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Arc column vol.16【準備力と鈍感力】

Arc column vol.16【準備力と鈍感力】2023/5/21(日)

先週までの各世代配信が終わり、本日はまた新たなテーマでお届けしようと思います!

本日のテーマは【準備力と鈍感力】。

準備力と鈍感力、この2つにはあまり接点がないように感じる人もいるのではないでしょうか。

しかし、どんな環境でも試合で結果を残しやすい選手、息の長い選手に特徴があると思います。

それが【準備力と鈍感力】を兼ね備えている選手だと私は思います。

一見、対極にありそうなこの2つは意外とどちらも近い関係にあり、試合の中では両方の力が必要になると私は考えています。

多くの遠征や公式戦、特に国際大会を経験させて頂く中でこの2つが非常に大切であると肌で感じました。

なぜこのように感じるようになったのか経緯をお話しますね!

私は、もともと何事に対してもアンテナを張って、敏感に反応することが大切であると思っていました。

どんな状況でもいつもと同じ準備をすること、どんな環境でもアンテナを常に張って周りをみて 取り組むこと、自分にはコントロールできない部分まで何とか普段と同じようにしようとすることが 結果を残すためには必要であると感じてプレーしていました。

とにかくいつもと同じように準備することが1番だと思っていました。

しかし、どこか窮屈さを感じることもあり、自分の思い通りに準備ができない時には不安になることもありました。

特に初めて国際大会へ行った時には、この感覚をすごく感じたのを今でも覚えています。 何で初めての国際大会で強く感じたのか。

それは、
食事やベッド、移動や天候などの自分にコントロールできない部分まで敏感になっていたからだと
思います。

自分の思い通りに物事が運ばないことに対して自分の中で不安があったのだと思います。

この時に初めて、自分の中での準備の捉え方が変わるようになりました。

自分が決めたことを確実に行うことが準備なのでなく、その時その時に応じた必要な準備をすることが本当の準備なのではないかと考えるようになりました。

これをきっかけに自分にはコントロールできない部分(結果や環境等)を気にしても仕方ないという考え方に変わっていくようになります。これを私は鈍感力と呼んでいます。

1つ例を挙げるのであれば、試合の結果や打席での結果は相手がいることなので自分にはコントロールできま せんよね。

しかし、対戦相手の投手を徹底的に見ること、相手打者の特徴を知ることなどの準備は自分にコン トロールできますよねもちろんどんなに準備しても上手くいくかは当日になっていみないとわかりません。

しかし、前もって準備をしておかないと結果にはつながりにくいのも事実です。

つまり、準備という分野においては自分自身がコントロールできる前段階のことに注力すれば良い  ということです。

環境に適応してその時にできる準備を徹底する。これが本来求められる準備だと私は考えます。

そして自分の力ではどうにもならないことは敏感に考えることなく、鈍感に考えることも選手としては必ず活きます。

そうすれば自分がやるべきことに集中でき、心に余裕をもちプレーできるようになると私は思います。

変えられない環境や結果を変えようとするのではなく、自分の考え方を変える方がコントロールできる部分 であり、圧倒的に早く簡単です。

この考え方はスポーツだけでなく、働く中でも同じことが言えます。

上司が求めること、お客様が求めることは基本的には変えられません。ですが、自分が上司やお客様に適した考え方、やり方や準備の仕方を変えることは可能です。

ではこのような考え方を伝えていき、環境を作っていくのは誰か。

それはやはり指導者だと思います。

選手は結果を求め、欲しがってしまうことが多々あります。これはある意味仕方ない思います。

ですがこの時に結果ではない部分に注力させ、準備の部分を見直し、試合の中でチャレンジできるメンタルを作るのは普段から指導者の伝え方がカギを握ると私は考えます。

そこに目を向け、声をかけられる指導者が1人でも増えていき、選手がより輝く環境を作っていきましょう!!

もう一度伝えます。

コントロールできる部分→準備力
コントロールできない部分→鈍感力

どちらの力も積み重ねや訓練が必要なので皆さんも日常や普段の練習から意識してみてくださいね!!

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佐藤 旭

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