
【あっさじーん伝記】 過ぎ去りし時を求めて
★これまでのあらすじ★
*
油がいつまで経っても沸騰しないのだが・・・
— あっさじーん (@atusajiiin) May 8, 2020
たった20字程度で140いいねに到達したあさちゃん。こういうツイートをさせたらなかなか右に出るものはいない。センスがなければ生み出せないと思う。
しかし残念なことに、本人は相変わらず自身の才能にまったく気が付いていない。こういう自覚のないところもまさしく天才らしい。

それから私は彼に「家で料理をして実食し、その過程を録画してYoutubeに投稿しましょう」と提案した。実はこれまでも何度か提案したのだが、「そんなの面白くないですよ」とずっと却下されてきた。ここに今回の天才的ツイートによる140いいねで、さすがに認めざるをえなくなったのだと思う。
やる気が出てきたのか、彼から「一緒に動画を作りませんか」とお声がかかった。私を企画担当にしたいらしい。

イライラしやすいのはきっと更年期に違いない。何はともあれ、私は企画として雇われることになった。
「チームあさじんTV」のメンツ構成は以下の布陣だ。
メインキャスト・・・あっさじーん
副キャスト・・・澤田さん
編集・・・高橋くん、(あっさじーん)
企画・・・ふぃり、澤田さん
ちなみにこの中でもっとも大変なのは圧倒的に編集である。頭脳労働+肉体労働、その上にかなり時間がかかる。収益化した際には、高橋くんが50%ほど貰ってしかるべきだろう。
その後、ドラクエ11を楽しんでいたあさちゃんからお悩みが届く。やりとりの中で貼られているスクショは2018年のものだ。


彼は2年前にプレイしたドラクエ11のことをキレイさっぱり忘れており、そのことにショックを受けているようだった。しかしこんなものは彼のヤバさの中ではまだ序の口だ。私にとってはこんなものは驚きでもなんでもない。なぜなら彼はもっとあり得ないことをやってきているからだ。
私が彼の記憶力について最も驚いたのは、以前書いた【幻の馬券 前編】において、9日前に会った長い夢氏の顔を完全に忘れていたことだ。
これが数か月前に1度会った程度なら仕方ないことだが、彼の場合は1日中一緒に競馬をやり、そのあとに私、あさじんさん、長い夢の3人で飲みに行っている。しかも長い夢はあさじんさんの対面だ。
これこそ「通常なら有り得ないです」という気持ちを表明したくてたまらない。
やりとりの中にも書いたように、彼の脳は記憶を維持する力が低いのではなく、そもそもデータを脳に書き込む能力が著しく劣っているのだと思う。そうでないと、勤務する遊図で何切るを解いた2週間後にまったく同じ問題を見て「遊図の何切るが新しくなっています」などとはぬかさないし、エビスバーで1時間ほど灰になって森くんと私を完全無視したことをまったく覚えていないということも起こり得ないだろう。
彼のこれまでの超絶異常行動を思い出してみても、なにかしらの病であることは間違いない。そして病というものは本人が望んで得たものではないため、本人に罪がないことは明らかだ。いくら私でも病気の人を馬鹿にするような気持ちは1ミリもない。あさちゃんがどれほど失礼なことをしても、「病を憎んで人を憎まず」だ。名言が生まれてしまったかもしれない。
ただ私は、彼の発言した「僕は本当に病気なのかもしれませんね」という言葉をすでに20回ほど聞いている。これほどまでに書き込み能力のバグが明らかになっているにも関わらず、それを治療するどころか検査すらしないのではあまり悲惨だ。馬鹿にしてあげるほうがむしろ幸せであるとさえ思っている。
彼が検査を拒否している理由の内訳は、「ほんとに病気だったらプライドが傷つくから」が95%、金欠が5%だ。このご時世、精神的な病を抱える人はたくさんいるのだからまったく恥ずべきことではない。むしろそんな無駄なプライドがあるほうが恥ずかしいことだ。
病気だと判明すれば、彼はただの無能ではなく病気のせいだった、と汚名返上の機会すらあるのだから。10万円の特別定額給付金が振り込まれたら、ぜひとも診察費や治療費に充てていただきたいものだ。
*
それから数日経ち、私を除いた3名でYoutubeの動画撮影が行なわれた。内容は明記することができないが、マイティフィーバー東天紅と罰ゲームを撮影したそうである。これについては乞うご期待。
心苦しいが高橋くんに全編集をまかせ、あさちゃん、澤田さん、私の3人は次なる企画考案を進めた。実は私には「これだけはやっておきたい」というものが1つだけある。それはたれぞうである。
たれぞうとは、推定30代後半から40代の男性配信者で、バナナやチョコレート、缶コーヒーの食レポをメインにしており、いまでは伝説的な存在だ。一見、頭のネジが飛んでいそうな雰囲気もあるが、冷静に発言を聞いてみるととても的確で、味に対して真摯に向き合っていることがうかがえる。
また、たれぞう氏はマスコットキャラクターのような可愛らしさもあってたくさんの人から愛されてきた。そんな彼の動画は2013年11月で途絶えてしまった。ファンの心にはぽっかりと穴が開いていることだろう。その穴埋めをあさじんさんがやってみてはどうか、という話である。



「鈍そうなデブが、ただ素のままに食べているようにしか見えない」
私がある動画を見たときの感想とまったく同じである。
あさちゃんとたれぞうは本質的にはほぼ同じなのである。
「これは期待できるぞ」と、私は確信した。
*
あさじんTVの新作完成を待ち望んでいるころ、ツイッターでIQ180真剣さんがあさちゃんへリプを送っているのが目に入る。内容は「動画で解説させてほしいから牌譜を送ってくれ」とのこと。これはあさじんTVの宣言にもなるので非常に喜ばしいことだ。
するとそこへあさちゃんから連絡が来る。

動画で写真を使うらしい。名前を間違えているのはご愛嬌だ。

彼のどの発言を取ってもまったく意味不明だろう。私にもよくわからない。なぜこんなことになるかというと、彼の中の人格がスロットの目のようにコロコロと入れ替わっているからだ。
ちなみに彼の年齢をバラしたのは私ではなく、彼自身が近代麻雀の「ドキュメントM」という企画に掲載された際に自分で告白したのである。

意外にも彼は若く見られたいらしい。ツイッターで「そんなに歳取ってるとは思わなかった」「もっと若い子なのかと思った」と言われていることにも喜んでいたが、これは内面が若く見える=精神的に幼いという意味であるから、どう考えても褒め言葉ではない。
これを彼に伝えると「あれ?そういえばそうだな(^ω^;)」とどうせそういうだろうなという言葉が返ってきた。まさに見た目は大人、中身は子どもの名探偵困難である。
*
そんなある日、澤田さんと電話をする機会があった。その中であさちゃんの話題がちらっと出る。
澤田 「いやぁ、完全に僕が悪いんだけどね、あさじん君を怒らせちゃったんだよぉ」
私 「おやおや、どうなさったんですか?」
澤田 「実はね、極たまになんだけど、あさじんくんのことをポルペルって呼んでるわけ」
私 「はあ」
ポルペルというのはおそらく「ポルージン」と「ペルージン」を配合した言葉だ。ペルージンという言葉を使うとあさちゃんが激昂して地団駄を踏むため、遊図では禁句になっている。
(詳細は『差し入れクラッシュ』の回を参照)
澤田 「それでね、LINEで別の人に送るはずが、間違えてあさじん君本人に『もう少しでポルペル着きます』って送っちゃったわけ」
私 「それは完全にアウツですね」
澤田 「でしょ?たまにこういうことしちゃうんだよなぁ。イクミちゃんに送ったんだよと反射的に誤魔化しちゃったんだけど、『今日はイクミちゃんは関係ないはず。これは高橋に送ったんだろ』と見事に核心を突かれて論破されました」
私 「まさに名探偵困難ですな。あさじんさんのこと馬鹿にできませんね」
澤田 「ほんとそう。彼には悪いことしちゃったよ。謝ってるんだけど、機嫌なおしてくれるかどうか・・・」
澤田さんは反省しているのだと思うが、彼もあさちゃんと同じように人に真摯に謝るのが苦手なタイプだ。ここは澤田さんが誠心誠意に謝罪するか、あさじんさんが仕方なく許すしか解決の道はない。
どうなるものか、とじゃがりこを頬張りながらアマプラで映画を見ていると、あさじんTVのLINEグループで更新があった。なんとあさじんさんが許してあげたのである。いきなり出くわした問題は、あさじんさんの寛大な心のおかげで解消することになった。
あさじんさんにヒアリングしてみたところ、そもそも澤田さんのポルペル発言に怒ったりはしていなかった。澤田さんに対して「ポルペルとはなんですか?」と問うたとき、「ごめんこれはイクミちゃんに送ったつもりだった。ポルペルは遊図チャンネルのポルージンYSくんのことだよ」という誤魔化しが返ってきて、これに呆れていたのだ。
実際、澤田さんは買い出しに出ていた高橋くんに対して「もうすぐポルペルが着きます、撮影が始まるから戻ってきてください」という意図でメッセージを送っていたのだった。あさじんさんの推理は完全に正しかった。彼にしては、というより一般人だと考えても結構冴えている発言に私はかなり驚いた。
最近、こういったことが何度かある。私は常々「あなた脳のシナプス途切れてるから病院行ったほうがいいアルネ」と馬鹿にしてきたのだが、今年に入ってから3回ほど、完全にシナプスが繋がっているとしか思えないキレッキレの発言が見られる。なにが原因かはわからないが、彼にとっても私にとっても幸せなことだ。謎が解決されたら研究論文をここに書こうと思う。
結局イザコザというものは元から存在せず、いつも馬鹿にしすぎている澤田さんが「ヤベッ、また怒らせちゃった」と神経質になっていただけだったのだ。我々は同じチームの仲間。イザコザなんてないほうがいいし、ある程度は失礼な発言を許容し合うべきである。
あさちゃんのほうも、澤田さんから世話になっているにも関わらず横領したり店で怒鳴ったり、フィリフィリファイナンスからお金を借りてトンズラしても許された過去がある。人によっては訴えられて裁判になっていてもおかしくないだろう。だから地球規模で見ればお互いさまだ。
あさちゃんの聡明で寛容な精神をうけた私は、もう彼を馬鹿にするのはやめようと心に誓った。
そんなわけで1つ、この仲直りの証として動画をアップしてもらいたいと思い、私は今回、動画のサムネを3秒で作った。
タイトルはもちろん

『 ”裁判にならなくてホントに良かった”を踊りたい 』 である。
いいなと思ったら応援しよう!
