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世界の文字:東南アジア

東南アジアは、西欧からインドシナと名付けられたように、インドと中国の影響が見られる。

ベトナムはもともと漢字文化圏だったが、フランス植民支配時代にラテン文字に切り替えられた。

複雑な発音体系を持つベトナム語をラテン文字でカバーするのは無理があったのか、特殊な記号が多用されている。

書道の文化もある。
漢字文化時代から引き継がれているのだろうが、ラテン文字の書道にはどうも違和感が残る。

ラオスのラオ語は、タイ語とほぼ同一言語で方言程度の違い。
文字はタイ文字とは異なる。

タイに敵対心を持つため、ラオ文字はタイ文字との差異を際立たせるようにしているらしい。
いずれにせよ、ラオスもタイも文字はインドの文字がルーツとなっている。

タイ語。

観光大国タイだが、都市や観光地以外では英語はまったく通じない。
ホテルの看板なども徹底してタイ文字。
東南アジアで唯一植民支配を免れた国というのもあるかもしれないが、こういった言語的閉鎖性は、中国からこの辺りにかけて共通して感じられる。

横断歩道?

カンボジアのクメール文字は、東南アジアで最も歴史がある。

タイ文字はクメール文字をモデルとしている。
クメール文字のルーツは、やはりインド。

これらの国々に共通するのは、仏教という巨大な文化基盤。
サンスクリット語で書かれた仏教経典の文字が、それぞれの土地の言葉に合うようにアレンジされていったのだろう。

アジアは文字の宝庫。
世界の大半の地域は、ラテン文字、キリル文字、アラビア文字が広範囲で統一的だが、アジアは国が変わるごとに文字が変わる楽しみがある。
アラビア語しか認めないクルアーンと違い、仏教やヒンドゥーの多神教独特のユルさが、文字の多様性を生み出していったのかもしれない。

なんともユニークな丸文字のビルマ文字は、そのハイライトといえる。

視力検査じゃないですよ。

文字を書くのに使われていた葉が裂けないよう、直線ではなく曲線で書くようになったという。

なんか落ちてた、絵柄が日本っぽい。

これも日本のマンガかな?

数字も、ミャンマー人が書くとなんだか丸っこい。

出会ったミャンマー人が書いてくれたメッセージ。
「なんて書いてあるの?」と聞いたらビルマ語で説明されたので結局わからなかった。

複合民族国家マレーシアでは、マレー語、中国語、英語の三言語表記が見られる。

マレー語は、系統としてはインドや中国よりは太平洋のオーストロネシア語系。
インドネシア語とは同言語に近く、はるかアフリカのマダガスカル語とも共通性がある。

イギリス植民支配以来ラテン文字が当てられるようになったが、それ以前はアラビア文字、イスラム化以前はインド系の文字が使われていた。

マレー半島の先端に住む漢族が建国したシンガポールも、やはり複合文化。
標識は、英語、中国語、マレー語、タミル語、そしてなぜか日本語も。

ボルネオ島。
ブルネイの言語はマレー語だが、文字はアラビア文字(ジャウィ文字)が使われる。

ボルネオのマレーシアでは、華人の存在感が非常に強く、漢字文化感。

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