いました。
そこには、今も現役でSIプロジェクトのプロジェクトマネージャーをしている方々や、同じ業界でプロダクトマネージャーをしている方もいて、思い出話に花を咲かせると共に、会計サービスの機能網羅性について、といった議論まで生まれ、とても楽しい時間でした。
マネーフォワードに入社してからは、カスタマーサクセスやプリセールスを経て、現在はプロダクトマネージャーの仕事をしておりますが、その間に所属した、とある部署の組織ビジョンが、今も私の指針となっています。
デジタルインボイスに限らず、経理業務全般にあてはめられるビジョンですが、特に私が気に入っているのが「正確に、早く、完結に」の部分です。
言うは易く行うは難しですが、これを指針としている背景には、前職時代含め、これまで経理の方々のお仕事の大変さを間近に感じる経験を重ねてきたことにあります。
すべては「経理の現場」から
会計サービスのプロダクトマネージャーという仕事に重要なのは、やはり経理の方々のニーズをつかむことだと思います。経理担当者のみなさんの気持ちを理解する方法はいろいろあると思いますが、やはり経理の課題を実際に目で見る機会をいただいてきたことが大きかったと思います。
例えば、現状や課題をヒアリングする際、お客様がOKしてくだされば、デスクで実際に作業しているところを横に立って見せてもらっていました。日々使用しているパソコン画面や帳簿、ファイルなどを開いて、どのように処理しているかを確認させてもらうのです。
ある会社では、月初になると大量に集まってくる各署からの請求書や仕入伝票を見ながら1枚ずつシステムへ入力し、入力後には指サックをつけた手で1枚ずつめくりながら入力内容の確認をする、という作業を朝から晩まで数名で行っていました。
そうして入力された手書きの仕入伝票は、システムから出力された仕訳帳票と共に穴あけパンチで穴をあけられ、番号順にファイリングされていきます。
またある会社では、Excelで作成した振込依頼データをもとに振込実行するまでの間に、手作業が入る各タイミングで、4回ものダブルチェックが運用フローに組み込まれていました。
入金消込も、本当に大変な作業だと思います。
請求期日を過ぎたら通帳の明細をコピーして数人に配布し、消込担当を分担してExcelの請求一覧に対して入金額と「入金済」のフラグを入力して、消していきます。本来はAさんが消込担当である入金先をBさんが間違えて消してしまったり。AさんとBさんの間で食い違いが起こり、そのリカバリーに時間を取られ作業が進まないという、手作業で起こりがちな問題です。
そのほかの作業も、経理担当者の業務は細かな手作業が多いだけでなく、正確性も求められます。時間に追われてストレスを感じている人・ミスや漏れが発生しうる状況に気苦労を感じている人が多いのでしょう。「非常に大変な作業をしているけれど、手作業だからミスが起きてしまうこともあるだろう」と感じました。
例を挙げればきりがありませんが、このような場面を何度となく見るうちに、じわじわと経理担当者の気持ちを少しずつですが理解してこれたと思います。
それとやはり、経理担当者の方々との対話も重要だったと思います。特に、何気ない会話から見えてきた本音、みたいなものです。
経理担当者から届く相談の多くは「自動化によって効率化したい」という声から始まります。しかし不思議なことに、改めて業務効率化のメリットをご説明しても、経理担当者の方々には「響いて」いないように見えることがありました。
そこで、経理担当者の方々の思いを丁寧に掘り下げていくと、実は効率化より「数字を正確に管理したい」という強い思いが根底に隠れていたりします。こちらから「手作業だとミスや漏れもあり得ますよね」と課題を指摘すると「実はそうなんです」と少しきまり悪そうにしながら、困りごとを打ち明けてくれます。正確性への不安は、外部の人には言いづらい問題だったのだと、そのときに改めて感じました。
つまり、経理担当者の仕事は「数字を正しく合わせること」が正義。そして私が担当してきた現場においては、「数字を正確に管理したい」という本来の目的を、「業務効率化」という手段によって果たしたいという気持ちが強く、切迫感を感じるような会話が多かった。……そんな経験が、今の私の仕事につながっていると思います。
「営業担当者が現場で生み出した売上を、漏れなく・正しく・1円残らず回収する」をサポートしたい
経理担当者の考えは「効率化して自分たちが楽になりたい」だけとは限りません。経理向けシステムというと、経理担当者の業務効率化が目的と短絡的に考えがちです。しかし、本当に大切なことは日常的に経理担当者が向き合っている、経営者や業務の現場の営業担当者まで、メリットを届けることだと考えています。
経理に限らず、バックオフィスに携わるのは「会社のために何ができるか」というテーマに日々向き合っている方々です。私が担当している債権管理の分野で言えば、経理担当者にとっては、営業担当者が現場で汗水垂らして生み出した売上に対し、1円残らず回収することが重要です。
この「営業活動によって発生した売上や債権に対して、漏れなく正しく請求・回収することができるか」という点が、債権管理に関わるシステムを提案する、私の基本的な姿勢になりました。
目先の効率化に留まらない価値を届けたい
経理担当者の願いを叶えるためには、経理業務の効率化にとどまらない、それ以上の価値や意味を提供していくことが大切です。
例えば、債権の情報の管理、入金消込、領収証作成などの業務は社内のほんの数人しかおこなっていないケースが多いと思います。実際のところ、その数人さえ頑張れば問題ないので、効率化の観点だけであれば、システム導入は必要ないと判断されることもあります。
しかし、システム化のメリットは経理作業が楽になるだけではありません。債権管理という経理の目的を果たす手助けになることを理解してもらい、効率化以上の本当の価値を届けたいのです。
私は、経理の方たちがいかに神経をすり減らして業務にあたっているかを、部分的ではありますが少しは知っています。「楽になった」だけではなく、安心して業務を進められ、かつ会社のために「漏れ・ミスがない状態」で、経理の仕事に自信を持って取り組んでいただけることを目指しています。
最後に
一緒にバックオフィスの課題に向き合いながら未来を作ってゆくメンバーを募集しています。共感された方、我こそは!という方、気になった方は、ぜひエントリーをお願いいたします。
Work illustrations by Storyset
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?