麻雀最強戦2020 超攻撃型プロ決戦を終えて④
2017の全日本プロ代表決定戦で優勝して以来、3年ぶりに2半荘目を打つことが出来ました。
心の中は「やったー」と「ほんと良かった…」で埋め尽くされています。
しかし、すぐに決勝卓は始まります。急いで準備をし、心も整えてその時を待ちます。
対局者は前原、たろう、誠一。こんなメンツで卓を囲む機会などそうはありません。しかもプロ人生に大きく影響を与えるような重要な対局です。
あっという間に対局は始まりました。
東1局こそたろうの2000オールでそこそこの点棒移動がありましたが、1本場は前原さんの1人ノーテン、
2本場は誠一さんの1000点と決定打は出ずに進行します。
そして迎えた東2局。西家の私の2巡目の手牌がこちら。
普通はオタ風の南か1枚切れの發なんですが。
打5m。もちろん隣の隣の隣を間違えて切ったわけでも、女性(ウーマン)が嫌いな訳でもありません。
トップ取りのこの対局で、手なりで進行して白ポンの1000点がアガれたり白シャンポンの立直が打てることよりも、
ホンイツをメインに安全牌を確保しつつ、ドラが絡むような手になった時だけは門前立直を打てるように。こんな理由で打5mとしました。
ただ第一打が9sであることからこの進行だとピンズのホンイツと限定されやすいので、全部から前提で6sからで良かったかなとも思ってます。
白をポンした後に親立直を受けて、いったん迂回してこんな聴牌が入ります。
が、ここは打5m。もちろん隣の隣の隣を間違えて切ったわけでも、女性(ウーマン)が嫌いな訳でもありm(ry
現物0なので聴牌に取る打7p、1番安全度が高い9p、筋で通れば3巡凌げる3pあたりが候補だと思います。
まず9pは次また苦しむことが目に見えてるので却下。
3pも筋とはいえとある保障が全くないので微妙。
なら聴牌取りつつ安全牌が1枚増え、巡目次第では79pとオリに回る7pが1番マシかなと思いました。しかし7pはかなり危険度が高い無筋…
なら一筋&ワンチャンスかつ1番最初の数牌が8mだから5m持ってるしそんなに当たらないよね。
というそこそこ安全という読みとピンズもう1枚吸収しての聴牌は勝負する価値がある打点・形になりやすいよね、
という二本立てで、イーシャンテン戻して無筋という字面にすると恐ろしい選択をしました。
この8pを引いて全面対決の聴牌が入るも…
5mにチーテンを入れていたたろうさんに1000点放銃。無念。ちなみに誠一さんはペン7pの一通。危ない危ない。
決定打を潰し合う展開で東3局。
これは良い配牌。
打5s。ウソだろ、と思った方もいるかもしれません(ウーソーだけに)。
唯一のメンツを破壊する。とても抵抗があるかもしれませんが、現状5対子なのでイーシャンテンなことに変わりはありません。
また、メンツ手にするとかなり白のみなってしまいそうです。
なので8sか西待ちで必ず即リーチが打てるように打5sとしました。
1pを引いて門前イーシャンテンを逃しましたが、4pをポンしてトイトイのイーシャンテンに。こうなるとメンツ手でも打点が見込めます。
更に白をポンして5200(高めツモ1600・3200)の聴牌。これは全部いけると思っていたところにたろうさんからリーチ。
一発で引く西。ちょっと見づらいんですが、たろうさんの河めちゃくちゃ七対子っぽいんです。ここに一発で掴む1枚切れの西。
「危険度最上位だわこれ。やめろまじで。」
パシんとツモ切り。
動揺のあまりスクショに失敗してますがキチンと七対子に一発放銃。裏ドラ乗らなくてまだ助かったわ…
ビハインドとなった東4局の親番。この親は大事にしたい。そんな思いと裏腹に誠一さんに索子のホンイツ模様から余る5s。
そしてこの巡目にドラを切れば聴牌というこの形になります。
誠一さんは5sツモ切りの後、5sと西が手出し。
「こりゃほとんど2個目の5sがスライドで西単騎からの待ち変えだなー。じゃないと5s2枚持ってたのに1枚の西を持ってことになっちゃう。」
実際には西が対子落としだったり、
23 55 78 白白 みたいな形から5sを切って次に引いた西で5sと安全度比較で入れ替え、12346789白のどれかを引いて打西みたいなパターンもあります。
が、ようはこのうちどれくらい9sが待ちになってるか、です。
単騎から待ち変えのパターンだと、索子はかなり876◯◯◯◯になっているので14sと69sが大本線となります。
1234 678
1123 678
2344 678
123 6678
123 6789
234 6678
234 6789
この7パターンがメインかな、と思われます。
3456789
1234567
こういうのも無くはないんですが、西を切って5sを残したところに違和感を感じます。
この場合だと4556789西(1234556西)から5を切って西単騎、次の5sを空切りしてツモ3(7)sで打西は自然かな。
今例を挙げてきましたが、思いつくどのパターンでも聴牌してたら50%くらいあたりそうなんですよねえ…
23 55 78 白白 のパターンからでまだ聴牌してないケースもあるけど、さすがに放銃打点も含めて見合わないと判断して泣く泣く迂回は決意。
ここから迂回するにしても2mと6mの選択は難しい。
カン3mがかなり良く見えるのでチーテンも含めて打6mも捨て難かったんですが、上家には絞られる可能性が高そうだったので誠一さんからのポンを期待して打2mとしました。
最終巡目に6sを引いて聴牌して、打6mでカン5m待ちの聴牌。
ハイテイで誠一さんが打6m。
「うわやっちまったシャンポンだった!!!」
と思いきや、誠一さんは69sノベタン。脇2人ベタオリ気配で私の河に6sがある以上、シャンポンにしてたら絶対6mでのアガりは無かったので一安心しました。
ちなみに森山会長も解説でアガりがあったと勘違いしてましたが、これは対談の時にお伝えしたら「それは6s打つねごめん」と仰ってました。
人間なんで選手も実況も解説もみんなミスはあるけど、気づいた時に謝れるのは大事。この立場になってもそれが出来るのは素直に凄いし自分もこうありたいな、と思いました。
今回で纏めようと思ったけど長すぎ!続きます。