外出できない日は"プロフェッショナル 仕事の流儀"を観てみませんか? Vol.2
こんにちは。
外出自粛2日目ですね。
昨晩書いた家電のお医者さんの次は、”3000人待ちの本屋” の特集です。
自分が本好きということで、完全にタイトルで選びましたが
今回もとても素敵なお話でした。
今回は北海道の小さな書店の岩田書店がなぜ3000人待ちの本屋と言われるようになったかをまとめてみます。
前回の家電修理のお医者さん今井さんもですが、本当にいい笑顔ですね。
岩田さんは北海道で商社マンとして働いた後、家業である本屋さんを引き継ぐ形で本屋さんになったそうです。
バブル崩壊前は、飛ぶように売れていた本もスマホなどの影響もあり、
売れなくなってきており、悲しいですが小さな本屋さんが近年次々と潰れていっているそうです。
そんな中、岩田さんは本を通じてたくさんの方にメッセージを送っており、
そんな岩田さんに救われたお客様も多数出演されています。
本好きな方はもちろんですが、悩みを抱えている方にも是非観て頂きたい特集です。
3000人待ちの実態: "一万円選書"
特集冒頭にも出てきますが、いわた書店は北海道にある小さめの本屋さん。
といった感じの普通の本屋さんです。
雪が降ったらお客さんがあまりこなくなってしまう。と笑いながら語っていた岩田さんですが、「3000人待ち」の正体は、ホームページで不定期に募集している ”一万円選書” です。
全国から噂を聞きつけて、この "一万円選書" に応募する方が殺到し、3000人待ちとなっているそうです。
この "一万円選書" の特徴を3つほどご紹介します。
①応募者全ての方はカルテを記入する必要がある
②暗い本はできるだけ薦めず、明るい本を薦める
③幅広いジャンルから、その人に合ったものを選書する
①応募者全ての方はカルテを記入する必要がある
>応募して来る方のこれまでの読書歴、現在の境遇を独自のアンケートで
ヒアリング。 そこから、その方の人物像を見極め、一人に対し約1時間程度をかけて選書していっていました。
岩田さんはこのカルテに書かれている情報をしっかりと読み込み、じっくりと選書されていました。
このカルテこそがお客様の心に響く1冊が選べる理由ですが、岩田さん曰く
このカルテには別の意味もあるそうです。
”一万円選書” に応募して来る人の多くは、人生に悩みを抱えている人が多いそうで、このカルテを書くことで、その悩みと冷静に向き合えるような効果もあるそうです。
確かに思い返すと人から本を薦められる時も、薦める時も、心境を考慮し、
その方の状況に合わせた本を薦めると思います。
人によって感じ方はそれぞれありますが、相手のことを想って本を薦めることが多いので、本はコミュニケーションツールの一つなのではないかと岩田さんのお話を聞いていて感じました。
②暗い本はできるだけ薦めず、明るい本を薦める
岩田さんは選書をする際に、明るい本を薦めるようにしているそうです。
お客様(選書依頼者)の調子が悪い時や、辛い時、厳しい時などがあっても
明日にになったら何が起こるかがわからないから、出来るだけ明るい本を選ぶようにしているとおっしゃっていました。
また、本の中には作者の人生があり、色々な人の人生を学びながら自分の人生を組み立てていけばいいともおっしゃっていました。
ここから感じることは、岩田さんはお客様(悩みを抱えている人)に解決作を提示するわけではなく、あくまでその方に寄り添っているということです。
"一万円選書" に応募するということは、ただ単に新しい本を出会うということではなく、自分自身の状況を冷静に把握し、たくさんの本(作者の生き方:人生)を通じて、自分の人生を組み立てていく準備なのではないかと個人的には感じました。
③幅広いジャンルから、その人に合ったものを選書する
岩田さんの選ぶ本はかなり幅広いジャンルから構成されています。
岩田さんのお店の本は、全て岩田さん自身で選んで発注しており、最新作だけでなく、古い本もたくさんあるということが理由ではないかと考えました。
通常の本屋さんは 問屋さんからオススメされる本を中心に店頭に配置しています。
しかし、この方法ですと最新の本ばかりになってしまい、世の中で売れている人気作ばかりになってしまうので、自分がやらなくても成り立つ仕事になってしまうと岩田さんはおっしゃっていました。
かなり昔に出版された本や、あまり売れなかった本の中にも素敵な本がたくさんあるので、そんな本に出会って欲しい。という強い岩田さんの気持ちが
表れています。
岩田さんの考える本屋のあるべき姿とは
岩田さんの考える本屋のあるべき姿とは、 "パスを繫ぐ存在” だとお話されていました。
これは、岩田さんのこれまでの経緯がかなり影響を与えているのではないかと思います。
家業である本屋を継いだ岩田さんでしたが当時は、問屋さんから送られてきた本を並べれば飛ぶように売れていたそうで、苦労はなかったとお話されていました。
しかし、徐々に本が売れなくなり、小さな本屋さんが次々と廃業となり、自身のお店も上手くいかなくなっていったそうです。
そこで、店舗の営業時間を伸ばしたり、配送サービスを始めたりと色々と
チャレンジしたそうですが、上手くいかなったそうです。
そんな中、病に倒れてしまいなんとか一命を取り留めたものの、お店に戻っても何のために本屋をやっていて、どんな本を売りたいのかがわからなく、かなり悩んでいたとのこと。
そんな中で出会った一冊が岩田さんの人生を大きく変えたそうです。
逝きし世の面影
※幕末から明治の日本を訪れた外国人達の記録から、当時の日本の姿を浮かび上がらせる一冊。
この本を読んで、岩田さんは、「私は何も知らなかった」と感じたようで、
こんな本を一冊でも多く売りたいと強く思うようになったそうです。
こうした本は作家さんからのあとから来る人間(読者)に対してのパスでありそれを本屋さんが手助けしながら後ろにまたパスを出して読者に渡していくことが本屋の使命ではないかとお話しされていました。
AIも発展し、レコメンドもそのうち膨大なデータをもとに「人からAI」に代替されていくのかな、、と思う部分もありますが、岩田さんのように悩みに対しての解決策を渡すのではなく、読者の心情に寄り添った本をお薦めするようなことは代替できないだろうし、ずっと続いて欲しいなと心から思いました。
まとめ
今回岩田さんの特集を観て、「本とは何で、どのように向き合っていくか」
ということを考え直すことができたと思っています。
『本を通じていい人生に出会うこと。』
『自分の周りにいない人が本を通じて「過去にはこんな人がいたよね」と学んでほしい。』
『こんな大人になりたいなって大人が周りにいないとしたら本の中でもいいから見つけてほしい。』
全て岩田さんがおっしゃっていることですが、こういったお話をしてくれる方と小さい時に出会いたかったなと思ったのが、正直な感想です。
もちろん、過去には戻れないので、これからもたくさんの本を読んで
周りの大切な人に自信をもってお薦めできる本を見つけたいと思います。
興味出た方はNHKオンデマンドで観れます。
https://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2018088506SA000/
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