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何もかもうまくいかないけれど9

「系、歴史変更機関、検索してみたんだけどな」

茜がスマホを系に向けて喋った。
「やっぱり、ヒットしないんだよ。どうしても」
「ほっとけよ、そんななもん。汚らわしい」
系がぶんむくれた。
放課後の教室には暖かい秋の夕陽が差し込んでいて、どこかしら
ほのぼのとした空気が漂っていた。

「なに、むくれてんだよ。あれか

好きなほどキライっていう」
茜が系をおちょくった。
「てめぇ、1765万回ぶっ殺すぞ」
系が凄んだ。
「何だよ、その数字。特別な意味でもあるのか」
「ない、適当にいっただけ」
「だと、思った」
茜が大きくため息をひとつ吐いた。

「系、茜」

担任が大声を出して教室に飛び込んできた。
「どうしたんですか、慌てふためいて」

「今、警察から連絡があってな

朝くんが車に跳ねられて

亡くなったそうだ」

担任がそういうと、系と茜は絶句した。


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