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エナフンさんの「個人投資家入門」のざっくり感想 (2/4)  成長株を激安で買うためにVE投資という概念を理解する

エナフンさん・あるいはピーター・リンチの投資法は

・成長が期待できる企業を探し
・割安さを加味して購入しさえすれば
・後はただじっとしてるだけでアマチュアでも大勝ちできる

というという方法。

これをパターン化するためにエナフンさんが考えたのが
「バリュー・エンジニアリング」という生産工学の概念を応用することだ。

Value Engeneeringの考え方

Value=Function(機能)/コスト(機能)

つまり、コストと機能の関係で価値は変動する

この式で考えるとバリューを向上させるためにはだいたいこのあたりがまず思いつく

F / コスト◯ =同じ機能のものを安く提供する。
F◯ / コスト◯ =より優れた機能を、より安いコストで提供する。
F◯ /  コスト   =同じコストで、より優れた機能を提供する
F◎ / コスト▲ =コストを少し上げても、さらに優れた機能を提供する

ただ、これらのパターンは「漸進的な改善」にとどまる。

エナフンさんはさらに「破壊的イノベーション」のパターンにも注目する

F▲ /  コスト◎◎=⑤ 機能 を 最低限 に 落とし ながら も、 小型 化 などで 使い勝手 を 良く し、一方で価格 を 極端 に 下げる こと で 顧客 の 満足 度 を 高める」 という 戦略 で ある。


この5パターンに該当する時に「投資家にとっての」企業の価値が向上する

本質的価値が上がっても株価がそれ以上に上がっていては意味がない。
ちゃんと本質的価値と株価との関係を考えることが求められる。

VE投資法の考え方に応じて、「本質的価値」と比べて「株価」が激安になっている時にその企業の株を買う

つまり、VE投資法は「市場の間違い」「市場の歪み」の原因をしっかりと理解し、市場が間違っている時に、本質価値が高いのに、激安になっている株を買うということである。

 「 強気 相場 は 悲観 の 中 で 生まれ、 懐疑 の 中 で 育ち、 楽観 とともに 成熟 し、 陶酔 の なか で 消え て いく。 悲観 の 極み は 最高 の 買い 時 で あり、 楽観 の 極み は 最高 の 売り 時 で ある」(『 テンプルトン 卿 の 流儀』 パン ローリング)

 「 皆、 私 に 見通し が 有望 な 銘柄 は どれ かと 聞く。 だが その 質問 は 間違っ て いる。 本当は、 見通し が 一番 暗い 銘柄 を 聞か なけれ ば なら ない の だ」

さて、ここまで読んで「そんなことはわかってるがそれができれば苦労しない」と言いたくなった人が結構多いと思う。

ただ、「そんなことはわかってる」とそんな簡単に言えるだろうか。「本質的価値」と「適正な株価(適正なPER)」をどうやって求めるのかをしっかり考えない限り、わかったとは言えない。

VEの考え方だけを覚えてこの本をわかったつもりになってしまっていては本を読んでないのと同じだ。そういう読み方しかできない人がこの本を読んで「わかったつもり」になるだけでは肝心な部分が理解できず、時間の無駄になってしまってもったいない。

本作のコアの部分はValue Engeneeringの枠組みを理解してから先のココからの部分だ。

時間をかけてゆっくり読む価値のある本なので、ぜひ皆さんも読んでみてください。


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