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ウィンクキラーやってみた @星ねが
「ウィンクキラー・星ねがルール」※前回と同様
① トランプクジで、ジョーカーを引いた人がキラー役。
② 円を作って座り、キラーは他の人に気づかれないよう、目を合わせてウィンクする。
③ウィンクされた人は、5秒後に「撃たれた」と申告。
④ キラーが5分以内に過半数撃てたら、キラーの勝利。
※ キラーが誰かわかった人は、手を挙げてキラーを告発する。当たったらみんなの勝ち。外れたらキラーの勝ちとなる。
参加者:ヒヨ・真・冴子・ハルキ
場所:いつもの屋上
ヒヨ「第3回、ウィンクキラキラ選手権っ、や~るぞぉ~っ」
真「キラキラじゃなくて、キラーだね」
ヒヨ「おりょっ。あははー、まちがった」
冴子「ウィンクで殺人ゲームなんて物騒ね」
ハルキ「ボク得意だけどね~っ。バチッ☆」
あ~~っ!と遠くで、山本たちが悲鳴を上げて倒れる。
冴子「すごい攻撃力ね」
ハルキ「ファンサの基本だからね。練習したんだよ、いちおー」
ヒヨ「ハルルンはなんでも頑張り屋さんだなぁ」
ハルキ「ゲーム始める前に、ちょっとみんなやってみ?」
冴子「……こんな感じ? (ぱちっと無難にウィンク)」
ハルキ「う、ううううんっ(柄にもなくドキドキして)。上手上手!」
ヒヨ「よっしゃあ! どえい!!(バチッと見事に両目つぶる)」
ハルキ「……うん。そーね、あのね、ヒヨ子は予想どーりだけど、まずウィンクする時の掛け声じゃないなー」
三人の視線が、本を読んでいた真のほうへ。
真「え……、オレ? やんないよ」
三人「「「ええ~っ?」」」
真「………………(息をついて)じゃあ本番だけ」
※
ハルキ(というわけで、皆さん! どうせ外れると思ってる真のところに、小細工してジョーカーを配ってみましたよー!)
真、じっ……とすわった目でハルキを見つめている。
ハルキ、ギクゥッ。
ハルキ「それじゃあ今から五分、スタートォ!」
ヒヨ「ワクワクだねぇっ」
冴子「ヒヨがキラーだったらすぐ分かりそうね」
真「…………」
真、無表情のまま冴子に一瞬目を合わせて、ウィンク。
冴子「!」
次の瞬間、また無表情に、ハルキにウィンク。
ハルキ「!!」
真「過半数だから二人でいいんだよね? オレの勝ち」
冴子・ハルキ「「負けました……っ」」
ヒヨ「えっ? えっ? 真ちゃんが犯人だったの⁉︎ わたし真ちゃんの貴重なウィンク見てないよ!? 冴ちゃんとハルルン見たのっ?」
冴子「見たわ……」
ハルキ「いまだかつて見たことのない、伝説的に事務的なウィンクだったよ……」
ヒヨ「ズールーいーーー! わたしも見たい!」
真「だめ」
ヒヨ「おねがい真ちゃんっ」
真「だめ。ヒヨにだけは見せない」
真、すみっこの定位置で本を開く。
そのせいで顔が見えない。
ヒヨ「なんでぇっ。真ちゃぁ~ん」
ひょいと本の脇からのぞきこむと、
真「……はずかしいから」
ぼそっとつぶやいた真の、ヒヨにしか見せない、眉をさげたほのかな笑顔。
ヒヨはぽぽぽぽぽっと赤くなって、「ふぁい……」と身を引っこめる。
ヒヨは、ウィンクよりもエライものを目撃してしまったようです。
まる。
~おわり~
ハルキ「真って、変なとこではずかしがるよなー」
冴子「ふだんヒヨには直球なのにね」
ハルキ&冴子「「思春期だ」」
お母さんお父さんじみた自分たちの会話に、ブフッと笑う二人でした。
〜おわったれ〜