AV女優・三宮つばきの存在感が滲み出る歌声を聴いてもらいたい「三宮つばき 月で逢いましょうライブ 2022年4月11日」より〜
プロローグ〜AV女優は2022年現在、「セクシー女優」と
呼ばれています。
呼称というのは自然発生的に登場し、そのままジャンルの成長によって定着していきます。シェークスピアの時代は、「舞台俳優」とは呼ばなかったでしょうし、今の日本では、俳優や女優を、「映画俳優・映画女優」とは呼びません。タレントとかアイドルとは違うもの程度の区別として、「俳優・女優」と呼ばれるわけです。そしてその使用が決定するのは、ほぼテレビ業界。
YouTubeや、Netflix、Amazonプライムなどのサブスクメディアに、一般人が視聴する王座を奪われそうと言われるテレビ業界ですが、それでもなお、基準として大きく残っているし、「テレビに出た」はパワーワードになっています。だから今でも、テレビでの呼称はとても重要なのです。
そして、2022年にAV女優は、「セクシー女優」などに呼称変更がなされていきました。
私、麻雅庵(あさが・あんと読みます)は、コンビニ売りエロ本の編集者から、エロ業界に携わり、そろそろ30年になるという感じ。AV業界にいたわけではありませんが、セクシー女優たちと、その周辺事務所、AVとその周辺関係会社とお仕事としてきました。そんな立場から、このような原稿を書かせてもらっております。
「セクシー女優」と呼称変更したのは、別にAV業界からの提案ではありません。社会問題として大きく取り上げられてしまったAV業界が自ら声を発したとしても、それをそのまま納得して使用するとかはあり得ない。こちらからの声は、一般に届く術はほとんど無いに等しい状態です。
それまで、AV女優とAVを、面白おかしく取り上げていたはずのテレビ業界が、いつの間にか「セクシー女優」と呼称するようになり、大手出版社などでも追従しました。まったくAVと関係ない業界では、未だにAV女優と呼称されているところもありますが、エンタメ系メディアには、ほとんどなくなりました。ある程度、自主規制に委ねられているネットTV系では、セクシー女優と呼びつつも、彼女たちを起用しており、エロ番組があったりしますけれど、テレビでは、ほぼ壊滅したといっても過言ではないでしょう。
この呼称の変更、意外と大きいことだったわけで、AVというメディアの根底から揺さぶりました。売れ行きが年々、下降線だったAVですが、AV女優サイドは、リアルに会うイベントなどによって、人気はキープされていました。サイン&撮影付き販促イベントにより、一定数の売上を確保していました。チェキでの収益をメインとするタイプの地下アイドルや、規模は違いますが握手会系アイドルグループと同じですね。
しかしコロナ禍によって、イベントも縮小され、セクシー女優と呼ばれる女の子たちの登場する場所は、本当にAVの中にしか無くなってしまったのです。
2022年は、徐々にイベントの規定がはっきりして、再び開催されていますが、行かなくなってしまった人たちがいるのが事実です。戻ってきた人もいれば、未だに戻ってきていない人もいます。それはプロ野球だろうがアイドルだろうが、ロックだろうがプロレスだろうが同じですね。
リアルに感じることで楽しむという「ライブ」というイベントが、コロナによって根っこから変えられてしまった。声を出せないので、一体感を味わえないのが嫌という人もいるようです。ライブとは、現在の社会において、アーティストなどの見せる側はもちろん、見る側にとっても大変重要なイベントだったのです。それが根底から崩れてしまった。
一部の超人気ライブは、新聞やネットニュースを見ると、たくさん観客が入っているように感じますが、それもコロナ前とは比べ物にならないようです。物販に長蛇の列をなすなどの行為もまた、コロナのために一定の距離を開けて並ぶなどの措置をしなければならないこともあるでしょう。
とにかく「ライブ」に対する考え方が変わり、「行かなくてもいいや」と思う人たち……まるで目が覚めてしまったかのような状況になったのです。これは飲食店なども同じでしょう。行く人は行くけれど、昔のようにのべつ幕無しにいくわけではなくなったのです。
こういうエンタメ系にとって追い討ちをかけているのは、サブスクが進み、CDを買わないとか、DVDを買わないとかの、フィジカルなメディアも買わなくなったこと。その理由は、握手会だったり、サインだったり、2ショットだったり、あらゆるエンタメがリアルに依存していたので、「会えないならば買わない」という、これまた目が覚めた層が登場し、売上が激減したのです。CDの話は、よく聞かれますが、AVにおけるDVDもまた同じなのです。
でも、サブスクやダウンロード/ストリーミング配信に関しては、ずいぶん定着してきましたけれど、リアルな売上が落ちた分を補填するほどにはなっていない。そしてAVは、サブスク化がかなり遅れています。
サブスクは、CDでも、旧作を聴いたりする人が多いようですが、AVは、以前に起こった女優の労働に対する問題から、引退後、本人から「取下げ」を言えるようになっています。なので、旧作はなくなっていることが多いです。
AVとは本来、「現在進行形」を楽しむメディアだったことがわかりますね。そしてさらに、ユーザーの年齢層が上がったことによって、徐々に「最新作よりも懐かしの名作」的な発想の人が増えてしまったようです。だから手持ちのDVDを観れば良いし、懐かし系のないAVサブスクには興味なしという人がかなりいるわけです。
そんなコロナ禍ですが、これ以降に登場したAV女優たちはむしろ多いです。社会情勢の変化は、自らAV女優になりたがる女子を顕著に増やしています。
彼女たちは、AV女優としてデビューした瞬間に、プロモーション活動をしていかないと作品が売れないという事実を知らされます。
TwitterなどのSNSは、コロナ禍前はだいぶ鎮静化していていました。メディアとして飽きられていたわけです。しかしプロモーションツールが他になくなっているため、商品価値を感じていたAV女優たちはあっぷし続けていました。
しかしながら、AV女優は、エロい画像をアップすることを期待されているのです。それを素直に上げてしまうと、いつの間にか目をつけられ、アカウントごとBANされ、凍結となってしまいプロモーションにならなくなっていました。一般ユーザーからの攻撃も匿名性を利用してたくさん入ってくる。なんか攻撃される場所のために開放している感じになっていたかもしれませんね。
コロナによって、リアルなイベントを開催できなくなっていた新人たちは、素直にSNSを更新し、アピールしていきます。それしか手段がなかったと言えばそれまででしたが、前に比べて更新頻度も増加しました。
しかしながら、「SNSのフォロワー数=人気の数」ではないことは、そろそろどのメディアにもわかっていました。そのフォロワー数が、リリースされるAVの売れ行きに比例することは、控えめにいって少ない状況。
とはいえ頑張らないと、AV女優という場所が奪われてしまうということで、頑張る女子たち。そして開催されつつあるリアルイベントに登場するわけですが、以前からAV女優だった人たちに敵わない。そりゃあそうです、「会えて関係を築いていた女優」と、「これから関係を構築しなければならない女優」では、勝負になりませんよね。
簡単に「AV女優・受難の時代」といって、何もしないでいると、AV自体が滅んでしまうかもしれなくなってきました。無くならなくとも今の規模からさらに下降してしまうと、AVは今と同じではいられなくなるわけです。
AV女優・三宮つばきが挑戦したのは、
ライブイベント「月で逢いましょう」に出演して
歌を披露することでした
今回ご紹介するのは、AV女優の三宮つばき(さんのみや・つばき)さん。彼女のインスタグラムは→https://www.instagram.com/tsubaki_s_cmore/
2020年8月AVデビューという、まさにコロナ禍の真っ只中に世に登場した女優さんです。1998年5月4日生まれですから、現在23歳の女性です。AV女優として、現在はアタッカーズというドラマ系AVメーカーの専属女優として、現在も活躍中。キュートな雰囲気とショートカット。身長150cmと小柄ですがスタイルはバッチリという、昨今の殿方の理想型と言えるかも。演技も艶技も評判高い女優さんです。
そんなつばきさんが、歌手としての才能を発揮したのは、「月で逢いましょう ニューカマースペシャル」に出演した時です。
麻雅庵の原稿は初めてという方々がいらっしゃると思いますので、まずは「月で逢いましょう」というライブイベントからご説明しましょう。
「AV女優のオリジナルソングを作り育てる」ということからスタートしたレコードレーベル「ミルキーポップジェネレーション・略称ミルジェネ」。このレーベルは、AV女優と、リアルな音を出すバックバンドとのライブを開催してきました。大小のステージ関係なくカラオケだったり、音源と混ぜるライブが当たり前のようになっている昨今ですが、ここは違います。
歌もガチならば、バンドもガチ。バンドによるリアルなサウンドと音圧がステージを席巻するし、出演するAV女優もまたパワフルなステージングを披露していました。出演するミュージシャンたちは、メジャーシーンにおいて、現在進行形で活躍するミュージシャンたち。そのライブは、会場は大盛況な歓声と熱量に包まれた人気を誇っていました。
しかしながらコロナ禍は、ライブというものを根本から見直すことになってしまいました。それはミルジェネも同じことでした。そして前進しなければならないということで、ライブハウス「三軒茶屋グレープフルーツムーン」とともに、配信に特化した絵作りを行うライブを構築します。
それがライブイベント「月で逢いましょう」なのです。
当初は、キーボード&コーラスとして、ミュージシャンの平方元さんがひとりでバック演奏を行なっていました。そして今ではそこに、ギタリストの福田正人さんが加わり、ギター&キーボードによるシンプルなのにきらびやかさのあるバックサウンドが構成され、丁寧なコーラスによってボーカルのバックアップをしているライブを作り上げています。
そして、カメラは複数台がリアルスイッチングによる映像と、配信に特化したサウンドミキシングを行うことで、「コロナ禍以降の音楽シーン」を考えたものになっています。
このカメラワークと、ミキシングですが、配信ライブというのがスタートした当初、本当に酷いものが多かったですね。テレビに出演しているアーティストでも、「え、これ?」のようなものがたくさんありました。もちろん、テレビ並みのカメラ&ステージングを構成するライブもあったわけで、その差が大きく開き、「配信をしたからといって、以前のような数のファンが必ず戻るわけではない」という事実が提示されたわけです。そういう意味でも、「月で逢いましょう」は、ちゃんとした視点を持って、新しいライブシーンを構築していったわけです。
ライブは現在、限定数の有観客になっています。ライブを観るというイメージよりも、「配信されるライブを観る」イメージでしょうか。映像録画が行われているライブに行ったことある人はわかると思いますが、予想以上に、自分たちの前をカメラがよぎります。リアルライブにそれだと邪魔だ! と声を上げる人もいたでしょうね。そういう意味では、騒ぐことが苦手な人でも、今のライブシーンは楽しめることでしょう。
そして2022年4月11日、「月で逢いましょう」に単独出演!
本原稿の主人公は三宮つばきさんは、2022年1月31日に開催された、「月で逢いましょう ニューカマースペシャル」に初登場しました。この時は3曲を披露したのですが、凛とした美女フェイスと、ベビーフェイスな顔立ちとは違って、低く安定した歌声。さらにときおり混ざるファルセットボイスがエロティックで独特の歌の世界を構築し、その歌唱力によって、ファンを魅了したのです。
どんなパフォーマンスなのかを記す前に、まずは、彼女の当日セットリストがこちらになります。
01.最後の雨/中西保志
02.悲しみは雪のように/浜田省吾
03.I love you/尾崎豊
04.少女A/中森明菜
05.め組のひと/ラッツ&スター
06.フライディ・チャイナタウン/泰葉
07.異邦人/久保田早紀
08.元気を出して/薬師丸ひろ子
09.世界中の誰よりきっと/中山美穂&WANDS
どうです? 興味深くありませんか? 彼女は23歳ですから、どれもが生まれる前の楽曲ばかりです。最近は、昭和系歌謡曲が大好きを標榜する20代がいますから、珍しさはありませんが、ちゃんと歌うシーンは見たことないでしょう。これがどの楽曲も、本物と同じような雰囲気で歌いつつ、彼女なりの解釈が入っており、聴く人が世代であればあるほどに、染みてくる感じでした。
面白いのはそこだけでなく、女性アーティストと男性アーティストのどちらも歌うというところでしょうか。トランスフォームされた楽曲は、人によってはピンとこなくなるかもしれませんが、つばきさんは、見事に自分の歌として昇華したのです。
浜省は本当に久しぶりに聴いたし、「め組の人」とか「異邦人」とか、ああ懐かしいって感じ。「フライディ・チャイナタウン」なんて、本人がシーンで活躍することがなくなっているためか、聴いたこと無い人も多くなっている楽曲です。
「世界中の誰よりきっと」や、「少女A」に「元気を出して」は、アイドルたちがカバーする楽曲としては大人気ですよね。そういう「ファンが希望するであろうと予測される」楽曲も入っていました。あの時代、売れたシングル曲は、テレビ各局、ラジオ各局でヘビーローテーションされていましたから(そう、今よりも音楽は地上波レベルではたくさん流れていた)、まさにヒット曲・流行歌というワードが正しく使われていた時代の楽曲たちです。
「最後の雨」をカラオケで歌ったことがある50代〜40代は、多いことでしょうね。ちゃんと歌うことで人気を博す、「モテソング」の代表格ですから。
こういった熱い選曲になる女子がいるのは、今の20代の特徴かもしれませんね。歌というものが、趣味性が高くなっており、個人の思惑が強く反映される時代です。どれだけミリオンヒットが誕生しても、知らない人はまったく知らないという現在のJ-POPとは全然違っています。
こういう楽曲を聴いた時に、ノスタルジーにかられる人は多いはず。自分の過去を振り返るには早いと思っているかもしれませんが、このセトリを見た時に、胸がキュンとなったりして、甘酸っぱい思い出が蘇る人、多くいることでしょう。そして、そんな歌を歌うつばきさんの声とはどんな感じなのか。とても聴きたくなってきませんか。
三宮つばきさんの歌声とはいかなる雰囲気なのか
選曲が素晴らしいことは、つばきさんのセンスと言えるでしょう。そして単純に、自分のファンが楽しめるから選んだということではなく、それなりの理由があることを感じます。この疑問点が出た人は、彼女のイベントなどを探して、聞いてみてください。読書家でもある彼女なので、思わぬ解答を得られるかもしれませんよ。
このnoteにも、三宮つばきさんの文章がアップされていますので、検索してみてくださいませ。しっかりとした自分の声が綴られています。
ここで、彼女の歌声についても言及したいと思います。ただ選曲が良いといっても、時代特性を知っているというのと、歌を歌うことはまったく別の作業ですから。
つばきさんの声ですが、低い声の中に、ときおり聴こえるファルセットが挟まれ揺れる声。よくいう「ちりめんビブラート」が楽曲たちの魅力をアップしています。音程は確かだし、何よりも原曲をきちんと覚えているからこそ、その声によって魅惑でセクシーな歌声となっています。誘惑するボーカルとでもいえばいいかなと。
ビリー・アイリッシュとか、近年の宇多田ヒカルなんかのトーンに近い歌声といえばわかりやすいでしょうか。消えそうな雰囲気があるけれど、強風の中でも消えないローソクの火のごときボイス。そこから80年代から90年代初頭のシンプルかつ強いメロディラインを歌う。ノスタルジーと現代性が融合しているのです。
予想されるのは、つばきさん自身が、とてもちゃんと歌を聴いているということです。カラオケが普通になって以降、すぐに聴いてうろ覚えでも披露しちゃうということは普通になりました。歌うこと=上手になることのような風潮もかなりあります。ちゃんと聴いて歌を覚えることはとても重要なのですが、曖昧なメロディでも大丈夫という感じ。聴く側も、そこまで聴き込んでいないから成立する、カラオケボックス内の状況というやつですね。
その場合だと、上手だとしても感動におよぶのは難しいかもしれません。歌とは自己主張するだけのものではないし、自己顕示欲を満たすためだけのものではないからです。
AV女優だから可能とする生ライブでの表現力と強さ
どうしても、「AV女優が歌う歌を聴いてどうするの?」的な人が一定数以上いることは否定できない事実です。さらにファンだけが集まり大騒ぎするのが、アイドル系イベントの定番となり、知らないと参加しづらいというか、参加できないのもあり、ドーム級ライブを可能とする集客があるのに、そのアイドルの歌を知らないなんて人も多く存在するようになっている時代です。そんな中で、AV女優の歌を聴くライブと言われても……となってしまうのは仕方がないかもしれません。
しかしながら、AV女優はかなりライブに強いと考えております。何度もステージを経験しているアイドルやアーティストよりも強いかもしれない。その理由としてあるのは、絶対にNGがあり得ない撮影をしているというAV女優の強みです。
撮影する内容の問題から、途中で止まることはあったとしても、「このSEXは無し」となることはありません。肉体の限界とかリアルなものでなくなるとか、いろいろと理由はあるでしょう。その中でも、「撮影的な支障がなければ止まらずに撮影は続ける」というAVならではの特性が、彼女たちを強くするのです。
生ライブというだけでなく、「月で逢いましょう」は、バックもリアルなキーボード&ギターです。カラオケの良さとは自分が音源に合わせればいいという部分です。そして生演奏の良さとは、状況事情にあわせて変化し、対応し、さらなる感動が誕生するという部分でしょう。
例えば走った(演奏や歌が他よりも早くなってしまう)としても、バックミュージシャンが即座に対応すれば良いわけです。カラオケだと「間違い」というか、ただのズレになってしまう。人間にはノリというのがあり、それはさすがにズレない機械相手だと難しいでしょう。歌う側がわざとズラしていくというような感じで、やってやれないことはないけれど。
つばきさんは、平方さんのキーボードとコーラス&福田さんのギターを感じることで、さらなる領域へと進んでいくように聴こえてきます。上手い人とやると、さらに上手になるという典型でしょうね。その感動が楽曲を重ねる間どころか、1曲の中に見事に山あり谷ありとして歌われていました。きちんと歌い過ぎると一本調子になる場合があるけれど、むしろその逆。だからこそ、「三宮つばきは、楽曲をきちんと聴き込んだ上で、選曲し、歌っている」ということが言い切れるのです。
楽曲内における感動する部分に至るために、盛り上げたり抑えたりする部分はとても重要でしょう。それは歌詞にも表現されていますが、それとあわせて、メロディにもたっぷりと表現されているわけです。最近の世代は、なぜか歌詞ばかりを気にする人が増えているような気がしますが、歌なわけだから、メロディとのバランスとか、抑揚とか、整合性がとれていればこそ、感動することになるわけです。歌詞だけで泣くならば、詩集とかもっと売れるはずですからね。
ちょっと話題からズレてしまったので修正しましょう。AV女優と歌のライブイベントはとても親和性が高いです。これは断言します。彼女たちが培った仕事でのスキルが、ステージに生きているからです。それは、合わせることでさらに上を目指すという部分が、とても似ているからでしょう。
そしてそれが生バンドでのライブであれば、さらに有効です。もちろん、「ちゃんと楽曲を聴いて覚えている」とか、「一定以上の声を出して、自分の位置(音程)を確認することができる」とか、「楽器の音を聴けば、音程をズラすことなく歌い続けられる」とかは必要でしょう。それをクリアしているAV女優の歌は、必ず感動させられるはずです。
AVにおいて彼女のSEXで興奮することと同じような感じです。見せているものが、より盛り上がっているからこそ興奮の度合いも高くなる。テクニック的な部分だけとか、ただ卑猥な声を出しているだけというものだと、AVの興奮だって低めなはず。それこそ見比べたりする人は少ないから、こんな話は疑問でしょうけれど、本当の話。AVはかなり違いが大きいのです。
そういう意味でも、三宮つばきさんは、「アタッカーズ」というドラマ系AVで興奮させている女優さん。シチュエーションに入り込み、なおかつ興奮する自分を高めていく。歌を歌いながら、さらに高めるのと同じことです。
冷静かつ情熱的。それがAV女優のあらゆる仕事の必須スキル
どこかに冷静な自分がいることも重要でしょう。ただ思うがままに進めてしまうと、無意識に同じことを繰り返してしまう。自覚していないプレイは、歌であろうがSEXであろうが、同じようにダラっとしてしまうのです。
AV女優の過酷度とは、顔が可愛いということや、スタイルが抜群とか、SEXが派手とかだけでは売れないことがあります。なぜ売れるかという条件設定ができていない。芸能界も同じですけどね。同じことをやったつもりでも売れる売れないに差が出ます。そういう過酷なシーンで活躍していかなければならないAV女優。だからこそ、身に付けていくのが、ライブする瞬間に対応した自分自身の表現ということです。それができないとかなり難しい職業になっている。
AV女優の現状を把握しつつ、さらにエンタメとして昇華しているAV女優のライブ。ここで紹介したつばきさんも出演した、「月で逢いましょう」ライブは、毎月いろいろな女優のライブが、定期的に開催されていますので、チェックしてみてください。あなたの好きな女優さんがライブに出ている! という状況もあります。そして会場に入れなくとも、配信ライブは購入すれば必ず観られます。自分の都合もありますよね。地方だったりそのリアルな時間は無理とか。だとしても観られるのが配信ライブの良いところ。そして「絶対にリアルに会いたい」と思うはずです。
Live Pocket(https://t.livepocket.jp/)にてチケットは発売してます。ググってサイトに入ったら、「月で逢いましょう」を検索すると開催されるライブが出てきますので、お好きな女優のライブをお選びください。
AV女優がリアルにライブを盛り上げていくという事実を観たら、感動すること間違いありませんから。
プロローグ〜三宮つばきの資質がさらに昇華していくライブな表現
バックミュージシャンやスタッフたちも感動した三宮つばきさんのライブパフォーマンス。その声質の色気や、揺れる声のセクシーさ。どんどんと、彼女の中で歌が盛り上がっていくことが確認できるました。本人も心地よさそうな表情をして歌っていました。
彼女自身が、これまでのAV女優生活で培った表現力もあるでしょう。そこに歌が好きという事実が重なることで、これほどのパフォーマンスを見せてくれたのです。彼女の表現力は、さらに新しい領域に入るかもしれませんね。AVも歌も。
観ないで決めつけることは簡単です。そして昨今のコロナ禍という状況もあって、もともと外に出ないタイプはさらに出なくなっているし、出ていた人たちも二の足を踏んでいることでしょう。主催する側も、声は未だに出してはいけない状況ですし、クラスターを生み出してしまったら大変なことになるわけで、シビアになるのは致し方ないこと。
しかしながら、ちょっとずつ復興しようとしているエンタメシーンの中で、咲き誇るとは言わないけれど、輝く場所を得たAV女優たち。実のところ、Twitter凍結騒ぎが出たりして、彼女たちを取り巻く環境は、以前のような諸手を挙げて歓迎するような感じではないようです。むしろ排他的だったり、減少どころか消滅すら考えている人たちが、わかりやすいところから登場し、活動を制限しようとしているわけです。
女子がAV女優になることで得ようとするもの。それは金銭だったり自己顕示欲だったり自己承認欲求だったりと、人それぞれですが、想像できる範囲はそういう感じでしょう。
ところが、「表現力」という部分が、本人が想像する以上に得られるという事実があるのです。演技力とかではなく、ギリギリのリアルがあるからこそ輝く力と説明しておきます。
それがAVだけでなく、ライブで歌うことでも見事に表現されている事実。プロの歌い手だからこそ得られる能力とも違う、別の角度から成長していく歌唱能力。それを観ることができるのです。
今回の文章の主役である三宮つばきさん。さらなる表現能力を得て、次にライブに登場する際には、今まで以上のボーカルパフォーマンスを見せてくれることとでしょう。そして期待しています。そんな女性が表現者として成長していく姿がリアルに発見できる場所がここにあるわけです。観るのも観ないのも、この文章を読んだ方の自由です。
でも輝く方が輝く瞬間を観たいと思いませんか。
著述者=麻雅庵(https://twitter.com/an_asaga_otft)
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