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【2025年度朝霞市市長選】2/10市長選討論会 要約まとめ
はじめに
2月10日に開催された朝霞市長選挙公開討論会での内容を読みやすく要約しまとめる記事を公開することとしました。
朝霞倶楽部は朝霞市民のシビックプライドの醸成(地元愛の向上)を掲げ朝霞に親しみを持ってもらうための情報発信をしてきました。今回の朝霞市市長選挙は5期にわたり市長を務めた富岡勝則現市長が立候補をしないということで、新市長誕生となる重要な市長選です。一人でも多くの朝霞市民がこの選挙に興味を持ち、より良い朝霞にしていければと思い、本記事を作成いたしました。
市政というのは、国政よりも1人1人の1票の影響が大きく、自分の意見が反映しやすい政治です。是非この機会に投票を通じて自分の意見を反映してみませんか?
なお、回答の順番に関しては当日の通りに記載しており、分かりやすく、読みやすくするため両者の意見を要約する部分もありますが、平等な発信にすべく個人的な意見に関しては一切入れておりません。クロストーク以降は発言に忠実に書き起こさせていただきました。
実際の映像はこちらになります
1. 自己紹介
小野寺 のりこ プロフィール
![](https://assets.st-note.com/img/1739535360-Q8xl5yWSdXZGwJBAftLzIEH7.png)
略歴(選挙ドットコムより引用)
1990年 労働省(現・厚生労働省)入省
1992年 大臣官房広報係長
1994年 長男出産・育休取得
1995年 海外労働情報係長、長女出産・育休取得
1996年 労働研修所教官
2010年 埼玉労働局職業安定部長
2013年 就労支援訓練企画官
2014年 雇用管理改善分析官
2015年 人道室長・ハローワークサービス推進室長
2017年 労働大学校准教授
2018年 首席職業指導官
2019年 障害者雇用担当参事官、障害者雇用対策課長
2023年 福岡労働局長
2024年 12月 厚生労働省を早期退官
詳しくはコチラ
松下まさよ プロフィール
![](https://assets.st-note.com/img/1739535339-4TrC25aOhgD0AEwn7IuYlQJH.png?width=1200)
略歴(選挙ドットコムより引用)
昭和46年1月9日生まれ(54歳)
明治大学公共政策大学院卒業
転勤族の夫と結婚した矢先に義母が急逝。当時朝霞市助役を務めていた義父を支えるために夫の故郷、朝霞市に戻り25年。子育てをしながら、地域の様々な課題に気付き、よりよい朝霞をつくるために政治家を志す。
平成23年朝霞市議会選挙初当選。その後2期務め民生常任委員会委員長/建設常任委員会委員長を歴任。平成31年埼玉県議会議員選挙次点。その後の4年間を修養の期間と定め、アラフィフにして明治大学公共政策大学院に入学し政策の研究に励む。またその間義父の介護を経験。
令和5年4月埼玉県議会議員当選。溝沼第一町内会副会長 溝沼連合町内会自主防災会運営委員長 朝霞市歩こう会会長 朝霞市ユニカール協会会長 等を務める。防災士
詳しくはコチラ
2. 両者の主張
松下候補の主張
健康福祉・教育
保健所体制の強化や医療体制の充実。
放課後子ども教室の整備拡充。
小中学校の給食改善に向け、国や県と連携。
防災・防犯
防災士として、防災体制や地域防災力の強化。
避難所や防災運営協議会の整備。
警察と連携し、防犯対策を推進。
行財政改革
歳入確保と効率的な行政運営。
DX推進で業務効率化。
他市との広域連携によるコスト削減とスケールメリットの活用。
松下候補は、健康福祉や教育の分野において、まずコロナ禍での経験を踏まえ、保健所体制や医療体制の強化が必要だと強調した。具体的には、県と市がしっかり連携して、万が一に備えた医療体制を強化していく考えだ。また、教育面では、来年度からの放課後子ども教室を全展開し、市内の小中学校の給食改善にも力を入れて、国や県と連携しながら子どもたちが健やかに成長できる環境を作っていきたいと言っている。
さらに、防災や防犯に関しては、松下候補自身が防災士であることを活かし、地域防災力の強化を進めると語った。災害時に備えた運営協議会を立ち上げ、避難所の整備も進める予定だ。そして、防犯対策として、警察と連携し、地域全体の安心を守るための施策を強化していく。
行財政改革では、歳入確保と効率的な行政運営を実現するため、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進を掲げている。業務の効率化を進め、行政サービスの質を向上させるとともに、他市との広域連携を活用して行政コストを削減する計画。
小野寺候補の主張
生活福祉分野
セーフティーネットの強化(ホームヘルパー派遣、コミュニティソーシャルワーカー配置)。
若者支援(地域若者サポートステーション設置)。
保健師・助産師・カウンセラーの育成と配置。
地域経済活性化
市内事業者の育成・支援。
柔軟な働き方の促進(人手不足対策)。
商店街活性化、空き店舗活用、企業誘致、スタートアップ支援、都市農業振興。
市役所の機能強化
DX推進(書かない・待たない・迷わない行政)。
ワンストップ窓口の導入。
職員が地域に出向き、現場での政策実践と人材育成を推進。
小野寺候補は、生活福祉分野を最優先に、セーフティーネットの強化を提案した。具体的には、産前産後の支援や、高齢者が介護保険を利用する前のサポートを強化するため、ホームヘルパー派遣事業やコミュニティソーシャルワーカーの配置を進めると言っている。また、地域社会に踏み出せない若者に対して地域若者サポートステーションを設置し、福祉の体制をさらに強化していく考え。
地域経済の活性化に関しては、市内の事業者を支援し、柔軟な働き方を推進することで人手不足を解決すると述べた。また、商店街の活性化や空き店舗の活用、企業誘致などを進め、地域経済を強化することに力を入れるという。さらに、小野寺候補は国での経験を活かして、スタートアップ支援や都市農業の支援にも取り組むと強調している。
市役所の機能強化については、デジタル化(DX)を推進し、より効率的で市民に寄り添った行政を目指すと語った。「書かない・待たない・迷わない」という方針で、窓口業務を一元化し、職員が地域に出向いて現場の状況を把握しながら政策を実施する考え。
【ポイント】
どちらの候補も福祉・防災・行政効率化に重点を置いているが、松下候補は防災・防犯と広域連携を強調し、小野寺候補は福祉と地域経済の活性化に力を入れているのが特徴的。
3. 福祉分野に関して
松下候補と小野寺候補が共通して取り上げていた福祉分野について、より具体的な支援対象について尋ねられた。それぞれ、どのような人々が具体的にどのように支援していくのか。
松下候補の回答
松下候補は、「医療体制の万全な対応」として、市内における中核的な医療拠点の整備を考えていると述べた。具体的には、現在整備が進んでいない市内の跡地に医療施設を設置し、地域医療の拠点を強化することを目指している。これにより、住民が安心して医療を受けられる環境を整え、医師会や関係者との協力を得ながら進めていく予定だ。また、民間の活力を取り入れた医療施設の整備も視野に入れているという。
小野寺候補の回答
小野寺候補は、福祉支援の対象として、子どもや子育て世代、さらに年齢を重ねて困難に直面する高齢者や、社会参加に一歩踏み出せない若者を挙げた。具体的には、産後うつなどに悩む子育て世代に対して、産後ヘルパーを派遣し、負担軽減を目指す。また、困りごとがあっても相談先が分からない人々をサポートするため、コミュニティソーシャルワーカーを配置することを提案。さらに、若者に対しては、社会参加を促進するための若者サポートステーションを設立し、孤立しないよう支援を行う考えだ。
【ポイント】
松下候補は、地域医療の強化を通じて、住民が安心して医療サービスを受けられる体制を整備しようとしている。一方、小野寺候補は、福祉支援を通じて、社会的に困難を抱える人々に手を差し伸べ、支援のネットワークを構築することで地域社会をサポートしていく考えを示した。それぞれが異なるアプローチで福祉の充実を図ろうとしている。
4. 地域活性化に関して
小野寺候補の提案
中小企業の人手不足対策
中小企業や商店街での短時間の雇用機会を提供することで、障害者や高齢者、社会参加に躊躇している人々が活躍できる場を作り、人手不足の解消を目指す。また、ハローワークとの連携を強化し、特に人手不足業種への人材確保を推進する。地域経済の活性化
市内事業者への発注方法を工夫し、地元経済を活性化する。また、農業支援として地域農業事業者との対話を定期的に開催し、国への要望活動を行う。市民活動の支援
若い世代を積極的に市の活動に参加させ、町内会や自治会を巻き込んで、住民が協力して地域課題を解決する体制を作る。さらに、若者による政策コンペを実施し、若者の市政への関心を高める。
松下候補の提案
小規模企業やスタートアップ企業、飲食店の誘致
空きビルや店舗を活用し、小規模企業やスタートアップ、個人経営の飲食店を誘致することで、地域経済の活性化とまちづくりを進める。起業家支援として、育成セミナーや融資制度を活用し、県のスタートアップ支援施設と連携を強化する。地域イベントの推進
既存の春夏秋冬の祭りを中心に、市民が集うイベントをさらに推進し、常に活気のあるまちづくりを目指す。特に、黒目川の花祭りや彩夏祭のような大型イベントを通じて、市民が気軽に参加できるようにする。再開発地域の整備
基地跡地をはじめとする再開発地域で、公共施設の老朽化を改善するための検討を行う。また、民間資本の導入や企業・団体との協業を検討し、財政の限られた中での効率的な整備を目指す。
【ポイント】
小野寺候補は、特に社会的な包摂を強調し、地域経済と市民活動を活性化するために多角的な支援を具体的に提案。松下候補は、ビジネス誘致や地域イベントの推進を通じて、市の個性を強化し、再開発を進めることを重視している。それぞれ異なるアプローチで地域活性化を図ろうとしている。
5. クロストーク
1.小野寺候補から松下候補への質問
小野寺候補
私から一点質問したいのが、三点目の基地跡地の利用計画についてです。現在、市民の皆さんと一緒に作り上げた基地跡地利用計画があるのですが、その中で特に国有地の取得と、民間資本の導入に関して、どのように具体的に考えているのかをお聞きしたいです。国有地の取得に向けた調整は大変だと思いますが、その進め方について教えていただければと思います。
〈松下候補の回答〉
松下候補
ありがとうございます。基地跡地について、特に公園用地(14.6ヘクタール)には約162億円、図書館の北側にある公共施設用地(1.7ヘクタール)には約61億円がかかると言われています。しかし、ただ放置するわけにはいかないと思っています。それを市民のために活用することは、朝霞市民の昔からの悲願でもありますので、単独の市の予算だけでなく、国からの補助金や起債の活用、民間企業や団体との協業を通じて、さまざまな可能性を検討して進めていきたいと考えています。
2.松下候補から小野寺候補への質問
松下候補
私と小野寺さんが同じように考えているのは、スタートアップ企業の誘致についてです。朝霞市にとって、スタートアップ企業の誘致は重要だと思っています。県と連携し、私も朝霞市の魅力を発信して、小規模企業や個人経営の飲食店を誘致したいと考えています。限られた土地の中で、大規模な企業は誘致できませんが、交通の利便性を活かし、小規模な企業を誘致することを重視しています。小野寺さんはどうお考えですか?
〈小野寺候補の回答〉
小野寺候補
スタートアップ企業の誘致について、私はスタートアップ企業と企業誘致は別物だと考えています。スタートアップ企業の支援は、市内の住民がさまざまな挑戦をする場を提供する形です。例えば、コトノハコさんのような小さな店舗でビジネスを始め、そこから成長する支援をすることが大切です。また、企業誘致においては、大きなオフィスが必要ないIT企業やテレワークを活用した企業をターゲットにするのも一つの方法です。私が以前担当した障害者雇用の経験を活かして、障害者雇用を進めることも重要だと考えています。
回答を受けての松下候補の補足
松下候補
私も小野寺さんと同じように、小さな企業から始める形で支援をしていきたいと考えています。また、シニア層や女性に対する支援も大切です。みらい大学などそういったプログラムで学んだ方々の起業を応援し、社会経験を活かして新たな企業へとつなげる体制を作りたいと考えています。
その他補足コメント
地域活性化についての発言
松下候補
地域イベントの推進についても触れましたが、朝霞市では自治会や町内会によってさまざまなイベントが行われています。また、市民の皆さんが率先して行っているイベントも多くあります。これらの活動をさらに応援し、朝霞市が活力ある街として笑顔をもたらせる場所になっていくよう支援したいと考えています。
小野寺候補の補足発言
小野寺候補
中小企業や人手不足対策として、私は『超短時間雇用』という制度を導入したいと考えています。これは、短時間で働ける障害者や高齢者、引きこもりの方々に仕事を提供し、地域の活性化につなげる制度です。この取り組みは、地域の多様な人々が活躍できる場を作り、自己肯定感を高めるためにも非常に有効だと考えています。
【ポイント】
〈地域活性化のアプローチ〉
小野寺候補は、特に病気や引きこもりなど様々な事情を持つ人々の雇用機会を作ることに重点を置いており、「超短時間雇用」を活用して地域活性化を進める点が特徴的です。
松下候補は、市民主導のイベント推進やシニア層・女性の支援に注力し、街の活力を高めるための活動を重視しています。
〈スタートアップ企業誘致〉
小野寺候補はスタートアップ企業の支援に関して、市内の住民の挑戦を支援する形で進める方針であり、企業誘致よりも市民の支援に力を入れています。
松下候補は、企業誘致に関して県との連携を強調し、小規模企業や飲食店の誘致を進め、土地の制約を克服しようとしています。
6. 安心と安全
松下候補
地域防災力の強化
小学校を避難所として活用し、自治会や自主防災組織との協力を推進。
衛星電話の設置を進め、災害時の通信インフラを強化。
子育てや医療インフラの整備
放課後子ども教室を拡充し、障害児や病後児の保育を充実。
地域医療の中核拠点として、民間活力を活用した医療モールの整備。
給食費の無償化に向けた検討
無償化の試算を行い、財政的な課題を踏まえ、国や県に無償化の推進を求める。
小野寺候補
子育て支援の強化
産前産後の支援を強化し、地域での連携を深める。
専門職を活用した、子どもの支援体制を整備し、シームレスな支援を提供。
地域の困りごとの対応
コミュニティソーシャルワーカーを設置し、市民の困りごとに迅速に対応。
高齢者向けのサポート体制を強化し、身近なサポーターとして地域の連携を活性化。
保育教育の充実とインクルーシブ教育の推進
放課後児童クラブの確保と質の向上を図る。
インクルーシブ教育を推進し、多様性を受け入れる学級環境を整備。
松下候補
ちょっと補足だけをさせていただきたいというところがあります。障害児や病児、病後児の保育の充実という点であります。今現在、卵保育園という、あのTMGの脇のところで、すでに病児・病後児保育というものは実施をしています。しかしながら、それだけではやはり足りないということで、今後はNPO法人などに委託をする形で、緊急時やしっかりとした病児の保育の受け入れ強化というものを図っていき、ご家族の安心・安全をしっかりと担保していきたいと考えております。そしてまた、子ども家庭センターの設置に関しましても、母子保健と児童福祉の一体化ということが言われていますので、そういったことは保健センター内に設置をしていき、医療体制の中核化を整えた上で進めていきたいと考えています。
小野寺候補候補
私も補足をさせていただきます。三点目の保育・教育充実とインクルーシブの推進の中で、最後に申し上げましたインクルーシブ学級、これをモデル的にやりたいという内容です。いろいろな教育現場で合理的な配慮という言葉が浸透しつつあって、例えば文字を書くことが難しい場合にタブレットを配って学習支援するということが行われていますが、これをすると、一般的には『なんでその子だけ特別なんだ』という声が出てくることがあります。つまり、その障害を持つ子どもに対して配慮をすることだけではなく、クラス全体が自分に対して配慮をしてほしいという裏返しの声だと思います。そこで、みんなで話し合って、例えば『積極的に手を挙げて発言するのは緊張するから、家で飼っている虫を持っていきたい』という場合、虫が嫌いな人がいるからぬいぐるみに変えようとか、そういった話をみんなでしてルール作りをしていく、そんな多様性をみんなで受け入れるというインクルーシブ学級のモデル授業があります。これをぜひ朝霞市でも実現できたらと思っています。
両者の発言に対する質問
①医療インフラの整備について
小野寺候補
2つ目の医療インフラの整備についてお話しされていましたが、この地域医療の中核拠点というのは、例えば病院を作るという形なのでしょうか。具体的な中身を教えていただきたいです。
松下候補
中核の拠点の整備についてですが、現在、朝霞の保健センターが大変手狭になっています。そのため、まとまった公有地を活用して、医師会館や休日・夜間診療機能、さらに民間病院を集約した医療モール、民間活力を活用した整備を進めていきたいと考えています。そして保健センター内には、子ども家庭センターを設置し、母子保健と児童福祉の一体化を進めるとともに、保健センターの機能も充実させていきたいと考えています。ただ、医師会や土地所有者の方々との調整も必要なので、しっかりとその課題もクリアしていきたいと思っています。
小野寺候補
ありがとうございます。素晴らしい構想だと思いますが、私からは、地域医療の中核拠点を作るということの他に、かかりつけ医や診療所と病院の連携をもう少し強化し、病院での待ち時間が長いという課題にも対応していけるといいかなと思いました。
松下候補:
まさにその通りだと思います。かかりつけ医と病院の連携を強化し、患者さんにとって有機的に連携できる体制を作っていくことが重要です。
②インクルーシブ学級について
松下候補
インクルーシブ学級についてですが、私もインクルーシブ教育を進めていくことは非常に重要だと考えています。モデル校として一歩を進めてみるということだと思います。もしそのインクルーシブ学級に参加したい場合、どのようにして参加するのか、クラスの選定方法や移動手段などをもう少し詳しく聞きたいと思います。
小野寺候補
モデル事業として、まず一つのクラスで実施し、その後、先生方みんなで学び合っていくという形で進めていきます。最終的には、全てのクラスにインクルーシブ教育を広げていきたいと考えています。そのため、参加するかどうかの選択ではなく、すべてのクラスで配慮を受けられるようにしていきたいと思っています。
質疑応答
質問1:朝霞市の福祉行政に関する透明性と市への愛着について
先日、お2人ともご親族に障害を持つ方がいらっしゃると話されており、福祉行政についても触れていましたが、私の方で市民から寄せられた声として、今後の朝霞市の福祉行政で、埼玉四区の代議士が経営する社会福祉法人や医療法人に偏るのではないかという指摘がありました。市長に就任された際、もし一般競争入札で落札されるのであれば問題ないのですが、随意契約を結ばないとお約束いただけますか? また、朝霞市が膝折りから朝霞に名前を変え、今年で93年となりますが、お2人が朝霞にどんな愛着や思いを持っているのかも伺えますか?
松下候補
まず、随意契約についてですが、私はすべてにおいて公平で公正であるべきだと強く考えています。そのため、そのような契約は結ばないとお約束できます。これまでも公正であることを大切に進めてきましたので、この点については問題ないと考えています。
次に、朝霞への愛着ですが、私はこの市に25年住み、政治活動を始めてからは15年になります。子どもを育て、親の看取りも経験し、地域の温かさや優しさに支えられてきました。特に孤独な育児をしていた際、地域の皆さんの助けが大きかったです。朝霞は人々が優しく、自然も豊かで、黒目川などの自然環境に恵まれています。また、便利な都市環境が整っており、発展の可能性が大きい街だと感じています。駅前や市街地の整備も進んでおり、これからもさらに発展させるために力を尽くしていきたいと思っています。
小野寺候補
まず、随意契約に関してですが、私は福祉事業を進める中で、民間委託に偏ることなく、障害を持つ方々が持っている能力を最大限に発揮できる環境を整えることが大切だと考えています。随意契約の具体的な内容については今、正確に理解しているわけではありませんが、契約は常に公正で適正に行うことが重要です。そのため、随意契約に関しても適切に対応するつもりです。
次に、朝霞への愛着についてですが、私は松下候補ほど長い期間住んでいませんが、それでも朝霞の自然や住環境に魅力を感じています。黒目川の美しい夕日や朝焼けは本当に素晴らしく、東京に近い立地も魅力的です。住んでいる期間は短いですが、それが市政への思いや熱意に影響を与えることはありません。これまでの職業人生でも一人一人の幸せのために力を尽くしてきましたので、市民のために尽力する覚悟には全く問題ありません。
質問2:マニフェストに関する質問
お2人のマニフェストを見て、松下候補は各分野にメリハリがあり、点数にバラつきが見られる一方、小野寺候補はすべての分野に10点をつけています。それぞれの思いをもう少し具体的に聞かせていただけますか?
小野寺候補
点数についてですが、社会保障というのがあまりにも広い概念なので記入を控えたため、このような記載は主催者側の方でこのような表記になりました。ですが、私の政策の主眼は、まず生活福祉に力を入れることです。障害者や高齢者を含めた全市民が安心して暮らせる社会を目指しています。加えて、福祉を支えるために経済活性化や労働分野の改革を進めることが重要です。特に中小企業の支援や人材確保には力を入れたいと考えています。財源確保を含めた行財政改革も進め、安定した基盤を作ることが最優先です。また、近年の自然災害に備えるために、安全・防災対策を強化し、市民の命を守る体制を作ります。教育や子育て支援については、これまで以上に充実させていく予定です。数字の記載に不備があった点については申し訳ありません。
松下候補
私のマニフェストについ補足させていただきます。確かに、農林漁業に関しては、朝霞市には漁業が関連しないため、この部分の点数は低めに設定しています。しかし、都市農業には力を入れていきたいと考えており、特に地域での農産物の生産や直売所の促進、環境保全型の農業支援などを進めていきます。その他の分野では、私が重要だと考えるものに高い点数をつけています。福祉や教育、経済のバランスを取るために、重点分野により多くのリソースを割り当てる方針です。特に、地域経済の発展と住民の生活向上を図るため、地方創生に力を入れていきます。これらの政策は、朝霞市の未来に向けた発展の礎となると信じています。
質問3:子育て支援に関して
朝霞市の子育て支援政策をどのように変えていくのか
松下候補
子育て政策についてですが、まずは今年度から始まる『子どもの居場所づくり』を拡充していきます。現在は2校から始めた取り組みを、10校に広げていきます。これにより、どこに住んでいても不公平が生まれず、すべての家庭が安心して利用できる場所を提供することができます。また、保護者の皆さんが安心して働けるよう、子どもにとっても安全で安心できる居場所作りを進めます。さらに、朝霞は子どもが多い地域であるため、相談体制を強化し、発達やお悩みに対応できる専門的なサポートを提供します。保護者の不安を解消することで、子どもたちの幸せを支える社会を作っていきたいと考えています。
小野寺候補
私の考えでは、これまでの子育て支援は数を確保することに重点が置かれていた部分がありました。今後は、質の向上と、それを担う人材の育成に注力していきます。現在、さまざまな支援策が存在しますが、それぞれの支援がしっかりと連携し、必要な時に専門的な支援を受けられる体制を作ることが重要です。今、支援が途切れてしまうことが多いと聞いていますが、次の支援にスムーズに繋がる仕組みを整えていきます。また、看護師や助産師、カウンセラーなどの専門職をさらに活躍できるよう、人材育成に力を入れ、支援の質を高めていきたいと考えています。数を確保するだけでなく、質の向上と人材育成を進めていくことが、子育て支援の進化に繋がると信じています。
質問4:地域経済の復興と人手不足・後継者不足への対応
地域経済の復興、個人商店の数が減っている。農家も中小零細事業者も後継者不足、人手不足で廃業に追い込まれています。新しい産業を生み出す必要がある融資や支援が求められていますが、お考えをお聞かせください
小野寺候補
後継者不足や人手不足は、経済活動を推進する上で非常に重要な課題です。これからも、日本全体の課題として、人口減少と労働者不足が進む中で、できるだけ人手を減らさずに業務が進められるような形、つまりDX(デジタル化)やテクノロジーの活用が求められています。ただ、それだけでは解決できないと考えています。地域にはまだたくさんの担い手となる方々がいらっしゃるので、単に「働いてください」とお願いするだけではなく、環境を整えて、多様な人々が活躍できるように支援していきたいと考えています。
また、支援策がまだ十分に伝わっていないと感じています。国や経済産業省、商工会議所など、地域の支援策を必要な方々につなげ、地域内での情報共有や横のつながりを強化することが重要です。こうした支援を行政としてしっかりと実施していきたいと考えています。
松下候補
静かで落ち着いた雰囲気、自然と都会のバランスが良いという点について、私も同じように感じています。20代の息子も同じことを言っていますので、嬉しいです。
ご質問いただいた内容についてですが、確かに人手不足や後継者不足で悩んでいる業界が多いことは事実です。しかし、若い人々だけでなく、企業を卒業したリタイア組の方々にも新たにチャレンジする可能性があると考えています。彼らは経験や実績を生かして、地域に貢献できるかもしれません。また、若い人々が自分の力を活かせるような場所を整え、支援していくことも、後継者不足や人手不足を解決する一助となると思います。
そのために、空き店舗を活用して小さなビジネスを始める方々を応援したり、起業家支援や融資制度を利用した支援を提供することが重要です。店舗のリフォーム補助金や県の支援策(渋沢ミックスなど)を活用することで、新しいビジネスの創出を促進したいと考えています。商工会など地域の団体とも連携し、情報をしっかりと共有し、必要な支援を必要な方々に届けていきたいと思います。
質問5:教育の現場について
支援学級の利用生徒数の増加、人手不足やスキル不足により疲弊している教育現場、学校給食の質の低下などについてです。未来の子供たちのための教育現場のインフラ整備が急務だと考えていますが、この教育の現場について、候補者のお2人の考えをお聞かせください。
松下候補者の回答
まず、支援学級の数や利用生徒数の増加についてですが、私は県議会議員としても支援学級や支援学校の問題に関心を持ち、議論に参加してきました。県では新しい学校や環境整備を進めているものの、財政面で難しい状況もあります。例えば、川口特別支援学協の増設には6億円以上の予算が投入されますが、早急に対応するのは難しいという現実もあります。しかし、私としては引き続き要望をしっかり行い、国と連携しながら改善を目指していきたいと考えています。
また、教師のスキル不足や人手不足も悪循環を引き起こしています。これについても、国と連携して抜本的な解決を目指す必要があると感じています。子供たちは地域の宝であり、国の未来ですから、教育現場には十分な支援が必要です。
学校給食に関しては、質の確保と充実が重要ですが、無償化を進めるには財政負担が大きいのも現実です。朝霞市においては子供の数が多いため、無償化には6億円以上の予算がかかります。これについても、県や国に対して要望を重ね、一歩でも前進させていきたいと考えています。
小野寺候補者の回答
教育現場の質の低下について、特に学校給食についての話を聞いたとき、実際に給食のメニューを見せていただきましたが、バランスの取れた副菜が欠けていたり、生徒たちが楽しみにしている給食の時間が十分に充実していない現状に対して、早急に改善が必要だと感じました。
特別支援学級、支援学校、通常級という三つのカテゴリーがありますが、偏在があると感じています。それぞれのカテゴリーがきちんと機能するためには、教師たちのスキル向上が不可欠です。多様な生徒に対応できるように、教師の育成や研修が重要だと思っています。
また、インクルーシブ教育という方向性に沿って、教師が多様な生徒に対応できる能力を高めることが必要です。時間はかかりますが、これに取り組むことが未来の教育にとって大切なことだと考えています。
朝霞市の未来に向けた決意表明(最後のコメント)
小野寺候補
私は先ほど冒頭、ご自己紹介でも述べましたように、34年間、厚生労働省で働いてまいりました。本当にお一人お一人の生きがい、働きがい、これを実感できる社会の実現に向けて仕事をしてきた中で、この気持ちは、朝霞市に対しても全く同じ気持ちです。弱い方、そして困ったときにこそ地域とつながって取り残されたり、孤立することのない、しっかりとセーフティネットを持った姿勢というのを作っていくことが、言ってみれば、誰にとっても本当に安心、安全、そして幸せが実感できる地域づくりにつながると考えています。ですので、その行政経験から得ております政策実現力、また組織を束ねてまいりましたので、民主的なリーダーシップ、マネジメント力、またその現場を大事にし、企業をたくさん訪れて、その成果を政策立案に生かしてまいりました。こういった圧倒的な現場力、これらをフルに、そして全国の人脈、情報、知恵、これらをなりふり構わず、この朝霞市に投入をいたしまして、朝霞市を活気ある新しい朝霞市に変えていきたいと考えています。
松下候補
私は市議会議員、そして県議会議員と経験をさせていただきながら、持続的な発展を続ける朝霞市の未来にとって何が必要なのかということを真剣に向き合ってきました。私は今回、強く豊かな百年都市朝霞を作ることを重点的な政策として、市政を大きく動かしていきたいと考えております。また、現職の富岡市政のバトンを受け取る形で今がありますので、継承と前進、今ある姿勢をしっかりと継承すべきところは継承し、さらにバージョンアップを重ねていく姿勢で政策を立てています。安全で良質な公共サービスを実施するとともに、未来に向けた朝霞のまちづくりを、皆様とともに手を携えながら前に進めていきたいと考えています。市民の皆様が安心して豊かな生活をしっかりと支えるための政策を進めていきたいと考えており、これまでも、そしてこれからも朝霞とともに歩んでいきたい。誰よりも身近で声の届く存在として、朝霞をより良くしていきたいと考えています。以上です。
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