大好きだった人の話
勤めていた会社にいた聖人みたいな人の話。
その人はわたしより5歳上で、とてもハンサムで人気者でした。
仕事ができて、優しくて、悪口なんて誰からも聞かない、上層部からの評判も最高。みたいな人。
例外なくわたしも大好きでした。
ラブかライクかと言われれば、「限りなくラブに近いライク」って言いたいけど、『正直めちゃくちゃにラブ』って感じ。さすがにもう1か月顔を見てないので焦がれているような感覚はないけど。
わたしが休職して復帰した時は、部署も違うのにめちゃくちゃ心配してくれて毎日連絡をくれた。
ダントツで忙しい部署なのに、わたしが出社しているときは会いに来てくれた。
辞めるって報告したときは、会社を責めてくれた。辞めてほしくないと言ってくれた。
この人に会えなくなることが、会社を辞めたくない理由だった。
結局、日常的に会えなくなる距離に異動になったことが、会社を辞める理由になったと思う。
退職日に、
『君が辞めたから、僕も辞めようと思っている。』
とメッセージが来て、それが最後のやりとり。
一応連絡先は知ってるから、
12月になったら、
元気になったので飲みに行きましょう って誘ってみたい。