支離滅裂な備忘録



文字が好きだと思う。
昔から文を綴るのは好きだった。
元々物語を見たり作るのが好きだった。
ひとり遊びに長けていてたくさんの設定や考えを頭の中で溜め置いて生きていた。
漫画、絵本、小説、アニメ、映画、ドラマ、それに至らない映像作品など、どの媒体でも話が面白ければ沢山見ていた。
年が経つにつれて実写化は少し見辛い心境になってしまったけれども、それでも夢中になる作品はあった。


みんなは学校からの帰りに設定を考えてアドリブで会話を繋げながら即興劇をする、なんてこと、なかったですか?
私は幼馴染と毎日やってました。
設定も、「昨日はここまでしたから今日はここから」っていう記憶係も、全部私がさせてもらえてて。
幼馴染の家に行くとぬいぐるみが沢山あって中学生になってもその子と設定を沢山沢山考えて遊んでました。

ひとりでしても楽しい、誰かとやるともっと楽しい。
でも誰かとやるには、時間も、趣味もなかなか難しくて。
だから私の中に広がるいろんな世界は、目の前の紙に書き留められる様になりました。
二次創作を知ったのもあります。
好きな作品の「もしも」を、考えずにいられなくて。
「もしも」の先の「そうだとしたら」を考えて文章に起こして、そうしたらそれが非常に楽しくて。
しかもそれを読んで面白いって言ってくれる人がいたんです。嬉しくて嬉しくて、そこから創作が楽しくなりました。
絵を書けなくて、文で書いていたから当時の私は文の方が大事で、そして本を読む時漫画よりも小説の方がよりのめり込んで読めていたことから小説を沢山読む様になりました。
もちろん漫画も読んでたけれどこの時期からドラマなどを見なくなった様に思います。

中学生の時、創作していたノートを鼻で笑われ強がりの応酬からカッターで破かれたことがありました。
多分、もう私しか覚えてない、あの出来事。
どんな思いだったのか忘れたのに、その事実だけはずっと心にある。
小学生の時に書いた話を、笑いのネタにされてそれで人に見せるよ、なんて、幼稚な脅しをされたこともあった。
色んなところで、色んな人が、私に創作を恥ずかしいものだと思わせて来ていた。
だから次第に言えなくなったりして、打ち明けたとしても笑われるかも、とかそんなことを考えて予防線を張らないと伝えられなくなっていたりして。
でも、好きだから。そこでなら自分の好きな様に生きていけていた。たぶん呼吸の様なものだった様に思う。

特筆すべきことなんてない人生なのに、きっと少し世界線がずれたら色んな意味でもうここにはいないことがわかるぐらいには、何故だか生き苦しくて。
でも本を読んで、創作をする。その時は何も関係なくなって、息苦しさもなくてきっと私の逃げ場所だったんだろう。


文字で綴られた言葉は好きなのに、音声にすると途端に苦手だった。
ひとの声が素通りする感覚と、自ら発する音の汚さがよりそれを思わせていたように思う。

高校生の頃、恋人に借りて未だ手元にある「うた恋」。
どの話も好きだけれどとりわけずっと忘られなかったのは、陽成院/貞明と綏子内親王の話だった。
貞明、簡単にわかりやすく言うと捻くれ者のクソガキで大人になっても捻くれ者の小心者。
口から吐き出す言葉は本心の逆を吐き、自身の心の裡も自分で理解出来ない捻くれ者。
理解していたとしても、怖くて、相手を言葉で傷つけ試してしまう小心者。
でも在原業平から受けた指導で文の上では嘘がつけず、本心を曝け出す彼が当時はすごく、すごく表裏を感じて好きだった。
素敵な歌は是非購入してその目で確かめて欲しいのだけれども。

嘘がつけないことを自分でわかっているのに、筆を取らずにいられない。
心で思ったものを書き綴らねば気が済まない。
信じることを恐れるくせに、弱いところを見せずにいられない貞明が、今も好きで、時が経つほどにより沁みていくなあと思っています。



元恋人に、「君の頭の中って東京駅みたい」と言われて目から鱗でした。
私の頭の中は常に何か考えていて、様々なものを脈絡なく考えるものだからどんどん話も展開も変わっていって、小説を書く時にはなんとかなるのだけれど、私が感じたもの、思ったものを書き出すことが苦手だった。
だから今こんな文章を打ってるのも支離滅裂になりそうだし、きっと話は飛んでるし脈絡もない状態できっと読みづらいんだろうな、と思うのですけれども、まあ、たぶん読む人なんて殆どいないのでこれは私の備忘録なのです。
いつか読み返して、こんなことを思っていたなあと感じるための。

起承転結なんてない、ただの心の内です。

生きていくために物語が必要です。今度それについても書いていけたらなぁと思います。


あとお題があると書きやすいんだろうなって、書きながら思ったので今度から何かお題を設定しようかなと思いました。

でも実はこれも、ひとつだけ思うことがあって書き始めたんですけど全然それには触れられなかったので、まあ仕方ないですね。

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