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冬季北海道サイクリング:釧路→札幌

釧路のライダーハウス。

夏季は相部屋になる可能性もあるが、今は完全プライベート。
すべて自由に使えて2500円。

ふだん晩飯はスーパーの弁当を1500~2000円分ぐらい買っているが、一向に腹満たされず。
店でおいしい海鮮を食べたりもしてみたいけど、腹が膨れそうな予感はゼロ。
だいたい、奮発して店でおいしいものを食べようと思い立った時に限って閉店してる。

エネルギーチャージするには、自炊するしかない。

3泊。
睡眠と食事とネット以外はほぼ何もしない。

また内陸へ。

陸別町。

日本一寒い街。
標高が高いわけではないが、盆地である陸別町には冷気がたまる。
晴天率が高く、放射冷却によって冷えやすい。
過酷な内陸国モンゴルと似た環境。
冬の平均気温は日本で最も低く、-30℃を下回ることもザラにある。

一晩寝てみる。

思いのほか生暖かい北海道、道東は雪もない。
ここなら僕をゾクゾクさせてくれるだろうか。

朝、-16℃。

こんなもんか。
なかなか本気見せてくれない北海道。
こっちから求めても思うように応えてくれるわけじゃない、自然も人間も同じかな。

池田町という小さな街の旅館で。
素泊まりで食事は付かない宿だが、「豚汁つくったので良かったらどうぞ」と。

いや~泣けるほどうまい。
ふだんのスーパーの弁当や自炊飯は、どうしても野菜不足になる。
具材たっぷりで本当にありがたい。

翌朝。
街が埋もれてる。

久々の雪。
昨日まで積雪0mm、路面は乾いていた。
いきなりドカーンと来たな。

空路を含む交通機関は運休。
国道も一部通行止め。
学校も休校。

サイクリングもお休み。
前日キャンプしてたら終わってたな。

歩道はおろか車道も除雪が追いついていない。
荷物満載の自転車だと街から出ることもできない。

「不要不急の外出は控えてください」って久しぶりに聞いた。

仕事として除雪をして稼げるならまだしも、雪国で暮らす人々は1円たりとももらえないにもかかわらず日々雪かきという重労働を課せられる。

宿の御夫婦はとてもやさしく気遣ってくれる。
2泊目は値引きしてくれた。
食事付きの宿ではないにもかかわらず、昼にそばを出してくれた。

これまた感動的にうまい。
どっかしらで高くついてもいいから豪勢な食事付きの旅館にでも泊まってみたいものだな、と常々思ってはいるのだが、感動の強さはたぶんこういう方が大きい。

翌日。

ファンタスティック。

とはいえ地元の方々はまだ黙々と雪かき。
立ち止まって写真を撮る人などいない。
幻想的白銀世界にうっとりしているのは僕だけだ。

しかし久しぶりだな、雪道。
もう冬は終わってしまったのかと気分落ち気味だった。

再び海へ。

「コンブ」もアイヌ語由来。

シカを撮ったつもりが、何かが後ろを通った。
何だあれ?
タヌキ?

襟裳岬。

人っ子一人いやしない。

暴風地帯。
宗谷にしても根室にしても、突き出た半島というのは風がよく吹き抜ける。
特に襟裳岬の風は、全国でもトップレベル。
テント張れない。

よって寝場所はバス停。

今はバスに乗る人も旅をする人もほぼおらず、シェルターとして独占させてもらう。
屋根と壁がある、それだけでもう怖いものはない。
快適。

岬にトイレあり。
人っ子一人おらず、周辺の店も全滅の襟裳岬だが、トイレだけは常時利用できる。

夜は吹雪いたようだ。
バス停の扉のわずかな隙間から雪が吹き込み、シュラフが凍りかけていた。

暖流の黒潮と、寒流の親潮がぶつかり、雲や霧が発生しやすい。

日本らしからぬ、荒涼とした風景。

無人。

向かい風。

西進する限りは、向かい風。
一応まともにこげる程度ではあるが、ペースはノロノロ。

少々アップダウンの繰り返し。

現代アート?

標高247m、支笏湖。

これは景勝ルート。

ディープブルー。

ちょっとした峠を越えて、札幌へ。

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