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夢の話

気づいたら私は囚人になっていた。おかしな房だ。囚人全員が同じ部屋に閉じ込められていた。それぞれに1つずつベッドがあてがわれていた。老若男女、囚人服でなく様々な格好をしていた。食べ物に事欠くことはなかったが、不衛生極まりない部屋だった。
赤いセーターの老女が特に新入りである私の世話を焼いてくれた。食事を運んでくれたり薄汚れたカトラリーをくれたり。
中には少女もいた。名前はメモだった。

その後突然の場面転換。実はあなたは囚人ではありませんでしたと言われる。
ヨーロッパの寄宿学校へ場面は早変わりした。さっきの少女メモもいたし、弟もいた。
調度はマホガニーを基調としたクラシカルさなのに、みんな自室ではダラダラとくつろいでいた。但しなぜかみな制服のままだった。シワになるだろうにと思った。制服も茶系のクラシカルでベレー帽もついていて私は気に入った。

授業後部屋でくつろいでいたら―自室は1人部屋ではなかった―なにか当たりくじのようなものが出てよく分からず弟に見てもらった。その当たりくじの話をした。ハロウィン仕様のスイーツがファストフード店で発表されるらしく、それの割引券だった。ペットボトル飲料についていた。

また次の授業後の休みの一コマで、私は囚人時代からの悩みをメモにカウンセリングしてもらう約束をした。14時からの一コマが空いていたからそこでもよかったが、メモはぐっすり眠ってほしいからと、私の部屋で21時にと約束した。メモは実力あるカウンセラーらしく、私は7000円支払った。

午後の授業で街へ出て中世ヨーロッパを体験学習する時間があった。食べ歩きしてもしかられなかったので、私たちは例のハロウィン仕様のスイーツを買った。クレープなのだが、カフェラテ、いちご、バナナ、チョコがあった。全てにチョコレートが入っていて、私はチョコ味を買い、みんなで回したベをした。
街を抜けるとすぐ、中世の風景になった。石畳の道、橋を渡る。石造りの古城。街へはいるとそれぞれのショップごとの鉄看板。
有名司会者がオープンカーに乗って、カーニバルのように人の集う街をゆく。人並みにまぎれながらだから歩くスピードだ。司会者はゆうゆうとリアシートで肘掛椅子に座るような格好をしていた。私達―正確には私―がこの世の仕組みを聞いた。なぜこんな風景を再現できたのか、それはホログラムだかららしい。風景だけでなく私達全ても。私たちの体はよそで「生かされて」いるらしい。脳みそに栄養をやって、見せたり、食べる体験をさせたりしているのだという。それにしてはあのファストフード店のクレープは498円もして高く感じた。つまり、食べたこの体も食べたものもホログラムだったというわけだ。
有名司会者は続ける。「この世にはどうしてもということは何一つないんだよ」と。私はそれを聞いて気持ちが楽になったが、それならなぜ生きなくてはならないのだろうとも思った。

その答えを聞こうとして目が覚めた。

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