岩間さゆりという私の愛する役者が苦しみを乗り越えて、ミスiD2021に挑戦します。

(この記事は彼女の了解を得て書いています。内容も彼女に見てもらっています。不器用な彼女が勇気を出して新しい一歩を踏み出したことにエールを込めて。)

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岩間さゆりとの出会いは小劇場の舞台でした。同じ座組だったんです。

ビックリなのですが…その年、わたしは彼女と3つの舞台で共演します。同じ事務所でもないのに。

いくら舞台役者の業界が狭いとはいえ…異例ですね笑

彼女とはなんだか波長が合うんです。気づけば「親友」と呼べる仲になっていました。

役者同士って皆ライバルだったりするのでなかなか心を開けなかったりします。でも彼女には絶大な信頼を置いていて、他の人には話しにくいことも話しちゃったりします。そんな関係です。

今年の春、コロナ渦が世界を取りまきました。ある日ステイホームしている時にさゆりから電話が来ました。普段いきなり彼女は電話をかけてきたりしないので、もしかして間違えてLINE電話のボタン押しちゃったのかな…なんて思いつつも電話に出ました。

すぐに電話先の彼女はいつもと違う雰囲気だということを察しました。涙で声が震えていました。

どうしたか聞いたところ、

「ちーちゃん、大塚さんが亡くなってしまったの…」

大塚さんとは彼女の所属事務所の社長でもありマネージャーです。一共演者のわたしも仲良くさせていただいていて、私の30歳の誕生日には所属タレントでもない私に電話をくださいました。「ちーちゃん、売れろよ」と声をかけてくださいました。

私にとっても大切な存在の方、さゆりにとってはお芝居を仕事にしよう、と決心するきっかけになった恩人と呼べる方でした。

コロナの関係で大塚さんのお別れ会は行われませんでした。

私ですらお別れの言葉を言えなかったのが悔しかったのだから、さゆりの心を思うと…本当に悔やんでも悔やみきれなかったと思います。

そんな彼女に私は

「今日は寒いね」とか「コンビニの〇〇が美味しかったよ」とかそういった些細なことでもいいから、寂しくなったらLINEしてと言いました。

それから体調どう?とかささいな連絡もいっぱいしました。

でもある時、さゆりから「ちーちゃん、今日電話したいんだけど」と連絡がありました。

「夜なら大丈夫だよ」と返信したのですが今までしていた些細なLINEと内容が違うということは直感でわかりました。

そして、その夜の電話が来る前に私は知ってしまいました…ミスiD2021のHPで。

岩間さゆりがエントリーしていることを。

ビックリしました。

彼女は前へ前へと積極的に出るタイプではなかったから。

でもそんな彼女を突き動かした理由を私は知っています。彼女は恩人に恩返しをしたいんだ、と思いました。

でもどこまで公表するんだろう…  そこに関しては気になりました。エントリーシートには大塚さんのことには触れていない。

その夜、電話でさゆりと話しました。「"夢みる時を過ぎても"そのフレーズに自分が呼ばれた気がして、今度は自分の力で進みたくてエントリーをした。…でもやっぱりやり方や戦い方がわからない、相談にのってほしい」という内容でした。彼女の意思を感じました。

今回のミスiD2021は書類選考全員通過、だから審査員の方の目に留まるための母体があまりにも大きすぎる… でもやるからには爪痕を残したい。

彼女は話し合いの末、noteで戦ってみると言いました。

今日、そのnoteが公開されました。

彼女の苦悩と葛藤といろんな気持ちが混じった文書だと感じました。

もがいてもがいて苦しんで、でも書いた文章なんだろうと思いました。アドバイスが欲しいとのことで、初稿から読ませてもらいました。初稿はもっともっとシンプルでした。


岩間さゆりって本来は「言葉選びの天才」なんです。

舞台をやっているとお互いの演技プランが合わなかったり色々とトラブルがあったりします。そんな時にスッと間にはいってくれて、誰も傷つけない言い方でその場を治めてくれる。

正直ツンツンしているような気質の子も何故か岩間さゆりには心を開いたりする。

私はそんな岩間さゆりに惹かれ、何度も助けてもらいました。

岩間さゆりからでてくる独特の癒される、周りの人を穏やかにするオーラを"イワマイナスイオン"と私は呼んでいます笑 それくらい、なんか他の人にはない空気と才能を持った人なんです。

でもそんな「言葉選びの天才」岩間さゆりが悩み悩んで書いた文章の初稿は…めちゃくちゃ色んなことがオブラートに包まれていました。

優しいさゆりだからこそオブラートに包んでしまったのだと思うのですが、もっとさゆりには伝えたいことがあるはず…!と思いました。

電話してまた話し合いました。

亡くなってしまったさゆりの恩人にどこまで触れていいのか、ゼロからのスタートになってしまったけど自分で一歩踏み出そうとしていること、ホントはミスコンとか受ける性格ではない彼女がバチバチの戦いの場に行くこと…不安もあると思います。でも不安も引っくるめて書いていいのではないか。色んな話をしました。

そして彼女が悩み抜いて書いたnoteです。

(また貼る笑)

ぜひ読んでみてください。

臆病な彼女が勇気を出して弱さも苦しさも曝け出した、素敵な記事です。

大切な人がいなくなって、お別れの言葉も言えず、まだまだ見せたい姿もあったのに…と色々な気持ちが渦巻く中、普通だったらこんな短期間でこんな過酷なコンテストに挑戦できないと思います。

(さゆりは去年の私の戦いをずっと見守ってくれていたのでミスiDがどれだけサバイバルな戦いか知った上でエントリーしています。)

私の何でも話せる友達であり、同じ夢を追いかける同志。

頑張ってほしい。心からそう思います。


既存のミスコンとは違って多くのしがらみに囚われない、ミスiDってそういうものですもん。

…少なくとも私はそう思ってます。


他の場所では色んな制約があって戦えなかった私に去年めいっぱい自分の思うことを叫ぶ場をくれたミスiD。そしてその叫びを沢山の人が聞いてくれたミスiD。

その場所でどうか彼女らしく戦ってほしいです。


以上、朝木ちひろからの岩間さゆりへの長い長いエールでした!!