ごっとんさん（　https://note.mu/yosuke5103　）のお祖母さまである鬼木奈々子さんの詩を読ませていただきました。
実は先週から喉を痛め、気管支炎との境界を行ったり来たりな感じなのです(^▽^;)
若干ハスキーな声なので、上手く読めるか心配もあったのですが「今の声だから読めるかも‼」…と思い、あえてこの声で挑みました。
BGMはGenki.Sさん（ファッファさん）の『-コドクトキピヨアハノラ-withわたしのしごと_ 』をお借りしました☆彡
https://note.mu/5sawawa9/n/nc45742a9615d

「岩」　　　　　詩：鬼木奈々子

一筋なわではゆかぬ波
引き剥かれた貝のように
生身のまま岩にたたきつけられてはひとたまりもない
期を見て　鎧（とが）った岩のくぼみに体を埋めると
ザラザラの岩膚をしっかり抱えこむ

突出したノコギリ岩
水苔も寄せ付けず
海を駆（ゆ）く神馬のたてがみとなり
中世代の岩�鳴に満ちる
祖父あり
父あり母ありて
いくつものせめぎ合う光と影の中
此の半島の怨霊を聞く

突然　空が破れて海がせり上る
張りつめた呼吸を止めると
いっさいの記憶が失せる
唯　在るのみ

のしかかった怒号は饒舌となり
海は脳髄を岸へ寄せる
網膜をかすめる木々のみどり
誰れかが呼ぶ　呼んでいる
おかあさん！

世界をひっくるめて叫ぶ
無明の声