今週の岡崎さん037 エレクトロニクス関連株の業績底打ちが決算にも出始める
マーケットアナライズマンデー
「いろんなものが整理されないまま上に動いてしまった」=一旦利益は確定させたほうが良い
1:今週のストラテジー=ショートカバーで大きく跳ねたところから一旦利確に押されて回転するのを待ちたい
◇日銀政策決定会合
・24年度はインフレも上ブレだが、問題はむしろ25年度。こちらは経済活動が下ぶれのリスクが高いと植田総裁は見ている=緩和は継続が必要
・日銀にも予見性の高い金融政策を期待したいが、需給ギャップが残っている限り、フォワードガイダンスが機能しにくい。
◇雇用統計は8・9・10月とスローダウンが進む。
・高い長期金利の影響が出ている→雇用を絞り始めている。
・情報産業、運輸・倉庫などもやや減速
→となると、金利上昇打ち止め・低下の背景にある景気減速も考慮する必要が出始めていると考えるべき。
2:企業決算について
今までのところはインフレが内需企業の業績には軒並みプラスに出ている。
しかしリオープンや値上げは2回転目があるのか。インフレの後の消費はちゃんと個数の方減らさずに行けるのか。ここからは「選択的消費」としてすべてが良い業績を出す訳では無くなることを覚悟していきたい。
現時点までは日本株のほうが米国株より優位な状況だが、リオープン一巡・インバウンド一巡後に続くのかだけでなく、中国の影響がアメリカより遥かに大きい。実際中国はあまり元気がないので今後の影響に注意。
3:今週の注目企業=富士電機
最近伸びている電力・設備投資の中核企業。
過去最高益。中期計画も1年前倒しで達成。
パワー半導体は好調だが、顧客である企業のFA設備投資がややスローダウンしてきている。資材高を売上の伸びで吸収しきれなくなっている。
注目は「食品流通・店舗レイアウト部門」。自動販売機が有名だがコールドチェーン機器に期待が高まる。
さらに、今は飲食店や食品流通が店舗の設備変更やレイアウト変更・出店加速の恩恵で冷凍ケースのほうが伸びる。
マーケットアナライズ
グローバルラップ
・FOMCにて金利上昇に警戒(金利上昇が金融政策の代替となっている)発言があり、いったん利上げ打ち止めを市場が折り込む
・雇用統計でやや経済のスローダウンが確認され、長期金利が4.5%まで下げ、VIXクラッシュもあって株価は大きく回復。
・しかし長期金利が急落したので木曜日のパウエル講演では逆に「長期金利下がるなら政策金利上昇も視野」と発言があり長期金利がやや上昇。
・ドル円は、米長期金利が下がっても下がらず。為替介入もなし。日銀の政策が変わらない限りは円安止まらないか。前回介入水準は151.9円程度。
・日経平均は利食いに押された後SQは32500近辺に。今はレンジ相場を抜け出せない。
・独・英は金利引き上げが完全に終わりそうなのでちょっと戻している。
・原油は中国の停滞や、中東情勢の収まりから買われた分が下がる。
・金は有事の金買いが収まって下落。
今週のMost Valuable Stocks
・レーザーテックは受注増が好感される。2nmの半導体が進めば進むほど強い。
・任天堂は上場来高値水準まで。
・自動車株は全般的に好調だが、スズキは特にインドが好調で過去最高益→年初来高値更新。
・グロースは大きくリバウンド。特にカバーは強い動き
・バリュー株のうち銀行は上がりすぎからの調整
・建築系のうち清水建設は、工事の期ズレや資材高・調達難などで大幅下方修正。受注が落ちているわけではなく「工事進捗基準」に注意。
・2024年問題が心配される運輸系。福山通運は2024年問題への対応は問題ないとしつつも、コロナリオープンの需要が想定していたよりもあまり伸びていないことを示す。インバウンド系は本当に大丈夫か?
今週の注目ニュース 外国人の「為替ヘッジ付き日本株ETF」の存在感が増している
①外国人投資家にとっての日本株投資
=日本株が上がるとドル買い円売りしないといけない。
3ヶ月くらい先の値動きを見て「フォワード」で為替ヘッジを調整。
現時点では、HEWJのパフォーマンスがTOPIXを大幅に上回る
アメリカ人投資家にとって、「為替ヘッジ付き日本株」がとても魅力的。
(金利差で年利4%の上乗せが自動的についてくる)
アメリカは、これから為替ヘッジ付き日本株ETFが増えてくる→さらなる円安要因になりかねないですねえ……。
マーケットアナライズプラス(為替解説)
今まではドル高だったが、これから円安
1:まず金利差の問題は膠着状況
FOMCの方で金利が下がらない限り、ドル円相場に大きな変化は起きないか
2:対外収支の問題では円安圧力は緩和
3:需給面では12月の手仕舞いでややドル円は下げるか
マーケットアナライズプラス2 決算解説:エレクトロニクス関連株の業績底打ち?
1:ミネベアミツミ
決算は下方修正だが、日立パワーデバイス買収が評価され株価上昇
2:Metaの計画では、24年度に設備投資を再開
3:メイコーはすでに復活(プリント基板メーカー)