俳句の時間 2022.01.11
ある友人とこんなことを話したことがあった。
私は何かにつけ「自分が頑張って何とかする」のをめざして行動するタイプ。何とかできるかどうかはさておき。なんともできないことも多いので、結構あきらめも早い。
友人は「どうしたら周りの人たちが不快な思いをしないか」考えて行動するタイプ。
お互いの考え方を話した後に、お互い「それは考えたことがなかった!」というくらい、びっくりした。私が少しでも彼女のような美徳を備えた人間だったら、今の状況は違ったかもしれない。
少女パレアナのように小さな幸せを見つける日々が続く。
良く晴れた昨日は、午前中に母と姪っ子たちと植物園へ出かけた。
カタログハウスの兼題「福寿草」を買うためだ。
行ってみて、福寿草の花期が実は2月~3月と知った。
正月に咲いているものは室咲きなのだ。
いや、北の寒さでは正月に咲かないだけかもしれないが。
植物園は新年の骨董市も開催されていて、
石だの家具だの木製のおもちゃだの、
幼少の姪っ子たちの気を全くひかないものであふれていたため、
年下の姪っ子のほうが植物園の濡れた通路にぺたんと腰を下ろして
「もう疲れた~」とぐずりだした。
そこで母が「ソフトクリーム食べる?」と聞くと、
もう元気になって歩き出す。
こういうおばあちゃんがいることを幸せに思いたまえよ。
近くの売店で姪っ子たちがソフトクリームをなめている。
「アイスが冷たいから、息が白く見えるよ」と教えてやると、
ぐずった姪っ子がそれを見ようと一生懸命なめては見て、なめては見てを繰り返す。面白いなあ。わが子の子育てのころは見る余裕がなかった。
辛党の上の姪っ子の脇を、玉こんにゃくの皿を持った爺さんが横切った。
食べたいのかな、と思って一皿買ってみる。
「からしいりますか?」と聞かれたので、
「いいえ、あ、やっぱりください」とこんなところまで優柔不断かと自嘲しながらテーブルに戻る。
周りが寒いので湯気が派手に出ている。見るからに熱そう。
姪っ子に食べさせようとすると、なかなか口をつけない。
リスのように、前歯で薄く削ぎ噛んで、もういらないという。
「私は慎重派なの!」といかにも長女らしいことを言うのも面白い。
彼女がかじった一つ目を外して、二つ目にからしをたっぷり付けて口に入れたら、からしが多すぎたようで、百面相をする羽目になってしまった。
あ~、辛かった!おかしくて笑ってしまった。
何かを自分で決めるのが億劫な時は、
周りに合わせてなんとなく泳いでいよう。
お誘いにもヒョイヒョイ乗って、
あとは何とでもなるさ。
人の敷くレールに乗ってみる睦月 要