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竹田恒泰さんの「国史教科書」を読む シリーズ1 はじめに

きっかけは、櫻井よしこさんと竹田恒泰氏のYoutubeでの対談からでした。
竹田さんの「国史教科書ー中学生社会科用 第7版」が文部科学省の教科書検定に合格し、一般書籍として発刊するに至った経緯を語られていました。櫻井よしこさんが、中学生といわず家庭に一冊置いて家族中の皆で読むべき本であると絶賛しておられました。そこで早速購入。
ちょうど孫の大学受験が終わり不要となった高校生の「日本史」を貰い受けて比べてみよう、私の好奇心がムクムクと頭をもたげてきました。

苦節6年の歳月をかけて合格した教科書 

「刊行に寄せて」では
『文部科学省の教科書検定に最初に中学校の歴史教科書を申請してから四回連続で不合格となり・・・、令和五年度の教科書検定で第6版と第7版が修正を加えたうえで合格となり苦節6年の歳月を経てようやく・・・。中学の歴史学習や高校受験のみならず、教員が授業の参考とし、社会人が国史を学び直すのに役立てていただけたら幸いである。』と結んでいます。

竹田恒泰氏は旧皇族の竹田家出身。竹田宮恒久王と昌子内親王のひ孫であり、男系では北朝第3代崇光天皇の19世、竹田宮恒徳王3世。女系では明治天皇の玄孫。今上天皇(徳仁)の三従兄弟にあたります。慶応義塾大学法学部卒、学位は法学士。評論家、作家、実業家、皇學館大学非常勤講師、令和書籍社長等多彩に活躍。(wikipediaより)

過酷な大学受験を偲ばせる孫の教科書

孫の高校日本史教科書の最初のページ、「日本史を学ぶにあたって」では、

『日本史は、私たちが住む日本列島の中での人々の歩みを探るものであるがその歩みは様々な国や地域との交流の中で影響を受けつつ展開してきたものである。・・日本史を学ぶ場合、いつの時代についても日本と諸外国との関係に目を向けていく必要がある。・・考古学や民俗学などを含めた新しい研究の成果を十分に織り込み包括的に叙述することに心がけた。日本史の全体像が理解できるよう記述しているので、内容をよく消化すれば日本史についての十分な知識が得られると思う。』 執筆者一同

と記されています。かくして高校生は受験戦争へと突入していきました。

余談ながら、
竹田さんの国史教科書は、一般の書籍と同じく左から右へページを開き、文章は縦書き2段となっています。
孫の日本史教科書は、アルファベット式の右から左へページを開き、文章は左から右への横書きとなっています。
どちらでも慣れれば違和感はありませんが歳のせいでしょうか、縦読みのほうがなじみやすいですね。

しだれ梅 水戸の偕楽園にて

竹田さんの教科書『この教科書の課題』より抜粋

文明に移行した後の人類の歴史は、国家興亡の繰り返しでした。
「世界各国王朝略年表」をみると国家の寿命はそれほど長くないことに気付くでしょう。

日本列島ではヤマト王権発足から約1800年の長い間、王朝交代が起きずに歴史を重ねてきたと考えられます。大陸の殷や古代エジプトなど、大和国家より古い王朝や古代国家はありました。
しかし、それらはすべて滅びてしまいました。

王室がある国で特に歴史が長いのは、王室が成立して約1100年のデンマーク、約950年のイギリスです。

日本の皇室の成立はデンマークよりも古く、皇室は現存する「世界最古の王家」とも言われています。

なぜ我が国はヤマト王権成立以来の長きにわたり、一度の王朝交代や国家の入れ替わりもなく今に至るのでしょう。その答えは諸君がしっかり学び、調べ、友人と議論して自分の力で発見してください。

自分の生まれ育った国家の歴史を知ることは、自分の起源を知ることと同じです。この教科書はその旅の入り口です。

棚田のある里山風景