ウマ娘がサッカーをしたらどうなるか?
毎度、ワンダーアキュートの孫兼コパノリッキーの弟です。タルマエはお姉ちゃんの友達。
Skebからこんな依頼が飛んできたので、お久しぶりのウマ娘記事です。以前に野球について考察しているので、そちらの記事もご参照ください。
というわけで、今回は「ウマ娘がサッカーをしたらどうなるか」というお題をいただいたわけですが――。
野球はそれなりに語れる程度には見ていますが、あさぎはらさんはサッカーに関しては詳しくありません。小学生の頃にはジュビロ磐田ファンのサッカー少年だった時期もなくはないですが、ヒョロガリ眼鏡なので自分でボールを蹴るよりSFCで『エキサイトステージ'95』を遊び、「サッカーマガジン」を買って採点コーナーを眺めてニヤニヤする方が好きでした。後に数字のスポーツである野球に流れたのもむべなるかな。
現在はワールドカップをやっているときだけ見られる試合は見る程度の関心で、普段のJリーグや海外サッカー、日本代表などは特に追いかけていません。現在のJ1にどのクラブがいるのかすら把握してないですし、選手も去年のワールドカップに出ていた選手ぐらいしか知りません。
まあしかし、この依頼を投げてこられた方は前回のウマ娘野球記事を見て投げてこられたのでしょうし、今回もあんなノリでクソ雑計算に基づいたガバガバ考察をしてみることにしましょう。
さて、ウマ娘の人間とは明らかに桁の違う脚力やフィジカルでサッカーをしたら、いったいどんなことが起こるのか?
私たちは既にその答えを知っています。
はい、この記事はこれで終了ですね。お疲れ様でした。
……先読みされていただろうオチを消化したところで、考察に戻ります。
さて、前回の野球考察ではウマ娘のトップスピードを時速60km/h程度として、それに基づいたガバガバ計算で適正なダイヤモンドの大きさを考えてみましたが、「そんなスピードじゃベーランで直角に曲がれないだろ」という至極ごもっともな反論をいただきまして、まことに仰る通りでございます。レースと比べてはるかに短い塁間のタイムをトップスピード基準で計算するのもガバガバの極みの誹りを免れません。当たり前だ。
まあ、それに関しては置いておきまして。
小さなダイヤモンドをぐるぐる回る野球に対し、サッカーは各選手が広いグラウンドを縦横無尽に駆け回ります。つまり、サッカーの方がよりウマ娘のトップスピードを基準とした計算がしやすいと言えるでしょう。
というわけで、今回は人間とウマ娘(=競走馬)のタイムを基準に、人間とウマ娘の脚力をガバガバ比較してみましょう。
しかし競馬で主流の1200mや1600mは日本の陸上競技の公式種目としてはありませんし、逆に人間の800m走をやっているのは地方競馬ぐらいのものです。かといって人間の長距離走である5000mのレースも競馬にはありません。
中央競馬に条件として存在する距離かつ陸上競技の公式種目として存在する距離として、今回は1500m走のタイムを基準に考えてみます。サッカーは芝生の上で行われるので、もちろん芝のタイムとの比較です。
JRAの芝1500mのレコードタイムは1:27.3。陸上1500m走の日本記録は3分35秒42。計算すると、ウマ娘はおよそ人間の2.5倍のスピードで走ることになります。
では、これを元に計算してみましょう。
サッカーコートの広さは、105m×68mと規定されています。人間の基準で作られたこのサッカーコートを、人間の2.5倍のスピードで走るウマ娘が使用するとどうなるか。
単純計算で、ウマ娘にとって人間用サッカーコートの広さは体感として40%の広さにしか感じないということになります。
つまり、人間からすれば42m×27mのコートでサッカーをしている感覚です。
そしてこのコートのサイズは、フットサルのコートのサイズとほぼ同じになります。なんと!
ということはつまり、ウマ娘が人間用サッカーコートでサッカーをするのは感覚としてフットサルと同じ、という結論になります。
フットサルはフィールドプレーヤー4人とゴールキーパー1人の5人制なので、ウマ娘の競技人口の少なさという問題も解決できます。
素晴らしい! ガバガバ謎計算をするまでもなくあっさりと結論が出てしまいました。ウマ娘サッカーは人間用コートを用いた5人制です! これなら各種ルールも基本的にフットサル準拠と考えていいでしょう。
はい、あっという間に結論が出てしまいました。
結論としてはシンプルかつ明瞭でたいへん美しいですが、これでは記事としてあまりに面白みがないので、もう少し考えてみましょう。
では、ウマ娘が11人制サッカーをやる場合は?
単純に人間用サッカーコートを2.5倍する……というのでは面白くないので、少し別の角度から少し考えてみましょう。
サッカーはコートの広さも大切ですが、ゴールの大きさも大事です。
人間の11人制サッカーのゴールは幅7.32m×高さ2.44mと規定されています。フットサルの場合は幅3m×高さ2mです。これもおおよそ幅は11人制がフットサルの2.5倍になっていますね。
ウマ娘は脚力はともかく体格は人間と変わらない、むしろ人間の男性より基本的に小柄ですから、コートを広くするとしても、ゴールのサイズは人間の11人制サッカーのサイズのままでいいのでは……。
いや待て、本当にそれでいいのか?
ウマ娘の脚力は人間の2.5倍。ならばジャンプ力も人間を大きく上回ると考えるべきでしょう。
その証拠として、中央の各レース場にはちゃんと障害コースが存在することが確認できます。
どう見てもウマ娘の身長ぐらいある障害。実際、中山大障害の大竹柵と大生垣は高さ160cmあります。『ウマ娘』のゲームでもアニメでも障害レースについて公式に語られたことは未だないはずですが、コースとして存在する以上、これを飛び越える障害レースはウマ娘の世界にも存在するはずです。
中山大障害は4100mで11の障害を飛越します。一方、人間の400mハードル走では10個のハードル(男子は高さ91.4cm)を使用します。中山大障害の障害の高さは、400mハードルの高さの2倍弱ということになります。
人間のハードル走では110mハードルの方がハードルが高い(男子は106.7cm)ので、ウマ娘の障害レースも距離が長いぶんだけ障害の高さを控えていると考えるべきでしょう。
ということは、やはりウマ娘はジャンプ力も人間の2.5倍はあると考えた方が良さそうです。
ということは、人間のジャンプ力に合わせた高さであるサッカーのゴールの大きさは調整した方が良さそうです。
通常サッカーの7.32m×2.44mの2.5倍とすると、18.3m×6.1mがウマ娘サッカーのゴールの適正サイズとなりそうです。建物の2階の天井までの高さのゴールになります。
いや、幅はともかく高さはデカすぎんか?
調整しましょう。通常のサッカーのゴールが2.44mに対し、フットサルのゴールは2m。つまりフットサルでは、横幅はおよそコートの長さと同様の40%に縮めているのに対し、高さは80%強までしか縮めていません。
ということはウマ娘サッカーのゴールも、フットサル→サッカーの変換を適用し、幅は通常サッカーの2.44倍、高さは通常サッカーの1.22倍とするのが良さそうです。
つまり、ウマ娘11人制サッカーのゴールの適正サイズは17.86m×2.98m。およそ18m×3mということになりそうです。これなら現実的な気がする。
さて、サッカーのコートではゴールのサイズを基準にゴールエリアとペナルティエリアの大きさが決められているため、ゴールのサイズが変わると、ゴールエリアとペナルティエリアのサイズも変わります。
Jリーグ公式サイトの解説によると、
と規定されているようです。
そして、ゴールの横幅が2.44倍になったということは、ゴールエリアとペナルティエリアの基準も2.44倍するのが妥当でしょう。
つまりゴールラインの基準は5.5m×2.44=13.42m。ペナルティエリアの基準は16.5×2.44=40.26m。そしてペナルティマークは11m×2.44=26.84mになります。
というわけで、ウマ娘11人制サッカーではコート全体の広さも105m×68mを2.44倍し、256m×166mが必要になりそうです。
……あれ? これって結局人間用サッカーコートを2.5倍しただけでは?
話がグダグダなのでコートの大きさについてはこのへんで切り上げて、サッカーというスポーツの特徴とウマ娘の性質について考えてみましょう。
サッカーは皆さんご承知の通り、非常に転倒の多いスポーツです。上手く転んでファールを貰うのはサッカーの基本戦術のひとつと言えます。
ひるがえってウマ娘です。人間の身体で時速60km/h以上で走るウマ娘にとって、全速力での転倒は普通の人間のそれ以上に大きな危険を伴うことは想像に難くありません。
そんなウマ娘にとって、全速力でダッシュしながら転び転ばせられるサッカーというのは、我々人間が考える以上に危険なスポーツなのではないでしょうか?
かといって、脚でボールを奪い合うというサッカーの性質上、転倒は避けられません。安全性のためにフィジカルコンタクトを規制しては、ドリブルをしている選手を守備側が止める手段がなくなってしまいます。
ドリブルしている間はそんなにスピードが出ないのでは? というのは素人考え。人間ですら世界トップクラスではドリブルしながら時速30km/h以上で走る選手もいるそうです。ウマ娘ならばドリブルしながらレースで走る時速60km/hを出すことも可能でしょう。
そんなスピードで走っている相手にフィジカルコンタクトをしていくのであれば、選手の安全性確保が重要になってきます。
というわけで、ウマ娘サッカーにはヘルメットやマウスピース、プロテクターが必要でしょう。フィジカルコンタクトと転倒からウマ娘の身体を守る防具の装着が必要になってくるはずです。
しかしそれはあまりに物々しい。見目麗しいウマ娘がアメフトのような無骨なヘルメットとプロテクターをつけて激しくぶつかり合う様にはすごい迫力がありそうで、それはそれで人気が出そうですが、我々の知るサッカーとは別のスポーツになりそうです。
では、プロテクターなしでウマ娘がサッカーをするには?
そのためには、フィールドが芝生よりもより柔らかい足場であることが必要になりそうです。転倒時の衝撃を吸収してくれるような。
はい、我々はそんな足場の素材を既に知っています。
ダートです。
転倒時の安全性確保、過剰なスピードの抑制という意味でも、ウマ娘サッカーをダートで開催することは理に適っていると言えます。
人間でいえばフットサルよりもビーチサッカーに近くなるでしょう。ビーチサッカーもフットサルと同じぐらいかそれより小さいコートでの5人制なので、先程のウマ娘サッカー=フットサル説とも矛盾しません。
ということで、ウマ娘サッカーは「砂上で、人間の11人制サイズのコートとゴールでの、5人制で行う」というのが合理的なのではないでしょうか。
ところで、プロサッカー選手が1試合に走る距離はおよそ10kmと言われています。
またサッカーでは、スプリント(約10〜30mの距離を時速24km/h以上で走ること)の回数も走りに関する指標として重要視されているようです。多い選手で1試合に30回とか40回とかダッシュするようです。
ここまでの考察から、ウマ娘サッカーはダート開催という結論が出ました。
また、サッカーでは短い距離を何度もダッシュするので、スプリント適性の高さと、短期間に短い距離をたくさん走れるタフさが重要になってきそうです。
つまり、ウマ娘サッカーに向いているウマ娘とは、
ダート適性
短距離適性
出走回数が多い
そんなウマ娘ということになります。
結論が出ました。
栄えあるトレセン学園ウマ娘バロンドールの受賞者は、彼女です!!!
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