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身長153センチ・バブル世代・元看護師60歳女性。フォロワー8万超の「大人コーデ」5つのルール教えます
53歳でインスタグラムをはじめ、日々のコーディネートをアップし続けた結果、ファッションブランドのディレクターになった女性がいる。石橋洋子さん。2022年11月17日で60歳になった。
60歳という年齢も、153センチという身長も、そして元看護師という経歴も、多くのフォロワーを抱える「ファッションアイコン」からは遠く感じる。彼女のファッションの何が、人々を引き付けているのか。
バブル世代の石橋さんは、とにかくおしゃれが大好き。1980年代から90年代にかけて、目まぐるしく変わるファッションの流行も、
「全部受け入れて、めいっぱいおしゃれを楽しんできました」
と話す。だからこそ、60歳を目前にして、
「シンプルで質のいい服を長く着たい。シンプルな服をどう着崩すかがコーディネートの面白さだから。背が低くても、年齢を重ねていても、これが自分らしくファッションを楽しめる秘訣!」
という心境にたどり着いた。
試行錯誤の結果、石橋さんがたどり着いた「アンダー153センチ、60歳」がカッコよく服を着こなすための「大人コーデ」ルールはこうだ。
<その1>シンプルであること
看護師として働いたお金はすべて、洋服につぎ込んできたという石橋さん。60歳を前に「やっとわかった」のは、自分の基本はトラッドだということ。シンプルが一番で、そこに色や小物、アクセサリーを足したり、抜け感が出るように着くずしたりする。これが、石橋さんが考える「大人カジュアル」だ。
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いま、洋服を買うときの基準は「70歳、80歳でも着られる」かどうか。その基準に照らして購入したものの代表例が、マディソンブルーのGジャン型ジャケットだという。スタイリストとして活躍してきた女性が2014年に立ち上げたブランドで、高価だが、石橋さんが購入したジャケットはシャネルと同じ素材で作られていて、ボタンは本物のパール。ジャケットには丈が短い、長いなどの流行があるが、Gジャンの形は絶対に変わらない。それならずっと着られる、と考えたことが購入の決め手になった。
<その2>脚長シルエットを作る
若いころは石橋さんも、背が低いことをコンプレックスに感じていた。でも、それを嘆いていても仕方がないと切り替えて、小柄でも似合う服を着よう、と工夫を重ねてきた。
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編み出した鉄則は、トップとボトム、どちらかを小さくするということ。ダボッとしたニットには細身のパンツ、ワイドパンツをはくならトップスを小さくまとめる、という具合だ。
上半身も下半身も細いラインのものを身に着けるときは、ショールやカーディガンを肩にかけて目線を上へ。シャツを着るなら、写真のように裾を片方だけパンツにインしたり、下のボタンをあけたりすると、「脚長効果」が高まるという。
<その3>身に着ける「色」は3色まで
コーディネートを考えるとき、色の数をバッグや靴も含めて3色までに抑えると、ごちゃごちゃせずにまとまりが出る。3色目に黒を持ってきて全体を締めたり、同系色なら素材違いにして、バッグには抜け色を使うのが石橋さん流だ。
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この「3色」が成り立つのは、そもそも選ぶ洋服がシンプルだから。ワードローブは無地が圧倒的に多く「柄物はほとんどない」とのこと。着てみて顔映りのいいものを選ぶのがポイントで、自身は「オータム系」の色と相性がいい。赤系ならボルドー、緑系なら深緑が似合う。
自分のテリトリーから外れる色を試すときは、顔周りではなくボトムに持っていくといい。石橋さんは長くカーキに手を出せずにいたが、写真ではスカートでチャレンジ。トップスには自分に似合うと感じている深緑、バッグの黒い文字と合わせて黒のカーディガンを肩にかけた。
「これでコーディネートが締まります」と石橋さん。
<その4>モノトーン中心なら靴や小物を差し色に
モノトーンのコーディネートが好き、と石橋さんは話す。最近は特に黒が好き。カッコよく見せたいときほど黒だという。でも、印象が重くなりやすいのもまた黒だ。
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黒だとコントラストが強すぎるというときにおすすめなのは、チャコールグレー。チャコール(木炭)っぽい、つまり黒っぽいグレーのことだ。春夏ならライトグレー。チャコールでもライトでもネイビーや黒、ブラウンはもちろん、赤やブルー、イエローなどの色物とも合わせやすい。石橋さんに言わせれば、グレーは「万能」な色だ。
そして、黒やグレーが中心のモノトーンのコーディネートを引き立ててくれるのが、アクセントカラー。靴やバッグに使うのがいい。
「カラーの足元は最強アイテム。ベルトに色物も素敵ですよ。小粋に見えます」
写真では、赤いサンダルがコーデのポイント。面積が小さくても、存在感は抜群だ。
<その5>スカート丈のポイントはふくらはぎにあり
お気に入りのスカートなのに、着ると脚が太く見える。女性なら、誰しもこんな経験をしたことがあるのでは。スカートの裾がちょうどひざの真ん中だったり、ふくらはぎの半分あたりに来たりすると、どうしても足が太く見えてしまうので、膝とふくらはぎは「出すなら出す、出さないなら出さない」が石橋さんのルールだ。
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ミモレ丈の場合、ふくらはぎの下くらいの長さがいいので、ちょっと長すぎるという場合はウエストで一折する。マキシ丈のロングスカートなら、前スリットがあると足さばきもよく、女性らしさが出る。
石橋さんが「背が低くてよかった」と思える場面の一つが、ロングスカートが「いい感じ」に長くなるとき。ワンサイズ上を選んで、あえて長さを出すこともある。ワンピースも、たっぷり丈があるとエレガントな印象になる。

ここまでご紹介してきた石橋さんの5つのルール、「そんなに難しくない」と思った人は多いのでは。ディレクターを務める「Lazo_N33°(ラソ エヌ サーティースリー ディグリーズ)」は、大人がずっと着ていられるシンプルな服、自身が着たいと思える服を作りたくて立ち上げたブランドだ。いま、ファッションの仕事ができるのが本当にうれしい、と石橋さん。初の著書『アンダー153cm、60歳。カッコよく着こなす大人コーデ』も上梓した。
本には、ここで上げた5つのルール以外にも、石橋さんがたどり着いた「大人カジュアル」のコツが写真と共に数多く収められている。
(構成:生活・文化編集部 端香里/写真:赤司憲壕 abc pictures、北原千恵美)