孑孑日記35 一旦の終わり

 就職活動をようやく終えた。妹は「得たものもあるんじゃない」というが、得たものより失ったもののほうが大きいので、まったく肯定的にこの時期を見ることはできない。せっかく回復しかけていた自尊心を再び失ったし、大学4年〜23歳までの2年間をほぼ棒に振って、読んだり書いたりする量が著しく減ってしまった。特にこの2年分の機会損失は、のちのち大きく響くような予感しかない就職の失敗で、取り戻しかけた成人前までの人生がまた手放された。就職してから再び取り返す作業が必要になり、単なる二度手間である。得たものといえば自己理解くらいだが、そんなもの昨年の秋前にはいまとほぼ変わらない結論に至っていたから、特に長くやっていたためではない。ほんとうに、無駄な2年間だった。

(2023.9.6)

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