マギグラフィに関する一考察

 こんにちは。タルラークサーバーでマビノギをプレイしている朝綺波音と申します。

 今回は、1月のアップデートで追加されたマギグラフィについて、自分なりに考察した内容を紹介できればと思います。

 なお、本記事におけるスキル効果の数値は原則として10レベルのものを記載しています。



マギグラフィとはどのようなスキルか

 マギグラフィとは、デザインした魔法陣を使用してスキルを強化したり一定範囲に状態変化を起こすスキル群です。

 魔法陣の効果に応じて様々な効果を得られ、大きく分けると自分を対象にしてスキルを強化するものと地面を対象にして範囲内の敵味方の状態を変化させるものの二つに分類されます。同じ分類のものを最大3種類まで組み合わせて使うことができます。

自分指定のマギグラフィ

 自分を指定するマギグラフィは、ほとんどの場合何らかのスキルの効果を強化する効果があります。(例外については付録参照)

例:バッシュダメージ40%増加、ファイアボルト最大ダメージ20増加、戦場の序曲効果時間5秒延長、奥義・桜時雨クールタイム30秒減少など

これらの効果の適用は、以下のような性質があります。

・スキルダメージ割合増加はスキルの倍率に加算されます。例えば、バッシュダメージ40%増加は最終ダメージが1.4倍になるわけではなく、5段目威力460%+40%=500%となります。
・魔法系の最大ダメージ増加は計算式に加算されます。ベースとなる魔法攻撃力が高ければ高いほど上昇幅が低下します。
・効果時間延長等の細工との重複については要検証です。
・クールタイム短縮はマギグラフィ発動中のみクールタイムが減少している扱いになります。

地面設置マギグラフィ

 地面設置のマギグラフィは、魔法陣内にいる敵味方に様々な効果を及ぼします。範囲は半径3mで固定です。また、体型を変化させるマギグラフィもあり、「太る魔法陣」などはネタとしてある程度需要があります。

例:範囲内の敵の防御保護を10減少、範囲内のパーティーメンバーの負傷を10秒ごとに100回復、半径3m範囲内にいるPTメンバの筋肉を10秒毎に増加など


強みースキル強化と強力な範囲効果

 自分指定型では、威力を含めたスキルの強化ができます。

 ただし、先述の通りスキルの威力強化はスキル倍率に加算する(例えば、マグナムショットR1であれば500%+100%=600%となり、最終ダメージの強化幅は20%程度)ため、見かけほど効果が上がらない場合が多いです。

 また、誘惑の罠やスピニングスラッシュなどの範囲拡大は使用感に直結するため、場合によってはかなり効果的な強化になります。

 地面設置型については、体力・マナの回復系効果がエリクサー使用時よりも強力(マナエリクサー夜間回復量秒間75に対してマギグラフィ回復量秒間100)であり、小回りは利かないものの純粋な回復目的であれば再生の領域以上の効果を得られる場合もあり強力です。

 デバフ効果はワイバーン等とは別枠で発動しているようなので(クラーケン、使徒レイド等のアイコン表示より)、さらにワイバーンを一体当てたかのような保護破壊が可能となりました。


弱み──発動時間の長さ・範囲の使いづらさ

 とにかく発動までの長さが欠点です。魔法陣を出現させてから次の行動に移るまで5.5秒近い硬直が発生します。これは「豊作の歌」を歌い始めてから効果が発動するまでの時間とほぼ同じです。そのため、高頻度でかけなおしが発生する高速周回や、短時間に多くの行動を求められることの多い使徒レイド周回(特にハシディム)などとの相性は最悪です。

 さらに、この5.5秒という時間は戦場の序曲の硬直時間の二倍近くの長さです。それでいてダメージの上昇量が序曲以下となる場合も多くあるため、ソロの場合はさらに使用場面が限られます。例えば、関連スキルR1の歌序曲でも26%の最大攻撃力バフで、マギグラフィ発動によるダメージ上昇量を容易に超えます。

 また、半径3mという範囲もかなり狭いです。半径3mはシールドオブトラスト(同調する距離未使用)と同じ。つまり、回復にしろ攻撃にしろ、シールドオブトラストの魔法陣の半径程度の範囲にしか機能しません。激しく動き回る敵に対してはほぼ無力といえます。パーティーメンバーの回復目的であれば複数名での雲ペット連続召喚をしたほうが速い場合が多々ありますし、効果範囲では再生の領域に完敗します。


まとめ――コストが見合わない?スキル

 ここまで得られた特徴を纏めます。

①スキルの威力強化ができる点が魅力。ただし、育ち切ったキャラの場合強化幅が低い場合が多く、特にソロでは戦場の序曲に対して不利な場合が多い。

②誘惑の罠攻撃範囲拡大など、使用感に直結するものは比較的評価が高い。

③地面指定のものは魅力的な効果を持つが、範囲が狭いため使いどころが難しい。

④発動硬直が長い。豊作の歌のテロップ表示までと同じ程度の時間がかかる。

 ①と④が合わさり、「発動モーションに対するリターンがあまり大きくない」という評価をすることがほとんどだと思います。

 ②についても硬直時間との兼ね合いを考えるとテンポが悪く使いづらい、マギグラフィの耐久消費が激しくなるといった課題があり、高頻度で使うことは難しいでしょう。

 

実践編──どう使うのか

 これらの前提を踏まえ、戦闘で使う場面について考えました。原則的には二種類、ダンジョンやクエストの「ボス部屋入場時」と、キャラが育成しきれていない場合の「スキルトレーニング補助」となります。

 前者は、ボス部屋入場前の序曲かけなおし等のタイミングであれば発動硬直の長さが気にならないこと、発動回数が少ないためテンポが悪化しづらいことから最もマギグラフィの恩恵を受けられます。

 後者についてはスキル強化やCT短縮によってトレーニングを加速させることができます。特に敵を倒すトレが存在するスキルでの威力上昇は強さ指定トレを埋める上で少し楽になるかもしれません。


 具体的な使用場面です。

①クラーケン第一区、硫黄クモ一部屋目のような明確な準備時間のある雑魚戦

 範囲強化が輝く数少ない場面であり、なおかつ周回ペースの関係で発動頻度は必ずしも高くありません。

②クラーケン第三区・ゴーレム湧き待ち中の回復、蘇った虚像魔法陣部屋

 このあたりはほぼ再生の領域と同じですが、範囲が狭いため使う場面もより限定されます。

③クラーケンレックス等の動かない敵

 クラーケンレックスは動かないため、デバフを最も発動させやすいボスの一つです。デバフを盛って倒しましょう。

④タルティーン防御戦、生贄など、インターバルの関係で極端に待ち時間の長いクエスト

 暇なのでスキル発動モーションの問題は解決できます。

⑤背水のお供

 主に「トレーニングしたいスキル」「アイススピア爆発範囲」「ライトニングボルト最大ダメージ」。硬直時間に見合った効果を得られる可能性が高いです。

付録:個人的な「使える」マギグラフィ集

個人的に使用感がよかったマギグラフィの組み合わせです。

自分付与

サポートショット近接強化倍率10%
デスマーカー維持時間3秒増加

 味方にタコナックル使いやランチャの鬼がいる場合の支援特化スタイル。サポートショットとデスマーカーによる手厚い支援で味方の火力を上げられます。かなり割り切ったスタイルで味方依存度が高すぎるのが欠点。

フレンジー効果時間5.0秒延長
リロード詠唱時間0.5秒短縮

 銃を精霊化していない人の対アルバンナイトゴーレム専用構成。
 緑色のアルバンナイトゴーレムを壁に押し付けて倒します。

バッシュ打撃ダメージ40%増加
レイジインパクト近接追加ダメージ10%増加

 序曲を他に使ってくれる人がいるときのマギグラフィ。
 ケル剣でバッシュしつつ時々レイジインパクトを差し込んで火力強化を狙います。バッシュダメージ強化はR1で大体10%くらいの強化。FH後に使うのが理想ですが硬直時間の扱いが難しいところ。


地面設置

半径3m範囲内にいるパーティーメンバーの生命力を1秒あたり100回復
半径3m範囲内にいるパーティーメンバーのマナを1秒あたり100回復
半径3m範囲内にいるパーティーメンバーの負傷を1秒あたり100回復

 回復欲張りセット。最後をスタミナに変更するかはお好みで。
 待ち時間が長い場合はとりあえず設置しておくと高速回復します。範囲が狭いため少人数向け。

半径3m範囲内にいる敵の防御と保護10減少
半径3m範囲内にいる敵の魔法防御と魔法保護10減少
半径3m範囲内にいるPTメンバーのマナを1秒当たり10回復

 タコをタコ殴りにするためのマギグラフィ(激うまギャグ)
 出現直後にクラーケンレックスの足元に設置し、マナシールドを貼った状態で攻撃します。範囲内ではマナエリ以上の勢いでマナが回復していくため、ほぼ被弾を無視して攻撃できます。範囲から漏れないように時々シールドオブトラストを発動すると◎


付録:場合によっては使える?マギグラフィ

ドルカコンバージョン 獲得ドルカ0.6~1増加

 使徒レイド周回のデスマーカー役のドルカ回収補助用。10レベルのマギグラフィではドルカコンバージョンマスタータイトルと合わせてドルカを3追加獲得でき、10レベルを用意できなくとも「闇を切り裂く」二次タイトルを使えば6レベル以上でドルカ獲得量を増やすことができます。一回のドルカコンバージョンでドルカを9確保できるのはかなり便利です。

時々怪しい囁きが聞こえる

 一定時間ごとに怪しい囁きのメッセージが表示されます。
 闇の力を使っているようで中二心が疼く人と、単に痛々しいだけと感じる人の二通りの人がいるようです。私は前者なので気が向いたときに使っています。

ヘイルストーム最大ダメージ60増加

 戦場の序曲で威力が変化しないヘイルストームを強化できる貴重な強化手段。ただし、魔攻520弱のキャラでダメージは約3%の増加であり、発動硬直に対して多いとみるか少ないとみるかはあなた次第です。

マグナムショットダメージ100%増加

 一時的とはいえ昇段以上の効果を得られます。マグナムショットは昇段試験の難易度が極めて高いため、場合によっては選択肢に入るかもしれません。


誘惑の罠スキル範囲半径2m増加
フローズンブラスト射程距離1m増加
レインキャスティング詠唱時間1秒減少

 クラーケン第三区、大精霊を抜けてボス部屋でレインキャスティングをするための構成。ほぼネタ構成です。


追記:実際の運用

 マギグラフィが実装されて数か月経過し、色々な使用感が分かってきました。

 実際に使われるのはほぼ地面設置の回復型で、特性セットに再生の領域を入れなくて済む(切り替えなくて済む)点が特に便利でした。範囲の狭さについても浄化やクラーケン3区の待ち時間であれば移動して待てるので大きな問題はありません。

 対クラーケン用のマギグラフィは防御低下+マナ・生命力回復の組み合わせも面白そうです。

 自己強化のマギグラフィについてはディレイに対して得られる効果・効果時間が低く、使用されることもほぼなくなりました。スキル倍率が加算ではなく乗算になれば使用率も大きく変わると思います。



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