浅岡雄也 Extra Rare BEST 感想② (追記)
★Disc2
【アナタトミライヲ】
Aメロのギターがリズムを刻む音で心をノックされているように感じ、ふっと笑みがもれました。
サビでたくさんの音が押し寄せてくる感じに一瞬たじろぎましたが、決していやな感じではありません。この曲もドラムとベースがよくて、曲全体をいい味にしているなと思いました。
【あの日の少年】
前の曲が終わり肩で大きく息をしたあとにこの曲の最初の音を聞いたら背筋がぴんと伸びました。
この曲は、「音」に対して惹かれるものが多かったです。
イントロから始まり、Aメロのアレンジ、間奏でのドラムのリズム、ベースの響き、エントロに至るまで。
音の重なり具合が良く、特にサビ部分での鼓膜や脳天を突き上げてくる音が気持ちいい。
曲の奥で鳴っている、タッタカタッタタタという繰り返しのリズムが耳に残ります。
ここまで音に惹かれるのは【桜色】と同じなのですが、クレジットを見たら、編曲が同じく久米康隆さんでした。
今回、全曲リミックスしたとのことですが、オリジナルへのリスペクトがあっての変化・進化が見事です。
擬音のタッカカタッタタタタは正確ではありません。耳では聞こえているし頭の中でも鳴っているのですが、キーボードを打つ指先には届かないようで… これが近いかなという文字で書きましたが、字するのは難しい。ちょっと悔しい…
【オレンジ】
オリジナルよりゆったりとしたテンポに聞こえるのは気のせいでしょうか。
以前は切なさでぎゅっと胸が締めつけられる痛さがありましたが、今回それが薄れました。
別れがテーマですが、未来のある「さようなら」という感じがしてなりません。
歌は変わっていないのに不思議です。
2番サビのギターソロ~エントロまでが良い感じ。
【オヤスミ】
雰囲気が変わりました。歌に丸みが出た感じがするのは何故でしょう。
ドラムは激しいリズムを刻んでいますが、強烈に前にでてくるわけではなく、全体を優しくしている感じがします。
一曲前の【オレンジ】もそうですが、この2曲は歌を彩る音たちが変わったからだけではない何かを感じます。
「何か」はまだ分かりません...
【泡沫】☆
ヘッドホンの右と左で違う音が聞こえてきました。
Bメロ~サビにかけての歌とコーラスのバランスが絶品です。特に、1番「無力だな 僕は」と2番「何故 生まれたんだ」の箇所は、何度もCool!と叫びたくなるくらい好き。
2番のAメロ「(欲望に)揺れて」では、音の効果や雰囲気が明確にわかりました。
ラストサビ前の鍵盤ソロは良い感じです。
全体を通して聴こえてくる弦の響きがとても好き。
【サヨナラの海】☆
イントロでタイトルが出てこなかった曲のひとつ。
歌の表情が変わってみえるのはアレンジの効果でしょうか。
歌だけでなく背景も変わっている気がしました。
2番のBメロ「美しく見えたね」の部分は、その効果てきめんです。
ピコピコと聞こえる音は、揺れている波のように見えました。
歌詞に「水族館」と出てくるように水中のイメージがあるのは当然ですが、Aメロではそれが顕著に表れていて、音が深く浸潤してくるのを感じました。
そして、1番→2番と進むにつれて、どんどん深く沈んでいく気がして、最後は海底で漂っているような感じになりました。
ラスト数小節で多少浮上した感はありますが。
この感覚は、、、
クレジットを見たら、【君の翼で】と同じく美島豊昭さんだったので驚きました。
この曲にも『仕掛け』が隠されているそうですが、いくつ見つけられているのでしょうか?
【スパイス】
こんなに優しい曲だったかなと思ったほど、歌がまろやかになった気がします。
メロディーを彩る弦の音が美しい。
サビ前のバイオリン、1番と2番の間奏でのハープがとてもきれい。
年月をかけて熟成されたスパイスという感じがしました。
【らびゅう】☆
ppppppというおもしろい音が入っているのはオリジナルのときから?
歌と楽器のバランス(特にサビ)が変わったように聞こえました。6:4だったのが、5:5になったような感じ。
2番のAメロのアレンジがきれいなのと、Bメロからサビにかけての盛り上がり方が好きです。
Cメロの「本当は「正しい 正しくない」~」のアレンジが良く、ギター、ベース、ドラム、鍵盤の調和・重なり具合が好き。
エントロのギターソロがいいですね。
【if】☆
イントロが美しい。
歌い直していないのに、歌声の変化をすごく感じました。
弦の音色が切ないけれど綺麗です。
このアレンジで生で聞いたら絶対に泣きます。
Disc2を美術館に例えましたが、その場から一歩も動けなくなるほど魅了する絵画のような曲。
【キボウノネイロ】
サビ部分では壮大さを感じました。
歌詞に「また旅を始めよう」とあるように、きりっと前を向いて歩きだそうと思えました。
この曲では、音が右から入って左へ抜けて頭上へ、そしてまた新しい音が右から入って・・・
というような音の動きがはっきりと見えました。(聞こえたではなくて)これはちょっと嬉しかったです。
【キミガセカイヲカエテユク】
魂が解き放たれた感じがしました。
心が弾むような躍るような軽やかさが楽しい、
嬉しくて駆け出していきたい衝動にかられます。
【Life goes on ~uyax ver.~】
イントロのアレンジがかっこいい!
思わず、「おおお」と声がもれてしまいました。
楽器の音がとても大きいのですが、強すぎない主張で歌を彩っているのが良いですね。
これはぜひライブで生で聞いてみたい曲です。
ラストサビ前のギターをはじめ、最後の一音まで楽しませるアレンジが最高です。
【コトノハ】
唯一歌い直した曲ということで、聴いていると年月を重ねた声・歌い方を確かに感じます。
サビにある「過去と未来を繋いでゆくよ」
まさにそれがこの曲であると思います。
【永遠のメロディー】
耳心地のよいメロディー。
歌がやや前にでている?とも感じましたが、きらいではありません。
ラストサビ前のアレンジはかっこいいです。
アルバムにはそれぞれ核となる曲があって、それがアルバムタイトル曲だと思います。
今回ベスト盤に収録されている曲は各アルバムから選ばれた曲たちなので、定義に当てはまらないかもしれません。
でもあえて、このベスト盤の核となる曲をあげるとしたら、この【永遠のメロディー】ではないかと思いました。
【ウタノチカラ】☆
イントロで右側から聞こえてくる弦の音にぞくっとしました。
ピアノの音に胸ぐらをぎゅっとつかまれて揺さぶられている気がしました。
途中から涙が止まらなくなりました。
【ripple】で始まって【ウタノチカラ】で終わるこのExtra Rare BESTは、1stアルバムと同じ構成ですが、2曲の間には、17年という年月が存在しています。
浅岡さんがあえて歌い直さなかったのは、ここから「ソロ浅岡雄也」の足跡・軌跡を見てほしい、変わらないものと進化したものを感じてほしいとの思いからなのだろうなと思いました。
ー再構築ー
壊して建て直すのでなく、元の要素を残しつつ新たな枠組みにはめていく。
伝統的な和風建築と近代的な建物を融合させるようなイメージ。
見た瞬間にハッと息をのむようなアルバムだと思います。
住み心地は良さそうです。
時を感じながら、流れてくる声を、音を楽しみたいと思います。
このアルバムを聴くにあたって新しいヘッドホンを購入しました。
制作過程や発売後において浅岡さんが語られてきたことや想いを感じ取りたかった、確かめたかったのです。今回、どこまで捉えられたかわかりません。次に聴くときはまた違う発見ができるといいなと思っています。
初視聴から一ヶ月ほど経ちますが、まだ2回目を聴けていません。ながら聞きができないタチなので、聴くとなると一、二時間かかります。この時間の捻出が難しいのです。今は・・・
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