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米国の引締め転換 VS 中国の金融緩和転換

2022年のマクロテーマが「米国の引締め転換と中国の金融緩和転換」と、いわば2021年を反転させた組合せになるというのがコンセンサスになりつつある。上手くいけば後者が前者の影響をある程度オフセットすることができそうであるが、一方で気になるのは人民元相場である。少なくとも2014年の同様の場面で起きたチャイナショックのトラウマを覚えている中国当局は気にしており、米国のテーパリングと中国の金融緩和開始がぶつからないように2021年年末に金融緩和を押し込んだ感がある。

http://www.shenmacro.com/archives/28118772.html


この記事はニュースじゃなくてお勉強メモです。

用語

RRR(預金準備率)とIOER

①RRR Cut(RRRを引き下げることで、FRBへお金預けるうまみが減るのでPBOCへ預けられていた預金 準備が解放され、この分、銀行部門の資金調達コストは低 下します。これにより中小企業への資金供給を促す狙い)
→ただ、リスクがある状況でRRRCutしても国債が買われて利回りが下がるだけになりがち?

②MLF(Medium-Term Lending Facility, 中期借貸便利)
3TSF(Total Social Financing=社会融資総額):金融緩和した分がきちんとクレジット供給として実体経済に流れ込んでいるかどうかを測る指標
④LPR(Loan Prime Rate=貸款市場報価利率):貸出の基準となる最優遇貸出金利。実体経済の融資コスト
⑤PPI(生産者物価指数)とCPI(消費者物価指数)


中国は10月から引き締めを緩め始め12月から全面的な金融緩和の姿勢

社会融資総額(TSF, Total Social Financing)の1月分が発表された。TSFには毎年1月がスパイクする「開門紅」と呼ばれるアノマリーがあり、1月に銀行が全力で貸出しを行うことになっている
2020年、2021年と開門紅が伸び悩んだのに対し2022年1月は前年比+10.5%を付けており、クレジット緩和局面と認められやすい数字

緩和サイクルの最初に慎重さが目立つのは当たり前であり、量さえ出ていればあえてケチを付けるほどでもない。中長期融資が戻ってきた後には金融政策の引締め方向への再転換が取り沙汰されるようになるが、今は政権の火遊びが開けた穴があまりも大きいので再転換は遠いだろう

TSFの数字を受けて海外勢が重視するクレジットインパルスも反発を始めた。これは中国発グローバルショックの可能性を低下させるものである。


ブリカスまじブリカス


夫哀莫大于心死,而人死亦次之

精神が死ぬことほど悲しいことはない





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あさひっち
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