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全シリーズ女子・バレンタイン座談会2022①

バレンタインデー直前。
モモは今年もみずきたちと集まってチョコ作りを企画。
会場のみずき家へ出かけようと、玄関を開けると――。

モモ「あれっ⁉︎ こ、ここどこっ?」
なぜか玄関の外が、コタツつきの和室に繋がっている。
しかも先にコタツに入っていたのは――、

ヒヨ「あーっ、モモ先生だ~っ!」

頬におやつをつめまくったヒヨ。
モモ「ヒヨちゃん!」
ヒヨ「わたしは冴ちゃんちに遊びに行こうと思ったら、いきなりここに来ちゃって。で、こっちのマメちゃんってコが、先にいたんですっ」
マメ「ど、どうもです。あたしは放課後の居残り訓練をしていて。鬼ごっこで捕まったら負けって、命がけなゲームをしてたとこなんですけど。塩鬼に捕まって観念した瞬間に、気づいたらここに」
モモ&マメ「「そ、それはよかったね……」」

とにかく落ちつこうと、コタツをかこむ三人。
と、ぐわらっとふすまを開け、新たな客が。

和子「ぬっ。ここはどこだ。というかテレビはないのか!」
モモ「テレビはない……みたいだけど」
和子「時代劇が始まってしまうではないか! いそいで帰ってきたのに、なんたる不覚!」

ヒヨ「んん……? どっかで会ったような……? ああっ、幼稚園のときの和子ちゃんだぁ!」
和子(メガネをかけて、しげしげとヒヨを観察して)「………………だれだっけな」
ヒヨ「どええっ。日向ヒヨだよぉっ。冴ちゃんと剣道の道場に一緒に体験に行ったりしたの、覚えてない? 冴ちゃんは、あれからずーっと剣道やってるんだよっ」
和子「ふむ。そう言われると、そんなことがあった気もするな。そうか、同級生であったか。その剣道家の彼女は、息災かね」
ヒヨ「冴ちゃんは白菜じゃなくて人間だよ?」
マメ「ソクサイって言ってたよ? 『即・災害』とか? うわっ、ヤダな」
モモ「ええと、息災は『息に災い』って書くほうだよ。『息』には『やめる・鎮める』って意味もあって、『災いを鎮める』って意味になるの」
和子「さよう。もともと仏教の言葉で、『息災呪』と呼ばれるお経もあるな。星よ、輝いてその光で災いを消してくれと、平和を星に願うのだ」
モモ「すごいっ、和子ちゃんくわしいね」
和子「キミもなかなか博学だな?」
 モモと和子、何か通じるものを感じあい、お互いににっこり。

ヒヨ「星に、願いを……! つまりはおまじないの呪文だねっ?」
マメ「あたし、そのおまじない覚えて帰りたい! また塩鬼に追っかけられたら、唱えまくるよ」
和子「うむ。ではメモに書こうか。(カリカリカリ)――あれ、ここの漢字はどんなだったかな」
モモ「それなら……、」

 お経を写したり漢字歴史談義に花を咲かせたり、すっかりキャッキャと楽しんでいる一同。
 そこに、プルルルルッと電話の音。

 和子、受話器をとると、向こうから、うんざり疲れきった声が響く。
???『すまん。早く話を進めろと、鯖からのお達しが――、』
和子「取り込み中だ。後にしたまえ(容赦なく切ろうとする)」

モモ「ちょ、ちょっと待ってぇ!(慌てて受話器を受け取り)た、匠くんだよねっ?」
匠『よかった、モモか。実はこっちも男子四人で閉じこめられてるんだ。女子部屋はテレビ中継で見えてるんだが、モモたちがお題を片づけないと、男子部屋も出られないらしくてな』

ヒヨ「ってことは! 真ちゃ~ん、いる~っ?」
真『いるよ。オレは本読んでるから、気にしないで楽しくやって』
ヒヨ「ほーい! 後でおしゃべりしようねーっ」
真『うん』

コオリ『うんじゃねーよ。オレはこの後、礼と夜の修行があんだわ。あいつ、遅刻したらウッセーんだよな。和子、さっさと頼むわ』
和子「歴友の頼みとあってはしかたないな。協力してやるか。というか、わたしも時代劇を観に帰らねばならん」

涼馬『マメは、もどったら楽しみだな』
マメ「あはっ、あははははっ、たたた楽しみデスネェ? それではまたー!」

 ガチャンッと、マメが無理やり受話器を置く。

モモ「マ、マメちゃんは、もどって大丈夫?」
マメ「涼馬くんの体力ゲージが回復しきる前に戻らないとっ、逆にヤバイ!」
和子「では、そのお題とやらをやってみるかね。しかし一体どこに――、」
ヒヨ「あ。これかな?」
 みっちり書かれたお経メモの裏。
 今さらながらの「お題」がデカデカと書き付けてある。

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「全シリーズ女子・バレンタイン座談会
 うきうき恋バナ! くじ引きお題選手権♡」
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座談会史上、最長の導入になってしまった、全シリーズ女子座談会!
やっとこさのお題公開を果たしたところで、次回へ続く……!


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