#歴史ゴーストバスターズ #歴バス ①後の放課後 の小ネタ(再掲)
※Xの表示がうまくいかないそうなので、こちらに再掲しま~す!
内容変わってません(*´ω`*)
#歴史ゴーストバスターズ #歴バス ①後の放課後 の小ネタです
※ネタバレ注意 ↓ ↓ ↓
真っ青な顔の和子、委員会のあと、薄暗い廊下を教室へ走る。
「なんてコトだっ。長ったらしくダラダラと! 時代劇にも間に合わないし、こっ、これから、ユユユユーレイの時間じゃないか……っ。 よっちゃん先生め、恨みはらさでおくべきか……!」
見えないのに、幽霊が視えるのが怖くて、メガネをかけない和子。
掃除ロッカーにガッとぶつかり、 「ぐっ!」 ろうかの曲がり角にゴッとぶつかり、 「ぬっ!」 今度は教室の戸口のカドに――、
がしっ。
背後から、ぬっと突きだし、おでこをおおってきた手のひら!
和子、全身にトリハダをたてる。
出た!! ユーレイ!!!
「キャアアアアアッ!」
悲鳴をあげながらブンなぐろうとすれば、
きーーーーん。
と、耳を片方の指でふさいだコオリが立っている。
「おっま……、耳いてぇわ」
「びっ、びっ、びっくりしたじゃないか狐屋コオリ! 背後を取るとはヒキョウなり!」
「へーへー」
ぱっとおでこから離れていく、コオリの手。
「……まさか、ぶつからないようにカバッてくれたのか?」
「石頭にぶつかられたら、戸のほうがヘコむかなって」
「ヘコまんわ!」
コオリは適当にひらひらと手をふり、カバンを肩に、ろうかを歩きだす。 和子もカバンを取り、コオリの横に並んだ。
「キミも委員会でおそくなったのか」
「まーな」
「……コオリくんが、委員会に入っていたという記憶はないのだが」 「………………」
「………………」
ちらり横を見やると、仏頂面のコオリの横顔が、サッとそっぽを向く。
「恥ずかしがらんでもいいぞ、コオリくん」
「うっせぇ」
「漢字テストに落ちて、居残り勉強だったんだろう。キミは字消士の仕事でいそがしいし、多少はやむなしだ」
和子はうまくフォローしてやったつもりでウンウンとうなずくが、返事がない。
コオリは「氷」のはずの顔面を思いきり引きつらせて、和子に絶句している。
「まぁ……いーや。それで……」
「? 煮え切らない返事だな」
下駄箱で几帳面に靴をはきかえている間も、コオリは待ってくれている。 和子はけげんに思いながらも合流。
「そうだ、コオリくん。石頭と言えば、中国のお坊さんに『石頭さん』という方がいる。彼の宗派は石頭宗と呼ばれてるんだ」
「へぇ。なんだそいつ。頭突きトクイなのか」
「ちがうな。山の上の石で座禅を組んでた石頭と呼ばれただけで、もちろん、頭蓋骨が硬いわけでなないのだよ。それでな、彼は――、」
歴史を語りながら校舎を出ていく二人。
なんとなくの流れで一緒に帰ることになってしまったが。
おかげで、ユーレイにおびえずに帰ってこられたな――と、帰宅してから気づいた和子であった。
~了~