あのICOプロジェクトはいま【Bankera編】
こんにちは!ICOソムリエのあさぎです。
毎日目まぐるしい勢いで新しいプロジェクトが立ち上がる暗号資産界隈ですが数年前に行われたICOプロジェクトが今どうなっているかについて調べたことはありますでしょうか?なぜ失敗したのか?詐欺だったのか?答え合わせは○年後と多用される割りにこれらの答え合わせが行われることはありません。
あの日見た華麗なロードマップは達成できたのでしょうか?広げた風呂敷はどうなったんでしょうか?
そんな疑問を解消するためにあさぎが過去に流行ったプロジェクトについて調査を行いました。
ちなみに
ICO(Initial coin offering)とは、一般に、企業等がトークンと呼ばれるものを電子的に発行して、公衆から法定通貨や暗号通貨の調達を行う行為を総称するものをいう。 ウィキペディア
つまり「俺が今からすげぇプロジェクトを立ち上げるからみんな金を出してくれよな!成功したらこのトークンは爆上げだぜ!」という妄言のことですね。
殆どのICOは爆死して消えて行きましたがなぜ当時の人々はICOに過度な期待をしていたのでしょうか?それは2014年のETHのICOが大成功していたという部分が大きいでしょう。
皆んな大好きETHの場合、当時1ETH0.3ドルで販売されていたのでこれに参加した人は今のレートで300万倍以上のキャピタルゲインを得たことになります。もうちょっと意味がわかんないほど上がっています。
そしてICOの8割はイーサリアムプラットホームを利用しています。さまざまな詐欺師たち御用達のある意味で実用的な暗号資産ですね。誇らしいです。
ETHを上回る暗号資産、いわゆるイーサリアムキラーが模索されていたのもこの頃でした。当時のICOの資金調達額でEOSが1位だったのも皆んなの「ETHみたいなやつを持ってこい!」という期待の表れでしょう。まぁ、あれもお察しなんですが人間お金が集まると開発するやる気がなくなってしまうので仕方がないですね。
ここまでが前置きになります。
https://www.fsa.go.jp/news/30/singi/20181101-3.pdf
ここに金融庁が公表したICOに関する調査報告書があります。
この中から当時のICO資金調達額上位20位のプロジェクトにフォーカスを当て、話題性と各方面からの怒られの危険性を考慮してギリギリ話題に出せそうなBankeraについて調べてみようと思いました。
誰が勧めていたか?に関しても順番に書き連ねていきたいのですが私に対して殺害予告や開示請求をしてくるインフルエンサーの方もいらしゃいますので「誰が悪かったのか」より「プロジェクトはどうなったのか?」を中心に書き連ねております。
執筆過程で殆ど同じことをしているブログを見つけたのでリスペクトとして一応リンクを貼っておきます。読んでみましたが私の記事の方が明らかに面白いです。そういえばAlisブロガーさん、最近ご無沙汰ですね。
さぁ答え合わせをして行きましょう。あれから4年が経ちました
師は少なくとも60回ほどバンクエラのツイートをしていたので一部、抜粋
一番目立っていたので記載しました。誤解がないように申し上げますと当時殆どのブログ系インフルエンサーが宣伝していたように記憶しています。なぜでしょうか?
「アフィがっぽ」だったからのようですね!バンクエラでアフィがっぽ、羨ましい限りです。
警笛を鳴らしてくれる良心的なインフルエンサーもいたようですが
アフィがっぽの勢いには勝てませんね。しかし、アフィリエイトは必ずしも悪でしょうか?情報の精査を他人に委ねた結果であり、アフィリエイトは人から良い情報を教えてもらったことへの手数料に過ぎません。無知こそ罪であると私は思いますね。ここを勘違いしないように気をつけましょう。
また成功したICOプロジェクトもたくさんあり、薦めている本人も良いプロジェクトだと認識して薦めているケースは多いです。勝てば官軍、負ければアフィカスという他責で安直な発想は捨てて自分で考えてお金を投じましょう
さてバンクエラは成功した官軍側のICOでしょうか?価格面から見て行きましょう
ICO価格が早期で1円、後半で3円だったことを考えると0.09円は悲惨な結果と言わざるを得ません。出来高も日に34000円しかなく、とても暗号資産の銀行として機能しているとはいえませんね。しかしながらこれはあくまで価格面についての話でしかありません。夢を買った…そう解釈すれば投じたお金も無駄ではなかったと考えることができます。
ではバンクエラは人々にどのような夢を売ったのでしょうか?
バンクエラについての情報は当時のブログ記事が多く発掘できるためリンクを貼っておきます。
要約するとバンクエラは暗号資産の非中央集権的な銀行を目指し、両替、ローン、決算代行、投資信託、デビットカードを世界規模で提供することを目的として展開しました。バンクエラに預け入れるだけでETHが利子として毎週入るレンディング機能もあり大いに注目を集めました。
今でこそ使い古された言葉になっていますがこれはDeFiですね。中央集権の色が強いので正確には違いますが単なる決算手段としての暗号資産を金融に発展させるという方向性としては必ずしも間違ったものではなかったと思います。
またプロジェクトとしても50人以上のブロックチェーン開発者が開発に関与し、NEM財団の代表ロン氏がアドバイザーとして参加するなど人材面での期待値も高いものでした。当時殆どのICOプロジェクトがホームページ1つ、ホワイトペーパー1枚という状況でトークンを売り出していたのに対して実際に銀行を買い取ったり、Spectrocoinをリリースするなど事業が稼働しているという安心感もありました。
当時の"仮想通貨"という不確かなイメージの存在に対して「銀行」というワードを使ったのもセンスがあったと思います。日本では勝手に銀行を名乗ることは法律的にできず銀行に対する信頼度は絶大です。殆どまともなプロジェクトがなかった当時に実際に稼働している銀行というビックな肩書きをつけたICOはさぞかし魅力的に見えたでしょう。暗号資産を保有したまま利子が付くという触れ込みも日本人に刺さる仕様でした。
今後「仮想通貨が流行ること」は確定として、その中で既存の銀行のような役割を担うものに投資すれば儲けることができるという考えを皆んなが持っていました。バンクエラが世界の銀行になる!と叫んでいた人たちも多かったと記憶しています。バンクエラが売った夢は素敵ですね。150億円程度の資金調達では日本の地方銀行すら買えませんよ
しかし、記憶している限り利子が長期的に発生することはなく半年も経たずに不定期になっていきました。当時、若干炎上しましたね。
それどころか口座保守手数料を後付けで設定し、気が付いたら無くなっていたという人まで現れたようです。しかしここまで来るともはや覚えている人も少なかったため炎上すらしませんでした。
後付けで口座保守手数料が発生する銀行が非中央集権的かという部分には疑問を感じずにはいられませんがBankeraおよびSpectroCoin取引所の純取引収益の20%を利子として還元したところで取引所が殆ど使われていないため報酬は微々たるものです。
以下、バンクエラのロードマップです。
なかなか抽象的な表現をしていますね。印象派の画家が描いた絵でしょうか
これらのロードマップは実際に達成されたのでしょうか?またバンクエラの現状はどうなっているのでしょうか
いいでしょう。バンクエラの現状を調べますよ〜!
こちらがバンクエラのTwitterアカウントです。日本語版は2022年の1月1日に2020年の新年の挨拶を行い更新が途絶えています。ツイートは2022年です。日本は2年遅れだぞという運営からのメッセージでしょうか?今後は毎年、新年の挨拶をするbotとかになったら面白いですね。
ちなみにその一つ前がクリスマスですね
2021年12月にIBAN協会という謎の組織に加盟したことを発表しています。これはギリギリプロジェクトが動いていると言っても問題ないでしょう。バンクエラは進行中のプロジェクトのようです。
ロードマップの上から見ていくと2017年12月にICOを行い1億5千万ドルという驚異的な資金調達に成功し、一枚目のロードマップを達成しています。
しかし、2018年5月に日本人締め出し事件がありました。これは日本の金融庁側からの指導が入ったのが原因のためライセンスが取れなかったという点を除けばバンクエラは悪くはありませんね。FTXも最近で日本人締め出しを決定しました。
2018年6月にHitBTCに上場したようです。
2019年2月にはテザーが上場するなど取り扱いコインも増えてきました。
2019年7月にBankera Loansをローンチしています。
失敗したICOの代表格としていまだに揶揄されるバンクエラですがロードマップは一応こなしており、いまだに一定層に根強い人気があるようです。
価格と出来高こそ終了しているものの生き残っているファンがいるのは素敵ですね。
下落率はなかなかパンチが効いてますね。
ちなみに詳細な話は上記のブログに書いてあります。誰が書いたかは知りませんが探した限り最も詳しい内容が記載されているのでもっとバンクエラについて知りたいという好奇心旺盛な方は読みに行ってください。私はお腹いっぱいです。
以上、調査結果でした。バンクエラはゴリゴリの詐欺案件として罵倒されていますがシンプルに流行ってないDeFiという可能性も出てきましたね。
ラーメン屋の7割が3年以内に閉店すること考えると新規プロジェクトが流行らないというケースはよくある話に過ぎません。しかしながらICOの悲劇として勝手にプロジェクトを終了させることもできません。導き出された答えは「とりあえずダラダラと続ける」という誰の得にもならない状況です。ICOを行ったチームがまだ本気でプロジェクトに取り組んでいるのか、とりあえず形だけ続けているのかは各自、見極めて判断して行きましょう。御清聴ありがとうございました〜!
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