何もかもどうしようもないことだけど7
「どれもこれもたしかに、銃乱射事件
が記載されている」
茜が(世界の猟奇殺人ベスト200)という解説書付きの分厚い本のページを捲りながら、つぶやいた。
「やっぱりあのオンナとんだくわせもんだよ」
茜がそういうと、
「ああ」
系が浮かない顔でボソッとつぶやいた。
「どうした」
「ここ。この箇所」
系が右手の人差し指でページの
一部分をなぞった。
「あっ、消えた」
「うん」
「インクが薄かったんじゃないの」
「イヤ、何か文字が浮かんできた」
系が文章を読み上げた。
「歴史変更機関(サムエル)により
銃乱射事件が一件、世界の歴史から
削除された)
「なんだ、そりゃあ」
「誰かのイタズラだよ」
系は自分を落ち着かせようと、必死だった。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?