レバナス民は、株価と「実質金利」の関係をかなり意識しておく必要がある
コロナ以降の急上昇は実質金利がずっとマイナスに抑え込まれているという状態が続いてきたからこそ実現した。この実質金利抑え込みに失敗すればSP500の株価は4100で止まらない可能性すらある。
と、いうわけでエルデンリングようやく終わったのでnote再開します。とにかく今の市場はいろいろとわからないことが多いので、Shenさんの記事を読んで勉強します。
金融のプロがよく言及しているBEI(ブレークイーブンインフレ率=期待インフレ率)の正体について
私たちは、単に10年国債利回りを見るのではなくて実質金利を見なければいけない。
確かに、ツイッター上ではプロの方々が「まだ実質金利がプラスになってないから大丈夫」と言っていましたがそういうことなのですね。
TIPS(実質金利側)の利回りが急上昇すると株価崩壊のシグナル
TIPSのチャートはこちらで確認できます。
これは利回りではなくて債券価格の方なので、このチャートが「急低下」する時にやばくなると理解しておけばよさそうです。
確かに2021年11月から下がっていたが、2022年2月から再び買い戻されています。実質金利が再び下がったということですね。
今まで見ていた10年国債のチャートと明らかに動きが違ってますね。
なぜBEI主導の金利上昇なら大丈夫なのか→物価が上がっても企業の成長がそれを上回るから
ただし、この局面だと「グロース株」ではなく「バリュー株」の方が強くなりやすい
結局グロース株の成長は資金ジャブジャブの状態で超低金利で資金が調達できる故に、資金調達して広告撃ちまくったり、過剰なまでの設備投資などの恩恵があったり、自社株買いがしやすい状況ゆえの上昇ということになるみたいですね。
一方のインフレ主導の金利上昇局面では、そもそも資産の価値が値上がりしやすく、需要自体は変わらずに価格が上がる分利益のマージンが拡大すると。
実質金利上昇だとなぜダメなのか
まずグロース株は単純に「将来価値の割引計算式」の関係上、実質金利が上がるだけで過剰なバリエーションが調整されてしまう。
バリュー株においても、「市場の購買力低下」がもたらされるので、純粋に利益推し下げ要因になるということらしいです。
特に今回は、普通に「コスト部分のインフレ」に値上げが全くついてこない状況
CPIが8%も上昇している状況で、給料も9%あげられるかというとおそらく無理だと思われます。それが一過性と言われて一時的に苦しい状況を我慢することになる。
なので、今の戦争が長期化すればするほど、個人消費、企業投資それぞれに購買余力が減っていくことになる。
だからこそ、過剰なインフレは抑えられなければいけない。
アメリカは日本と違って、インフレが起きたら普通に給料が上がっていたから成長が維持できていた。(日本は給料が上がらないからインフレが起きずずっと株価は停滞していた)
しかし、いくら何でもアメリカは超低金利&インフレを続けすぎた。これ以上Appleのiphoneを値上げしても誰もついてこないんじゃないか。実際日本を除けばいろんな国でiphoneのシェアは下がってきていて、Appleも久々にSシリーズを展開し始めた。 もちろんAppleはそれでもサービスや関連商品があり、ソシャゲなどが強い限りは問題なく売り上げは伸び続けるのだが。
とはいえ、戦争の影響で一時的に実質金利は低下した
なぜ戦争によって実質金利が一時的に低下するかというと、戦争が「大幅な需要」を生み出すから。リスクオフでいったん株価は下落するが、その後戦場絡みで需要が大幅に増え、かつ貿易が停滞することで供給も下がるので、局所的なインフレにつながる。
その結果、国民はしんどいけど金利低下に伴って短期的には株価上昇要因になるというカラクリらしい。
とはいえ限界があり、今のインフレが収まらないなら結局名目金利主導で金利は上がり続け、それにつられて実質金利も上がっていく
結局、実質金利は「名目金利-BEI」なので、金利上昇が止まらず、BEIもそこそこにとどまるなら、実質金利上昇は止められなくなる。
今の所はしっかり名目金利にあわせてBEIも上昇しているので実質金利は抑えられている。
2018年からいかに実質金利を抑え込んできたかよくわかるチャートですね。