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あの日、花が降った夜の話 ep
『雨と花束』鑑賞記録
目が覚めると、窓の外が明るくなっていた。
どうやらあの後、疲れてそのまま眠ってしまったらしい。
徐々に頭を起こしながら、昨日のことを思いだす。
まるで夢だったかのような、不思議は一夜だった。
それでもちゃんと“彼”との記憶が残っている。
そのことがとても嬉しかった。
「教えてくれたね、忘れていくことは、
覚えるより難しい」
彼女は今、どんな気持ちで朝を迎えたのだろう?
彼女の中で、私たちの中で、彼は永遠に生き続ける。
そして、雨が降るたび、私たちは彼のことを思いだす。
“Nothing, but you're the part of me "
“虹はいつか、消えるけど雨は、草木を育てていだんだ。”
シャワーを浴びながら、どこかで聞いた雨の歌を思い出す。
たとえ洗い流されても、存在しなくても、
証明されたものが、ここにある。
ロビーでチェックアウトを済ませ、
一枚のポストカードを受け取った。
そこには、部屋にいた「花束を持っている女性」とエレベーターにいた「傘を持ってうなだれていた男性」の2つの絵が重なり、
「一つの傘の下で2人が見つめ合っている絵」になった。
どうか虹の彼方のエメラルドの街で、
いつか2人が幸せにすごせますように。
私はそう願うと、モーテルを後にした。
"Somewhere over the rainbow, skies are blue,
and the dreams that you are dare to dream realy come true.”