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研究方法の検討-その①?-

はじめに

幼児期の教育や保育の現場では、子どもの主体性や創造性を育む取り組みが注目されています。しかし、これらの教育実践がどのように効果をもたらすのかを科学的に検証することは、容易ではありません。

現在、私は研究方法を検討している段階にあります。本記事では、その検討対象となっている3つの研究方法について、【自分用に】それぞれの特徴やメリット、活用のポイントをまとめました。

このnoteは、私が今後研究計画を立てたり、論文執筆したりするためのメモです。


1. 行動観察:子どもの自然な行動を捉える

概要

行動観察は、子どもの活動や保育者との関わりを客観的に記録し、そのデータを分析する方法です。現場での具体的な行動や反応を観察し、記録することで、実践の影響を把握します。

メリット

  • 子どもの自然な行動を詳細に記録でき、プログラムがどのように影響を与えているかを直接観察できます。

  • 映像や写真として記録を残すことで、後の分析に活用しやすい。

  • 同じ活動を複数回実施した場合、行動パターンを比較することで、一貫性や違いを明確にできます。

注意点

  • 観察者が記録する際のバイアスを防ぐため、あらかじめ具体的な観察基準を設定する必要があります。

  • 観察中に子どもが意識してしまわないよう、自然な環境を維持する工夫が必要です。

向いている場面

  • 子どもの行動パターンや遊びの中での学びを深く理解したい場合。

  • 環境や素材が子どもの主体性に与える影響を具体的に把握したい場合。


2. インタビューとアンケート:関係者の声を拾う

概要

インタビューとアンケートは、保育者や保護者、子ども(簡易形式)にプログラムへの体験や感想を尋ね、主観的な視点を収集する方法です。関係者の視点を取り入れることで、活動の価値や改善点を掘り下げることができます。

メリット

  • 子どもの感想や体験を直接聞くことで、プログラムの影響をより深く理解できます。

  • 保育者や保護者から、子どもの行動や反応に関する補足情報を得ることができます。

  • 質問内容を工夫することで、さまざまな視点を収集可能です。

注意点

  • 質問の内容や方法によって、回答の正確性が左右される可能性があります。

  • 子どもの発言を引き出すには、言葉の選び方や雰囲気づくりが重要です。

向いている場面

  • 実践が子どもや保護者、保育者にどのような影響を与えたのかを知りたい場合。

  • 活動の価値や改善点を多角的な視点から分析したい場合。


3. エスノグラフィー:現場の文脈を深く掘り下げる

概要

エスノグラフィー(民族誌的研究)は、研究者が実際に現場に入り込み、長期的な視点で活動やその文脈を記録・分析する方法です。現場での体験を通じて、子ども、保育者、環境の相互作用を深く理解することができます。

メリット

  • 現場に参加することで、表面には現れにくい背景やプロセスを深く掘り下げることができます。

  • 時間の経過による変化や、活動の成長を捉えることができます。

  • 子どもと保育者、環境の間でどのような関係性が形成されるのかを詳細に観察できます。

注意点

  • 長期的な調査が必要なため、時間やリソースが求められます。

  • 主観的な視点が入りやすいため、記録の透明性を保つ工夫が必要です。

向いている場面

  • プログラムの成長や現場の文脈を包括的に探りたい場合。

  • 子ども、保育者、環境の相互作用を総合的に理解したい場合。


どの方法を選ぶべきか?

研究の目的に応じて最適な方法を選択することが重要です。

  • 具体的な行動や成果を測定したい場合
     → 行動観察が最適。幼児の自然な行動を記録することで、プログラムの直接的な影響を明らかにできます。

  • 体験や感想を深掘りしたい場合
     → インタビューとアンケートが有効。関係者の声を反映することで、実践の質を高められます。

  • 成長や文脈を包括的に理解したい場合
     → エスノグラフィーがおすすめ。長期的な視点で研究を進めるのに適しています。


3つの方法をどう組み合わせるか?

  1. まずは行動観察から
     プログラムの実施中に子どもたちの自然な行動を記録し、基礎データを収集します。

  2. インタビューで深掘り
     行動データに基づき、保育者や保護者にインタビューを行い、活動の価値や課題を具体化します。

  3. エスノグラフィーで継続的な分析
     プロジェクト全体の成長や変化を追い、活動の背景や可能性を明らかにします。


おわりに

これらの研究方法は、それぞれ独自のメリットがあり、目的に応じて使い分けることでより深い知見を得ることができます。現在の段階では検討中ではありますが、いずれ実際の現場でこれらを組み合わせ、より実践的で有意義な研究を進めていきたいと考えています。

未来の保育や教育に役立つデータを得るために、柔軟かつ科学的なアプローチで取り組んでいきます。

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