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「二千年後のあなたへ」
序章「信仰」
日曜の昼、インターホンが鳴った。
扉を開けると、二人の女性が立っている。
「今、幸せですか?」
年配の方が笑顔のまま聞いてくる。
分厚い白のコートと濃い口紅をしており、
厚化粧だった。
どれくらい化粧に時間を掛けているんだろう。
ぼんやり考えていると、隣で俯いていた若い
女性が口を開いた。
「神を、信じますか」
そう呟いた後、また俯いてしまった。
相変わらず年配の方は笑顔を貼り付けている。
「よかったら中に入りませんか?」
なぜこんなことをしてるんだろう。
自分でもわからぬまま二人を部屋に招き入れた。