女医の不妊治療体験記 #3 第1子妊娠中のこと
あさちょこです。
不妊治療(体外受精)をへて、39歳と41歳で(しかもそれぞれ誕生日目前に)男児と女児を出産している、40代半ばのワーママ医師です。
2017〜2019年頃に不妊治療をしていましたが、治療中は精神的にとてもしんどかったです。今思えば、当時、血眼になって読んでいた『体験記』は治療が長引いていた(つまりなかなか妊娠しなかった)方々の色々な感情が詰まったものが多かったように思います。
全てが終わった私の体験を淡々とシェアすることが、少しでも、今しんどい思いをしている方々の救いになったらいいなと思って書き始めました。私自身も、ワーママとしてのスタート地点を振り返ることで、思い出すこと、気づくことがあるなと感じています。
今までの記事はこちら↓
#1 では 不妊治療の始まり〜1回めの採卵まで
#2 では 2回目以降の採卵〜移植まで
を書いています。
今回の内容は、妊娠経過のことで、不妊治療とは直接関係のない内容が多めになります。
ひとりめの妊娠中のこと
つわり
初めての移植でめでたく妊娠し、 39歳目前にして初めてのマタニティーライフが始まりました。
妊娠といえばつわり。それほどひどくないといいな〜、くらいにしか考えていなかったのですが、やっぱりそれなりに辛かったです。
妊娠8週頃に、夫と旅行に行ったのですが、なぜか夫が選んだ行き先は車で5時間かかるところ。途中で気持ち悪くなったり、メニューをみて「うどんなら食べれそう」などという私の様子に、夫が徐々に不機嫌になっていきました。帰りの車中でまた気持ち悪くなり、「少しどこかで休みたい」といった時には明らかに不機嫌でした…。
これ以上書くと夫に対する愚痴になりそうなので自粛いたします…笑、が、そもそも、なぜ車で5時間もかかるところに旅行に行ったのか、今考えても謎です。
そして、この旅行の後から、つわりと頭痛で本格的に苦しむことになります。
もともと持っていた片頭痛がひどくなり、普段使っていた片頭痛発作用の薬(私はエレトリプタンを使っています)も、妊娠中ゆえに飲めず、アセトアミノフェンを飲むのですが、全く歯が立たず。片頭痛発作による嘔吐なのか、つわりによる嘔吐なのか、もう訳がわからない状態で、とにかく頭痛と嘔吐に2ヶ月ほど苦しむことになりました。
(予備知識としては、妊娠中には片頭痛が軽快する人が多いと理解していたので、悲しい誤算でした…😢)
氷を舐めても嘔吐することがあり、点滴にもお世話になりました。
とは言え、何キロも痩せてしまったとか、何日も何週間も点滴をして過ごした、という人の話に比べると私のつわりはそれほどではなく、まだ良かった方なのかもしれません。
妊婦健診と妊婦生活
通っていた地域の産婦人科の先生が、妊娠中の体重増加にとても厳しい人だったので、つわりが落ち着いてからはとにかく体重とにらめっこ。食べる物にも気をつけて、できるだけ歩くようにし、炭水化物をできるだけ取らないように生活していました。
30歳の頃からヨガを断続的に続けていたので、マタニティヨガのクラスに通ったり、妊娠を機にピラティスのクラスにも行ってみました。
地域の産婦人科の先生は、私が研修医時代にお世話になった産婦人科の先生方と一緒にお仕事をしていた時期もあったようで、思い出話をしてくださったり、エコーの解説もしてくださったり(こちらは研修医時代の記憶を総動員して必死ですw)…。厳しいだけでなく、楽しい時間もたくさんありました。
25週の頃に迎えた年末年始に、夫と二人で隣町までまたぐハイキングコースを歩きました。冬の澄んだ空気のおかげで、山の上から富士山まで綺麗に見えたのは、とても気持ち良かったのですが、途中で何度もお腹が張ったので休み休みで、今思うと無茶をしたと思います…。
年が明けて職場の人達にこのハイキングの話をしたら、みんな血相を変えていました。8週の頃の旅行といい、夫の提案に何も考えずに乗ってしまった当時の私に、今の私はちょっと苦々しい気持ちです。
30週を過ぎてからは、出産予定の実家の近くの総合病院に通うようになりました。電車を乗り継いで片道40分程度の道のりだったと思います。この頃より、動くのもしんどくて、仕事もつらいなと思うようになりました。
経過中、少し心配していたのは、妊娠糖尿病についてです。私は母方に濃厚な糖尿病歴があり、私も引っかかるのではないかと危惧していました。一度は再検査にはなったものの、妊娠糖尿病の診断がつかず、結果的に大きな問題なく過ぎていきました。
妊娠高血圧症候群の診断
妊娠36週を過ぎたあたりから、徐々に血圧が高くなり、足のむくみもだんだんひどくなりました。
とはいえ、今まで血圧が90−100台だったのが、120−130台に、という変化だったので、まだまだ正常範囲。ただ、今までの私が130を超えることはほとんどなかったので、血圧を少し心配して、実家から血圧計を借りて家でも測るようになりました。
37週の検診では尿蛋白+。38週で++。39週で+++。
それでもなぜか特に言及されず(血圧が128だったからかなあ?)、帰宅。
39週の検診後に自宅で測った血圧が150台を下がることがなく、さすがに心配になって大学時代の親友の産婦人科医に相談したところ、すぐに病院に連絡するようにと言われました。
「こんなことで相談していいのかな?」と言う私に、「ちょっとお腹が当たったとかで電話してくる人いるくらいなんだから!これは電話しないと!!」という友人。(なぜか自分のことになると客観的に見れないのですよね)
結局、総合病院に電話したところ、すぐに病院に来るようにと言うことで、そのまま入院になりました。
入院後、蓄尿して1日尿中タンパク質が8gとわかった時はとてもびっくりしましたが、家族の誰に言ってもその驚きを共有できなかったのが残念でした…(家族に医療者が誰一人としていないもので)。
腎機能(eGFR)だいぶ下がっていましたが、数値を忘れてしまいました。確か50台だったと思います。
おわりに
第1子出産くらいまで書くつもりだったのですが、結構な文字数になってしまったので(毎度ですがな!笑)、この辺で一旦区切りますね。
次回は「妊娠中の仕事のこと」または「ひとりめの出産のこと」を書く予定です!
もしご質問などありましたらお気軽にコメントいただければと思います❤️