見出し画像

◆どら焼き備忘録 79個目/こがね屋菓子舗(岩手県平泉町) 〜奥州藤原氏の権勢を偲ぶ古都の街に息づく素朴な小粒〜

◆店名/こがね屋菓子舗
◆品名/どら焼
◆サイズ/小


新幹線に乗りたい!
突如そう思い立った秋のある日、わたしたちは北海道・新函館北斗駅から盛岡へ向かう新幹線・特急はやぶさ号に乗り込んでいた。
まず新幹線に乗ることそのものが目的だったが、夫は以前から奥州藤原氏に興味があったので、どうせなら…と、平泉まで足を伸ばすことにしたのだ。
その顛末は後ほど旅日記に起こそうと思っているので割愛するが、とにかく平泉。

そのお店に出会ったのはまったくの偶然だった。
次の電車までの待ち時間までぶらぶらしていた時、いい感じのお店がある!と飛び込んだのが【平泉こがね屋菓子舗】さんだった。

ほんとにいい感じなのよ

由緒の正しげな店構えに、歴史の浅い北海道民の引け目か些か気後れしつつ「あのぅ…どら焼きありますか?」とお尋ねすると、上品でお人の好さげな女性ご店主さんがニコニコと「ございますよ」とお答え下さり、大喜びでお店に飛び込んだ。

さて、どら焼き。
驚いたことに、原材料などの表記も一切ないどころか賞味期限すら表記されていない。控えめに早めに食べることを促す文言が裏面にプリントされているたけである。

こんだけ…?

これは急いで食べたほうが良いのでは…?と、翌日にあたる旅行中の今朝、朝ごはん代わりに食べてみることにした。
血糖値スパイクさんこんにちは!

内地のどら焼きを直接足を運んで購入したのは、実は初めてなのだ。
なぜかちょっぴり緊張しながら袋を開けると、ふんわり優しい香りがした。
ご店主さんによると、平泉界隈では手作りから販売まで自社でおこなっているお店はもうこがね屋さんと他に一軒しかないそうで、こがね屋さんのどら焼きは他では販売されていないとのこと。
偶然の出会いに感謝するより他ない。

皮はしっとりと甘さ控えめ。
少し粗めに感じるが、口どけはしっかりしつつも悪くない。

見た目はいつものどら焼きと変わらないんだけど…

特筆すべきは餡!
甘みの少ない粒あんだが、あまり煮詰めていない硬めの小豆がゴロゴロと粒を残してる感じは初めての経験で、おもしろ美味しかった。
さくさくとした豆の歯ごたえがしっかりめの生地とよく合う。
餡も皮も、総じて甘さは控えめ。
素朴で上品な小ぶりどら焼きなのでした。

ぜひ、この古都で少しでも長く続いてほしい素敵なお店。
平泉を訪れた際はぜひ立ち寄ってみてください!
他にも美味しそうな和菓子がたくさんあったよ!

それでは、このたびはこの辺で!


いいなと思ったら応援しよう!