Arc column vol.86【集中は抽象的】
Arc column vol.86【集中は抽象的】 2024/9/29(日)
突然ですが、皆さんは、これまでに「集中していこう」という言葉を言われたこと、もしくは言った経験があるのではないでしょうか。
私も野球を続けてきた中で、多くの場面で「集中」という言葉を耳にする機会があり、自分自身でも昔は言ってきた経験があります。スポーツの世界では特に良く耳にする言葉だと思います。
ミスや失敗した後に、「集中していこう!」と飛び交ったり、試合後のミーティングで、次どうしていくべきかという内容で問いかけると「集中してプレーします」というような言葉が返ってくることがあります。
わりと多くの場面で集中という言葉で片づけられてしまうことがあります。
しかし、ミスや失敗したからと言って集中していないわけではないですよね。
試合に向かうには集中力というのは高めて試合に臨んでいるはずです。
ですが、集中するって具体的に何をすることでしょうか。ふと聞かれると意外と答えられないのではないでしょうか。
それもそのはずです。
「集中」という言葉は非常に抽象的で、言葉だけでは具体的にどのようなアクションを起こしたら良いかを読みとることがとても困難なのです。
では、「集中する」、「集中が出来ている」感じれる状態というのは、どのような状態なのでしょうか。
それは、【やるべきことが明確になっていて、頭の中が整理されいている状態】。このような状態が集中できていきる状態だと私は考えています。
逆に周りが集中できていないと感じる状態は、「何をしたら良いか分からない」、「次にど
んなアクションを起こしたら良いか把握できていない」、「失敗やミスを恐れ、プレーに邪魔な考えが頭の中を支配してしまっている」、このような状態のことを指すのではないでしょうか。
このようになってしまうと、パニック状態に陥ってしまい、負のスパイラルに入ってしまいます。
実際に集中できている状態、つまり、やるべきことが明確になっている状態を作るには、何が大切なのか。
それは、プレーが起きる前の準備が全ての鍵を握っています。
いかに準備の段階で【予測】や【想定】が出来ているか。そして、いかにやるべきことに注力するために邪念を捨てられるかだと思います。
予測や想定に関しては、自分の中で考えること も、もちろん大事ですが、周りの選手達と確認の意味も込めて会話すると、より高い効果が表れます。
また、やるべきことを明確にして、邪念を捨てるには、【ダブルゴール】を考えると良いでしょう。
最高の結果を得られる目標と最低限これだけはやるという目標。この2つの目標を立てることが邪念を捨てることに適しています。
特に大事なのは、最低限の目標です。これは、相手どうこうに左右されることなく、自分が起こせるアクションによって完結、達成できるような目標を立てることです。
つまり、この目標を立てることでやるべきことが明確になり、先程から伝えている「集中ができている状態」に繋がっていくのです。
我々大人が、若い選手達や子供たちに声をかけるのは、「集中しろ」ではなく、「次に何が起きるのか」、「どんなアクションを起こすのか」、「最低限自分にできることは何か」。
このような問いかけにしていくことが求められていると思います。
そうすることで、選手達は自然に「集中力が研ぎ澄まされてる状態」に入っていくことができるでしょう。
まずは、大人である我々の問いかけの仕方を変えていくことが必要になるのだと思います。
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佐藤旭