見出し画像

「インディゴの気分」初見の感想

現在、Xに投稿していた文章を順番にnoteに移行していまして、こちらはXからの転載となります。
ずっと見たかったポルノグラファーをFODで視聴して感動のままに書き殴った感想文です。(2024.06.29 Xに投稿)

=============================================

いや、もうほんとに、なんなんですかもう。

ポルノグラファーがめちゃくちゃ、本当にめちゃくちゃよくて、もう感動と余韻が止まらなくて、好きすぎて苦しくて、想いが溢れて窒息する!この気持ちどうにかして!と、藁をもつかむ思いで見た「インディゴの気分」。

どういうことなんですか。なんなんですかいったい。
死ぬほどいいじゃないですか!!

ゆうて、スピンオフだし、本編を超えることはないとどっかで高を括っていたあの時の私に忠告したい。
いいか、インディゴすごいぞ、と。心してみろよ、と。油断してたらまじで死ぬぞと。

ポルノグラファーの余韻で瀕死だった私が、見事インディゴで完全に召されましたよ、と。
そんな私のインディゴの感想です。
もう今や私は感情という感情がめった打ちされて生きる屍状態。
まともな思考力を持ち合わせていないので、どれほど書けるか分かりませんが、とにかく黙ってられないので書く。

それにしても。
城戸。
城戸よおい。まじか。

以前、ポルノグラファーの感想で、「木島は城戸に片思いしていて結婚した城戸にひっそりと失恋したことでスランプに陥ったんじゃないか」というようなことを書いたんですが、いえいえ・・・そんな生ぬるいもんじゃなかったですね。

ヤりまくってんじゃん君たち


っていう下世話な話はいったん置いときますが(あとで死ぬほど書くから)、想像以上に濃厚で複雑で、確かに「なんとも説明しずらい関係」でしたね。

つか、いや、なんとも説明しずらい関係っていいますけど、そんな関係にしてるのは一重に城戸くんのせいだと思うんですが・・・?
だって木島先生はめっちゃ一途じゃん。もう泣けるほど一途に城戸が大好きじゃん。

いや、城戸も木島のことが好きなのは分かります。
木島を可愛がる蒲生田先生に嫉妬したり、なにより結婚話が破談になることを承知で桃水社に残り木島の担当を続ける決断したのは本当にすごいことだと思います。
「自分の人生木島にやる」くらいのある種プロポーズに近い男の覚悟が見れて感動したし、「平凡」という自分の殻を破る、勇気ある一歩だったと痺れました。
それほどにまで木島を思う気持ちがちゃんとあるのは分かります。分かるけども。
でも・・・
でもやっぱり木島がかわいそうに思ってしまいます。

タクシーの中での初めてのキスも、木島を好きの気持ちがなかったとは思わないけど、性欲の方が勝っていたキスのように思うんですよね。
フェ…されて思わず興奮してしまい、ずっと憧れていた才能のある男を蹂躙したい制服欲のキスに見えるし、その後のセッ…も「お前がやりたいからやるんだよ」なんて、まるで「俺のせいじゃない」的ななかなかクズなスタンスとるし(その攻め方は全然嫌いじゃないしむしろ大好きだが)、辛うじて挿入しなかったのは偉いけど(偉いってなに)、やった後は背中向けて寝るし、初めて男に抱かれて動揺してる木島の「明日も会えるの?」的な、かわいくも懸命な質問を無視して寝たふりとかするし。

いや、分かる。分かってます。自分でも動揺してるんですよね。
たぶん男抱いたのなんて初めてだろうし、木島に欲情して行為にまで及んでしまった自分を受け止めきれないんですよね。
蒲生田先生の仕事が欲しい自分のためにあそこまでしてくれた木島に、感謝の気持ちを通りこして我知らず愛おしい気持ちが湧いてしまい、フェ…されてまさかの過去一興奮してしまい、そこをなんとか忘れてなかったことにしようとしてるのに、「どうだった?」なんてまるで煽るようなことを言ってくる上に、なにかを強請るような顔で見つめてくる木島を、思わず我慢できず勢いで抱いてしまった。

しかし抱いたはいいけど、この後どうすればいいのか。

そもそも城戸は本当にごく普通の人なんですよね。
結婚して子供を持って、という全うな道を歩むことを一番の幸せと考える平凡で普通の人。
そんな城戸がまさか男に好意を持ったり、あまつさえセッ…したり、そんなこと受け入れられるわけはない。
否定しようとすればするほど、憧れとか執着とか嫉妬とか憎しみとかと同時に、どうしても木島を求める気持ちも複雑に絡まった感情の糸の中に緻密に練りこまれていて、自分でも途方に暮れている。

そんな城戸の気持ちはとても分かります。
世間の目や常識に縛られて平凡という殻の中でしか生きられない自分と、才能に溢れ将来も世間も関係なく孤独を恐れず自由に自分の道を生きる木島。きっと城戸は木島といるとそんな自分の惨めさを突き付けられてすごくしんどいんだと思う。

でも。ですよ。
でもだからっていって木島を弄ぶようなことしたらあかん;;
そんな複雑で説明しずらい気持ちを持ってるのは城戸だけで、木島先生は本当に一途に城戸が好きだと思うんです。

だって大好きじゃん。城戸のこと。大好きじゃなきゃ名前呼びながら自己開発なんてしないよ;

木島が城戸に惚れてしまったのは、きっとあの時ですよね。お父さんの一周忌に行けなくて、酒に溺れていたあの夜。
自分の一番深い、簡単には人に触れさせたくない一番深くて弱い部分を曝け出してしまい、そんな自分の話を真剣に聞いてくれた。みっともなく泥酔した自分を介抱し、「すみません」と涙を流しながら謝罪を繰り返す、これ以上ないくらいぼろぼろの自分を、吐瀉物まみれで抱き止めてくれた。
そして、前日の酒とおそらくまだ強く自責の念と悲しみの残る自分のために、あたたかい朝ごはんを作ってくれ、「ちゃんと食べろ。ちゃんと寝ろ」と体を気遣ってまでくれた。
「ここで終わりたくないんだろ?」の城戸の言葉は、きっと木島の心に深く刺さったに違いない。
優しさと温かさと受容と許しと存在の肯定・・・
これは好きになるには十分すぎる理由です。

純粋で真面目でおそらくびっくりするくらい初心な木島は、この時に完全に城戸くんに恋しちゃったんじゃないかと思います。
だからこそ、蒲生田先生の弟子になることを承諾し、原稿を取りたい城戸のためにあそこまでしたし、そしてなにより、「挿入したい」と言った城戸のために道具を使って開発まで頑張っちゃうなんて、あまりにも健気すぎませんか(泣)
城戸を想って自ら開発し、おそらくそれまでだれにも欲情しない淡泊だった自分の中に初めて城戸に対する欲望の念を抱き、城戸に抱かれて快楽を知った。
そしてその己の内なる欲望と向き合うことで初めてポルノ小説が書けるまでになった。
もうなんて健気なの;;

もちろん、木島もただ恋する乙女なだけじゃないし(たぶん)、自慰も、ポルノ小説を書くための修行のという側面もあるだろうし、自分にはできない生き方をし、自分には持ちえない「平凡」というマジョリティの強さを持っている城戸に対して、嫉妬とか憧れとか蔑みとか、ひとりの男として思うところは色々あると思う。
そういった意味では確かに木島も「なんとも説明しずらい気持ち」がないわけじゃないだろうけど、でも城戸との恋が順調だったらきっとどんどん新作を書き続けられたし、決してスランプにもらなかったんじゃないかと思うんですよね。

ポルノ小説が書けるようになったのは城戸のおかげ。
書けなくなったのも城戸のせい。

そう、木島は思った以上に恋愛脳なのです。
恋で仕事が左右されてしまうOL顔負けの恋愛体質。

そんな一途で乙女なりおちゃんの気持ちを無下にして、手近な女と結婚したり連絡無視したりするから、スランプになるねん。
って、思いましたよ。って話です。(異論は受け付けます)

いや、すみません。
私があまりにも木島を好きになりすぎてちょっと荒ぶってしまいましたが、決して城戸をディスりたいわけではありません。
とにかくそれだけ複雑に絡み合う人間の深い「業」を、見事に描き切っていた作品だと、言いたいのでした。すみません。

ポルノグラファーは夏目漱石の「こころ」を彷彿とさせるような文学的情緒の高い作品だと思うと以前の感想で書いたんですが、インディゴはそれに加えて、がっつり大人の男の生き方、創作の苦しみ、そして師弟愛、迷いながらも己の生き方を貫くハードボイルドみさえ感じさせる、さらに重厚で奥深い作品だったと思います。

なにより、あの木島理生がどういう経緯で鬼島蓮二郎になったのか。その過程が想像以上に壮絶で胸が苦しくなりました。
ただの思いつきのペンネームではなかった。その名前には、師匠である蒲生田先生の愛、城戸への想い、ポルノ作家として生きていくという覚悟。
そんなのが詰まっていました。

それにしても構成力。すごいですね。スピンオフとは思えない完成度に驚愕します。
インディゴの方がもしかして先に書かれたのではないかとすら思うくらい、インディゴを見たあとに改めてポルノグラファーを見返しても、ストーリーにも人物にもまった齟齬や違和感がない。
木島先生がなぜこんな偏屈でこんなに孤独なのか。人の温もりを求めつつもなぜ素直になれないのか。城戸はなぜ木島に対して必要以上の気遣いを見せるのか。いったい二人の関係はなんなのか。
それが全部しっかり繋がっていて、ポルノグラファーで感じた疑問点は全て納得させられました。
木島はただの嘘つきの偏屈なんかじゃなかった。
父親の愛を渇望し、愛に絶望し、城戸との恋を拗らせに拗らせた、筋金入りの偏屈だった。
そりゃ久住くんみたいな純情ボーイ、木島の毒牙にかかったらひとたまりもないだろう。

それにしてもあれですよね。やっぱり語り継がれるべき名シーンはあれ。あの城戸にフェ…するシーンですよね。
あれは本当に壮絶でした。
「俺はかまわない」なんて言いながら、眉根を寄せて唾を飲み込んで覚悟を決める木島の表情とか、驚きと動揺が次第に興奮に代わり、だんだんせり上がってくる快感に抗えない衝動、絶頂に達した後の弛緩するまでの城戸の表情の変化とか。
本当にすごかった。二人の体当たりの演技が壮絶すぎて、息を呑んで見てしまいました。
そしてフェ…し終わった後の木島の表情ですよね。
なんですかあれ。あの疲れ果てたような魂の抜けたような虚ろな表情。あまりにも色っぽすぎて私は頭がどうかなりそうでした。
なんでこんな表情ができるんだろうと感動すら覚えたし、その後のティッシュで口を拭う仕草も口の中まで丁寧にふき取るリアルさに驚愕しました。
「ただ美しいだけの濡れ場」とは一線を画する、唾液の音さえ生々しい鬼気迫るお二人の演技に、息をするのも忘れて見入ってしまいました。

そしてあと好きなのは、木島の自己開発のシーン。
西陽の差し込む古風な和室で、ひとり自慰に勤しむ姿は、なんだかとても綺麗で、それでいてどこか物哀しく、そしてあまりにもあまりにも淫靡だった。
恐らく初めての自慰行為に、最初は痛みしかなかったのが、だんだんと痛みの中から快感が生み出され、次第に大きな快楽へと変わっていく、その表情の変化があまりにも素晴らしすぎました。
まじでなんでこんな表情できるんだろう。竹財さんまじですごすぎる。
でも、こんなに健気に頑張ってるりおちゃんの裏で、城戸は転職の話をすすめてるんですよね。ほんとバカ;
それにしても竹財さんの生足とても綺麗でしたね。とても綺麗で、そしてとてもエロくて最高でした。
つか脚長すぎる。

そして4話のキスシーン。
初めてのセッ…以降、しばらく会ってなかった二人が貪りあうように相手を求める激しすぎるキス。
すごかった。
この時の木島の「城戸が恋しくてたまらなかった」って感じがすごく出ていてとてもよかったです。
一線を越えてしまったあの夜から、城戸を思い自己開発して想いを募らせていた木島。城戸が欲しくてたまらないようなキス待ち顔が切なかった。
(ただあまりにもキスが長くて執拗なので、「なげーよ吉田」っていう竹財さんの心の声が聞こえた気がしてそこは少し笑ってしまった、てのはどうでもいい話)

そしてこの時の木島の手がいいんですよね。
ちょっと変態を承知で語りますが、キスやセッ…してる時の受けの手の位置ってすごく大事だと思っているんですが、だいたいの場合において受の手の位置って、結構ダラっと投げ出されてることが多いんです。
それはたぶん、相手に身を任せようと意識するあまりの結果だと思うんですが、竹財さんの場合はその手がすごく雄弁なんですよね。
相手の胸元に頼りなげに添えられたり、相手の頭を堪えきれないように掴んだり、そっと肩を押し返したり・・・。
そしてあと足の動き。強請るかのように、快感を逃がすように、妖艶に動く足がとても艶かしい。
色んな受けを見てきましたが、キラキラの若い男の子とは違う大人の受けの色っぽさというのを見せてもらえた気がして、私はとても嬉しかったです。

・・・変態な話ばっかりすみません。

しかしやっぱり特筆すべきは最後の、遺影の前でもセッ…ですよね。(懲りずに語ります)
喪服ですよ、喪服。禁断の喪服えちですよ。
遺影の前で喪服でセッ…なんて背徳すぎるシチュ、嫌いな腐女子なんてこの地球上のどこにもおりません。
木島がネクタイを緩めシャツの首元を寛げながら城戸を誘うシーンは、あまりにも、あまりにも色っぽくて気絶しそうでした。
「セックスするしかないじゃん」って半泣きだった木島はどこへやら。こんなにも素晴らしい誘い受けに成長していて、私は時の流れに感謝せずにはいられません。
真面目で研究熱心な生来の性質が功を奏してか、開発しすぎて領域展開しまくってる木島。「こんなの入るわけない」って言ってたあの頃が嘘みたいにめちゃくちゃ感じまくってるの最高でしたね。
しっとり汗をかきながら仰け反った木島の喉がめちゃくちゃ色っぽかったし、絶頂に達しそうな木島が軽く痙攣した時はさすがにびびり散らかしました。いや・・・竹財さんすごすぎない?
そして事後の木島。可愛すぎる。
城戸の肩の上に顔乗せちゃってうっとり見上げちゃって、めちゃくちゃ幸せそうで泣ける。
なんでこのまま幸せな恋人になれないんだこの二人は・・・泣(悪いのは城戸)

それにしても、城戸っていちいち乱暴ですよね。興奮したら机の上やら畳やらにすぐ木島を投げ飛ばすの笑えます。
でも木島も木島で結構喜んで投げ飛ばされてるように見えるからおもしろい。ドMなんですかね?木島先生。
つか、木島もなにげに押し倒されのプロですよね。あんなにいいように押し倒されては、潤んだような色っぽい目で見上げてくるから、あんなの城戸じゃなくても嗜虐心が煽られます。
こんなに濃いプレイに慣れちゃって、久住くんの優しいプレイで果たして木島は満足できるのだろうか・・・といらぬ心配で夜も眠れない私。(余計なお世話)
あ、でもあれか。6発やれる体力あれば大丈夫か。
城戸のドSを若さでカバー。
これで万事解決。
なんつて。

ほんとどうでもいい話ばっかりすみません。(変態すぎてさすがに自分でも引くのでこの辺でやめます)。
ただ最後にひとつだけ。
生まれ変わったら私は3話のタクシーの運転手になりたいと思いました。という情報だけはお伝えしておく。
あとキスシーンの度に吉田さんの髭がめっちゃ痛そうで竹財さんの口元に軟膏を塗って差し上げたくて仕方がなかったよ。
というプチ情報も併せてお伝えしておく。

とにかく。
明かされた二人の過去があまりにも濃厚で重すぎて若干暗い気持ちにもなりましたが、最後はちゃんと久住くんとの幸せなイチャイチャを見せて貰えてよかったです。
バーからの帰りのタクシーの中で、昔の感傷に流されてキスしようとしたどこまでも懲りない城戸のこと、もちゃんと断ることができた木島を見て、あぁきっと今幸せなんだろうな・・・と本当に久住くんと出会ってくれたことを嬉しく思いました。
きっと木島には、久住のような一途に捧げてくれる絶対的な愛が必要だったんですね。
それはもしかしたら求めても求めても手に入れられなかった父親の愛情だったのかもしれない。
久住くんのアパートのインターホンを鳴らす前に少し髪を整える木島先生が可愛くて健気で泣けました。

蒲生田先生の原稿を取るために一緒に戦った戦友であり、編集者と作家という仕事仲間でもあり、共に助け合う親友でもあり、男としてのライバルでもあり、時に恋人で、愛したり憎んだり、それでもずっと切れない複雑な2人の男の感情や葛藤や愛憎が、ものすごく丁寧に圧倒的な描写で描かれていたと思います。

そして師弟愛。父親に注げなかった愛情を死にゆく文豪蒲生田先生に、まるで贖罪のようにひたむきに注ぐ木島の姿に胸打たれました。
そんな理生をまるで自分の忘れ形見かのように可愛がり、行く末を心配して涙を流す蒲生田先生。
好き勝手に生きてひとりで死んでいく覚悟はとうにしていただろう先生に、「生」への執着と心残りを与えた木島に出会えたことは、きっと蒲生田先生の終末の旅に彩りを加えてくれたと思います。
最後の瞬間に木島がいてくれたことで、先生はどれだけ救われ嬉しかっただろう。
自分の渾身の遺作が、愛弟子と共作であり、愛弟子の処女作でもある。
世間には永遠に公表されないふたりだけのこの秘密が、たぶん蒲生田先生の作家人生に極上の花を添えたんじゃないかと思います。

不器用にも必死に生きる男の魂が、美しい映像と音楽、圧倒的な演技力で、生々しく力強く描かれていた、本当に素晴らしい作品だったと思います。スピンオフがまさかこんな神作なんて嬉しすぎる誤算。ポルノグラファーも頭おかしくなるくらい好きになっちゃったけど、もしかしたらインディゴの方が好きかもしれないです。

はぁぁ・・まだ見れていない劇場版を見るのが楽しみで仕方ない。
劇場版を見るまではなにがあっても絶対死ねない!!

というひたすら長い独り言。

全然うまくまとめられなかった。
すみません。

つまりなにが言いたかったいうと。

ポルノグラファーシリーズとんでもねーな??


ご精読ありがとうございました。
おわり


いいなと思ったら応援しよう!