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ヤバすぎたB4をふりかえろう――「SANRIO Virtual Festival 2023」B4のおもいで
タイムシフト公演も終わって一週間経ち、やっとB4 CHILL PARKの感想を書き終えることに成功しました。だいぶ日が経っているのもあり、感想記事や解説記事も多く出そろっているでしょうし、自分は純粋な感想だけを置いてサンリオVfesのひとつの精算としたいと思います。
「クリエイターの天下一武道会」とも呼ばれた今回のB4 CHILL PARKとはなんだったのか?なにがすごかったのか?は以下の記事が流れを追って説明してくれているので、こちらもご参照ください。
※本記事は個人ブログ「ぶいぶいれぽーと」からのセルフ転載記事です。
https://v-v-report.hatenablog.com/entry/sanrio-vfes-2023-report-b4
TORIENA
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破壊が吹き荒れました。直球でバイオレンスな破壊があたり一面に散らばり、「これが初手で大丈夫か?」と高熱でうなされているようなうわ言が漏れました。最高。
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破壊だけでは飽き足らず、2人3人に増え、生肉がめちゃくちゃに踊り、視界がゆめかわカラーでハックされるなど、ハチャメチャにやりたい放題が続き……最高。視覚の暴力がこれでもかと押し寄せるボスラッシュ感は、『Break Me Down』のサウンドにとてつもなくマッチしていました。ほぼ五感全てが暴力にさらされる!
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からの。
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この『デコイ』への入り。モノクロになった色彩がさっきと対照的すぎて、あまりに美しい。
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『デコイ』では空間に歌詞が打ち出されるパーティクルライブの王道的演出が続きました。これも文字の出し方と、音とのハメ込み方がすごく心地よくて、静かだけどゴリゴリなサウンド(音楽の語彙がなさすぎる)とめちゃくちゃハマってた印象です。視覚と聴覚がシンクロするとすごく心地よいんですよね。
破壊にせよ、空間のハックにせよ、激しいけど全てにちゃんと連なったシナリオのようなものが感じられたので、びっくりしつつも唐突感が一切なかったあたり、めちゃめちゃ考えて演出が組まれているんだろうなと、振り返って思いました。破壊もまた匠の技。エンジニアとして参加したちゅーたなさんのnoteからも、丁寧な破壊のしごとが伝わってきます。
去年見せられたら間違いなく単発記事ができたであろうすさまじいものが、初手からお出しされてきた事実を前に、「今年のB4は"ヤバイ"」と覚悟せざるを得なかった次第です。
team:beyond_a_bit
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「想像の先」を文字通り超えてきました。"a bit"どころじゃない。だってB4を破壊して宇宙まで飛び立ってしまったのですから。
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開演前の舞台のような厳かな空気の中で、トランクが開き、光で編まれた草花があたりに咲き始め、やがてフロアそのものを粉々に砕く。花たちが音に合わせて発光し、ボルテージを着実にためていってからの、破壊。宇宙。星間飛行。
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イッツ・ア・スモールワールドからスペースマウンテンに変異したような衝撃が急にやってきて、初見では「オイオイオイオイオイオイ!!」と叫ぶので精一杯でしたね。衝撃に対してあまりに無力!
フロアの地形(≒コライダー)こそ維持しつつも、フロア全体を宇宙空間に"塗り替えて"しまい、そこに立ったまま広大な宇宙へと飛び立つ体験はめちゃめちゃに衝撃的でした。「どこを見たらいいかわからない」という意見もチラホラ耳にしたのですが(ごもっともでもある)、その予測不能さが「未知への旅」だなと感じさせてくれたので、自分はめ〜ちゃくちゃ好きでした。
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暗転からの、幻想的な草原と「いきもの」と光が織りなす世界、からの全てのメッシュが砕けてスーツケースへと戻っていくクライマックスも、怒涛かつ鮮やかで言葉を失っていました。静寂から始まって静寂で締めくくられるのも、「旅から戻ってきた」感覚があって美しさにあふれていたなって。
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「どれが一番すごかった?」と聞かれたとき、あえて1つだけ推挙しないといけないなら(そんなことはしたくないが)、たぶん「beyond_a_bit」って答えるような気がします。そのくらい、「見たことのない衝撃」であふれたパフォーマンス……というか「作品」「物語」だったように思います。しかもQuest対応しているってマジ……?
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ちなみに最初の回では、なんの因果かteam:beyond_a_bit全員が集結したインスタンスで見ることができました。全員なにかしらの創造を実施しているスーパーチームです。各メンバーごとの解説記事も出てきたので、それもあわせてチェックすると理解が深まってなおよし、です。
memex
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memexのステージにハズレなし。2019年から活動を続けていて、今年で4周年を迎えるってだけでもうすごいのに、どんどん進化しているのがmemexというユニットだと思います。
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今回のライブでは、まず「ユーザーの位置」によって演出が動的に変わるというギミックから叩き込まれてきました。「ターゲッティングされてる!」とキャッキャしていたのですが、毎パフォーマンスごとに無二の演出になる、というめちゃめちゃすごくておもしろいことをしているんですよね。まさに"ライブ"というべき演出。
「Interactive Pop Song」という造語が採用された最初の楽曲『Observer Effect』はサンリオVfes後にVRChatワールドとして公開されましたが、解説動画も見てみるとなお「おもしろ~!」となるはずです。あらゆる音と演出がインタラクティブだった。
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その後も、フロア全体を水に沈めたり(ちゃんと音が水中特有のこもりかたになる)、楽曲とリンクしたパーティクルが飛び回ったりと、視聴覚がリンクしたステージが連続しました。密度が濃すぎて体感時間5分あったかどうか。
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なによりmemexは素のパフォーマンスから見事に仕上がっているので、まずライブパフォーマンスとして盛り上がるし、その上で技術的にも演出的にもすさまじく刺激的で楽しい、というのが強いんですよね。clusterでも定期ライブやってるし、VRChatでも路上ライブをやっている。すごすぎ。
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「バーチャル空間でライブパフォーマンスを見せる」ことをめちゃくちゃ自覚的に続けてきた、土台の強さが存分に暴れたステージだったと思います。その上でVRChatで今後も追体験できるのがうれしい……!
余談ですが、あにまーれの因幡はねるさんがゲリラ的にバーチャルピューロランドに潜入したら、行き先でmemexの路上ライブをやっていた、というミラクルが起きたのも印象的です。ぴぽさんご本人も言及していますが、めちゃくちゃエピックな出来事だなって。
約束
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"かわいい"の化身でした。映像から本人からなにからなにまでかわいい。アバターがリアアリスの時点でかわいいことに疑いなどないんですが、輪をかけてかわいい動きでしたね……同じリアアリス使いとして見習いたいほどに……
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それでいてパーティクルライブはここまでの面々とはまた別ベクトルで衝撃のラッシュ。体感としては「2DMVと3Dステージが瞬時に切り替わる」とでも言うべき、ちょっとなにが起きてるかわからない現象を目の当たりにして「ど~なってんの!!??」と叫んでいました。視界ハックに近い仕掛け方だった気はするのですが、これを不快にならないラインで仕込めるのはめちゃめちゃすごいことだと思いました。
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デルミンちゃんもばっちりキュートに動き、最後には約束さん本人と共演するというのも「夢を叶えてる」感じがあってエモさがありましたね。ちなみDay2はこのあとにMashumairesh!!のステージがあり、連続で見るとさらに感慨深いものがありました。
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パフォーマンスのすごさもそうなのですが、パフォーマンス前のアナウンスなどでVRChatのUIを見せながらていねいに説明するパートがめちゃくちゃに親切だったのも印象的です。自身制作のパーティクルライブワールドや、「約束カフェ&バー」のPVもバッチリ挟むことで、次を指し示してくれるのも親切。
🎊 約束カフェバーリニューアル 🎉
— 約束 (@Mare_hoshizora) September 4, 2022
9月9日から毎週金曜日の
「24:15-26:15」に開催します!
新しくなった可愛いカフェと素敵なバーで
みなさんと一緒に楽しみましょう!
是非来てくださいね!
イベントの詳細はPVでチェックしてね♪
Discordサーバー: https://t.co/VrOTgKWNyO#約束カフェバー pic.twitter.com/8sQjfWJTx1
このステージをきっかけに「約束カフェ&バー」に行ったり、そのためにVR機材をそろえる人も出てきそうですよね。というか僕がまず「約束カフェ&バー」に行きたくなっております。
戊屡神ゆゆ
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クロミちゃん大暴れ。team:beyond_a_bitと同じく、アーティスト本人が出演しないタイプのパフォーマンスだったのですが、それゆえか「サンリオ公式コンテンツじゃん!!」と思わず叫んじゃうほどに「クロミちゃんのVRMV」としてカンペキに仕上がっていました。
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一曲オンリーだったのでほんとにあっという間だったのですが、これもワールド全体をほぼ塗り替えるような(というかコライダーも一部外れてたような?)仕掛け方だったので、フロア破壊が飛び交った今回のB4では最も王道なパーティクルライブだったかもしれません。
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ラストにステージごとワープしていくような、パレードのオマージュっぽい演出なんかも仕掛けられていて、短いけれど密度は濃密。いやほんとにサンリオさんはこれ公式コンテンツとして採用していいでしょってくらいの満足感がありました。これもQuest対応というのがすごすぎる……
キヌ
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言葉を失いました。僕だけでなく、パフォーマンスを見ていたひと全てが、終演後になにも言葉を発せず、呆然と立ち尽くしていたように思います。
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前回立っていたステージと、ちょうど相対する位置にステージを"呼び出し"、けたたましいギターとともにシャウトが炸裂する「紲」から、数多くの人間に衝撃をもたらした「バーチャルYouTuberのいのち」に、あえてつないでいく流れは「おや?」と最初は思いました。けれど、その既視感ある流れすら伏線で、「拡世」から連なる「はじまりはおわり」こそ今回のキヌさんの本丸だったと気付かされました。
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前回B4で叩きつけられた「バーチャルYouTuberのいのち」は、ある意味では2022年に加速したメタバースブームの象徴的な出来事の一つだったと思います。しかし、あれから数多くの出来事を経て、メタバースはしっかりと幻滅期に突入した。"はじまりはおわった"のですよね。だからこそ、「バーチャルYouTuberのいのち」をリメイクするような流れが組まれたし、「はじまりはおわり」のポエトリーはどこか優しい声色だったのかなと。そう思わされています。
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僕自身、発信という立場からメタバース業界の末端に関わっていることもあって、「世界は広がり、もうはじまりの段階は過ぎ去った」「それでも僕たちがここで生きるために前へ進もう」というメッセージを(勝手に)受け取ってしまい、ひとつ大きなものを受け取ってしまったなと感じるに至りました。無責任じゃいられない。「拡世」にひとつでも貢献しなければ。そう気持ちを新たにさせられるパフォーマンスでした。
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裏を返すと、こうした文脈が突き刺さるかどうかが、今年のキヌさんのパフォーマンスのひとつのカギなのかなという印象もありました。ほかにも、よく見たらNakayoku Connectの残滓が一部見えたりと、10周しても気づかないかもしれないネタが数多く仕込まれているように思います。あと100回くらい再演してほしい。
ピーナッツくん
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忘れちゃならないのがB4 Day2のトリを務めたピーナッツくん。この日のB2ではぶっちぎりでいいステージを見せてくれましたが、こっちではいつもの動画みたいなゆるい空気で、自然体な姿を見せてくれました。
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あまりにゆるすぎて、誰かがトマトのemojiをぶん投げていたような気もします。でもそんなノリも許してくれるステージでした。最後には「あんま得意じゃない」フリースタイルでシメるという、「ほんとにトリか!?」と思っちゃうムーブを見せてくれたのも印象的です。
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天下一武道会と化したB4にあって、唯一肩肘張らないパフォーマンスで立っていた姿は、いまやリアルとバーチャルの垣根を超えて活躍する、黎明期のVTuberならではの強さだったのかもしれません。実際、メインインスタンスは80人満員。このノリで息抜き、そして慕われるに至ったVTuberとして、なんかエモさがありましたね。
総括
このほか、多くの人が限界化するサンリオキャラクターステージもあったB4。ほんとにえげつない空間だったと思います。自分はDay1はほぼB4に張り付いていたのですが(有料チケット持っていたのに!)、それを微塵も後悔しないほどすばらしいものが連発されてきました。
天下一武道会と呼ぶしかない今回のすさまじさは、やはり前回キヌさんが見せたパフォーマンスの存在が大きいでしょう。「ここまでやっていいんだ」という認知から生まれた、「"アレ"を超える」という闘志が、クリエイターから発せられていたように自分は感じました。そんな中でもキヌさんが昨年を余裕で超えるような破壊力を見せてきたのはさすがすぎて。ほんとに世界観がドラゴンボール。
この最高の空間を無料でオープンさせることを決めたサンリオさんも、もちろんすごい。あらゆる熱量が一箇所に集中した、まぎれもない「最前線」がそこにありました。
そしてこれを見た自分になにができるかというと、こうして感想を投下することはもちろん、やっぱ「なにかを創る」が一番のリスペクトになるのかな、とは思いました。今回のB4参加者からも、「あのキヌさんに触発された」という人がやはりいらっしゃるようでした。いい創造を見て、自分も創造に踏み出す――そんな営みの輪に入れたらよいなと、密かにワールド用アセットを買いながら思う次第です。
新しいインプット:ワールド制作理解のために…
— 浅田カズラ✑バーチャルライター (@asada_kadura_vb) February 2, 2023
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