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第二十二回書き出し祭り:タイあら感想

おはこんばにちは。蟬時雨あさぎです。
二回目の参加と相成りました第二十二回書き出し祭りです。毎度の如く少々多忙ではあるのですが、前回同様タイトル+あらすじの内容について感想依頼というものをやらせていただきました。
募集に応募してくださった方、誠に有難うございました。
なお前回と同じく、内容は自身の読書経験と知識量から行われる推論を含みます。予想外な話があってもなんかとんちんかんなこと言ってら、と作者の皆様方は寛大な御心にて受け止めていただきますようお願い致します。

企画の概要

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感想の書き方について

今回の書き方は二つの分類で固定しております。

「かんたん」コース

タイトルのみを拝見し、そこから読み取れる作品の内容についてお伝えします。あらすじ未登録の方は自動的にこちらとなります。

「それなり」コース

タイトルとあらすじを拝見し、そこから読み取れる作品の内容についてお伝えします。あらすじを登録されている方は自動的にこちらとなります。

キーワードについては太字は確信度が高いものとなっています。それ以外はあるかも?ぐらいの気持ちで挙げております。
以降、ご依頼いただいた作品の感想となります。
またこの目次ってやつ便利なんで、適宜目次をご活用ください


第一会場

1-02 伝説の偽聖女様

タイトルとあらすじを拝見した感想

異世界ファンタジーの要所を抑えつつ、オリジナリティがありそうな作品に見受けられました。
突如として聖女に任命され、抑圧された環境に渋々ながら身を置いていたナターシャちゃん。成人と共にお役御免ということは、西洋系ファンタジーだとすれば結婚適齢期を棒に振らされた状態とも推測されます。
そんな状態でも魔法薬研究という軸を持った彼女は、「姉さんのような優しい人たちが、命を落とすことのない世界」を目標に突き進んでいく――という目標に進んだ結果、「伝説の聖女」になった。
あらすじの時点でストーリーラインが明確になっており、タイトルの字面から読者が期待する雰囲気と一致する部分が多いため目的の読者にアプローチできるタイあらだと思われます。ナターシャちゃんと婚約破棄した皇子や、異世界からきた聖女との関係性も気になる作品です。

読み取れる内容について

ジャンル:異世界ファンタジー
キーワードになりそうな要素
女主人公ざまぁ・成り上がり・努力・ファンタジーお仕事

1-13 小雨、決行

タイトルとあらすじを拝見した感想

現代を舞台にした文学的な要素とノスタルジックな空気感が漂う作品であると感じられました。
タイトルの「小雨」という部分がなんとも味わい深いですね。例えば”大雨”であればそれでもやり遂げなければならない何かがあると思わせられます。雨天も近しい感覚ではありますが、より聞き慣れているフレーズであるが故に引っ掛かりにくさがあります。
たまたま“アンナチュラル”というドラマを(アマプラで)見ていたのですが、残された者が持つ影というのは独特の重みがあると感じていたところでした。純文学的な要素を持ちつつも、興味を惹かれた読者を引き込むチカラがありそうな予感がしています。
青春時代特有の危うさと、初夏の空気、亡くなった兄の存在など対比のある取り合わせが気になる作品です。

読み取れる内容について

ジャンル:現代文学
キーワードになりそうな要素
ボーイミーツガール・シリアス・不穏・青春・サスペンス

第二会場

2-14 地下迷宮《ダンジョン》の遺体回収班

タイトルとあらすじを拝見した感想

異世界ファンタジーの潮流に乗りつつ、独特のタイトルで読者にアプローチしている作品であると思われました。
遺体回収、というのが何ともインパクトのある言葉ですね。異世界でダンジョンとくれば死と隣り合わせというのが想像に難くはないのですが、それを蘇生魔法を掛けるためというクッションで和らげつつ、ストーリーラインをまとめ上げられています。
たまたま(以下略)なのですが、死因というのはその死を取り巻く状況を大きく物語ることから謎解きに繋がっていくのもオリジナリティとして光る部分であると思われます。
主人公がおそらくユーラスさんであることから現地人視点で物語られるだろうこと、その上で(おそらくどこかの世界線からの転移者である)桜庭さんの活躍が気になる作品ですね。

読み取れる内容について

ジャンル:異世界ファンタジー
キーワードになりそうな要素
ファンタジーお仕事ダンジョンもの・謎解き・異世界転移・イケオジ

2-18 小さな『コトン』は長くて短い旅をする

タイトルとあらすじを拝見した感想

淡々としていながらも柔らかな言葉遣いかどこか児童文学的な空気感を漂わせる作品かと見受けられました。
謎の存在『コトン』というのが主人公であり、自分以外の同族がいない孤独を持つ存在であることが判明していますね。妖精や竜、人間と様々な存在が居る世界観が異世界ファンタジーを感じさせます。
自分と向き合う旅、というのは物語の大筋としてよく使われるものです。それに対して、ここには主人公のルーツが謎であるという点が大きくオリジナリティとして輝く部分ではないかなと思われます。
また、あらすじの文体からもどこか優しさの感じさせつつ、淡々としたところが”キノの旅”のような不思議感のあるストーリーを期待させます。
そして、その結末が『コトン』の死であるという絶対的な最期に向かっていく、その始まりが気になる作品です。

読み取れる内容について

ジャンル:異世界ファンタジー
キーワードになりそうな要素
旅物語・不思議生物・シリアス

2-24 砂の星のアプス―

タイトルとあらすじを拝見した感想

独自の設定がきらりと光るような、所謂組み上げられているのを感じさせる作品だと感じさせられました。
まず、この世界的に見ても水資源が豊富な日本に住んでいるからこそ、砂の星と言われると全くの別天地を想像させられます。そこで見つかったのは「口腔から肺、胃にいたるまで液体に満たされた『溺死体』」という世界観に真っ向から対立するような死体です。冒頭で死体転がしするのは鉄板ではありますが、その中に含まれているエッセンスが特徴的であり、世界観の骨組みを補強しているように思われます。
タイトルにもあるように「アプス―」というのが物語のキーのようです。シュメール神話にある地底の淡水の神様ですね。神話大系が類似している世界なのか、あるいはSFということから退廃した遠い未来の同一世界なのか。
魅力的な主人公たる女性捜査官オフェリアが行きつく真相、そして横棒が伸ばし棒ではないことも気になっちゃう作品ですね。

読み取れる内容について

ジャンル:SFホラーサスペンス(とのこと)
キーワードになりそうな要素
お仕事もの・ホラー・サスペンス謎解き・知恵バトル?

第三会場

3-17 飛竜婚姻譚〜元王女様はドラゴンブレスで王子を救う!?〜

タイトルとあらすじを拝見した感想

異世界恋愛ファンタジーのツボを押さえ、ヒロインとヒーロー、そして物語の旨味をしっかり提示している作品と思われます。
所謂死から始まる第二の生のお話ですね。元王女、ということで国を治めることへの動機が見て取れます。またタイトルから飛竜、ドラゴンであることが見て取れ、しかもヒロイン側が人外というパターンですね。
不遇な王子様を助けるドラゴンレディ、強い女の子はイイですよ(趣味)。
さて、自身のルーツが持つ動機と目的がはっきりしていることであらすじのストーリーラインが明確であるのも、想定する読者にアプローチする点でしっかりされていると感じました。
王子との恋愛要素もあるだろうことを予感させつつ、ドラゴンに惚れている爬虫類LOVEな王子様であるのか、はたまた違うものに見えているのか。
国を治めるのと恋愛と、二つのストーリーラインがどのように絡まっていくのか気になる作品です。

読み取れる内容について

ジャンル:異世界恋愛ファンタジー
キーワードになりそうな要素
異類婚姻譚・成り上がり・転生・ラブコメ・国家統治

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