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◆来たぞ日本最北端!編①/ミドル夫婦の車中泊de道の駅めぐり
1.最北端アタック計画
7月27日は、父の命日である。
ファザコンだったわたしと妹は毎年必ずこの日には休みを取って寄せ集まり、在りし日の父の面影を偲ぶことにしていた。
だから今年も最初から、その予定だったのだけれど。
何を間違ったことか、休みの希望を27日に入れておいたところ、上司がそこから3連休のシフトを組んでくれてしまったのだ。
愛犬が虹の橋を渡ってからの3連休は、わたしたちにとってほとんど『車中泊のためのもの』という不文律が出来上がりつつあった。
こうなっては仕方あるまい。
父のためのお経が済んだら、その足で出掛けようではないか。
「どこがいいかな?」と夫。
「どこがいいかねえ」とわたし。
せーの、で同時にわたしたちの口から出たのは、フルの3連休でもないのにアタックするには些か不安が残る、しかしワクワクに満ちた『宗谷岬!』という単語なのであった。
ここで、前回同様に雑地図でどこらへんを目指しているのか、示してみましょう。
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はい。ほぼ北海道縦断ですね。
試しに我が街からのルートを検索してみると、高速道路と一般道の差はほんの30分程度で、遅くともNO休憩で行けば7時間15分で辿り着ける、という寸法らしい。
んっんー。
7時間。7時間言うたらね。
も少し頑張ればフルタイムの定時上がりなわけですけれどもね。
これはもう、父の命日のお経がある3連休初日にはある程度のところまで進んでいなければいけない気がする。
「えー!旭川から向こうは行ったことないから景色とか見たぁーい!」などと甘え腐ったことを言っている場合ではない気がする。
ともあれ、27日は無事父の命日のお経も終わり、「はぁ~?今から宗谷岬!?あたまだいじょぶなの!?」と呆れる妹一家を尻目に、我々はスタートラインに立ったのであった。
2.目指せ!日本最小の村
「イカれてんな、とは思うけど、車中泊の参考にどんな装備かは見たい」と興味津々かつ若干失礼な妹一家に車内を見せて、いよいよ出発の運びとなったのは初日の午後14:00前のこと。
前述したように時間にすると30分ほどしか到着時間が変わらないという検索結果だったので、高速代を惜しんで出来るだけ一般道を使い、最北端を目指すことにした。
初日でここまで行けたら勝確だな!とアタリをつけたのは『日本最小の村』として知られる人口800人ちょいの音威子府村の道の駅。
Googleマップでは、ここから4時間41分かかることになっている。
寄り道しないで行けば19時前に到着できる計算だが、お風呂は済ませてきたにしても晩ごはんは何処かで摂らなければならないので、何だかんだ遅くなるに違いない。
しかし『チェックイン時間』などというしゃらくせえもんを気にしなくていいのが、車中泊の数ある良いところのひとつだ。
まぁ多少寄り道したって21時前後には着くだろう!と踏んで、とりあえず旭川までは一目散に走り続けた。
旭川へは、わたしも夫も一応行ったことがある。
わたしは10年近く前に一度だけ、なぜか猛吹雪の中で旭山動物園を訪れた。
夫は数年前、同級生の葬儀で旭川に行ったはずなので、未踏の地ではないにせよ、双方それほどゆっくりと観光できたわけではない。
今回もまた通過点となってしまう旭川市街は改めて道の駅めぐりで散策するとして、まぁご飯くらいは食べて行こうよ、と旭川ラーメンのお店を調べてみたところ、間近に【梅光軒】さんというラーメン屋さんがヒットしたので、いそいそと足を運んでみた。
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こちらのお店は何と昭和44年創業とのとこで、旭川市民が選ぶ「旭川ラーメン大賞」の初代受賞店に輝いたこともあるという老舗中の老舗。
初めての旭川ラーメン体験にはまずまずぴったりのお店だったのではないだろうか。
見た目は結構こってりに見えるけれども、食べてみるとそうでもない。
チャーシューは 最近では珍しい むしっ!むしっ!と噛む食べ応え系。スープが少し塩辛い印象はあったけれど、まぁまぁ美味しく頂きました!
さぁ、ここからあとはひた走りに走って目的地を目指す。
…で。
どこくらいまでだったかなあ。
旭川を過ぎてしばらくはまだ少し明るくて、初めて見る景色にキャッキャとはしゃぎながら車を走らせていたと思うんだ。
我が町方面では全く見たことのないホームセンターの【BESTOM】の看板とかにはしゃぎながらね。
でも、陽が落ちてどんどん山道に入りだすと、少し怖くなってきた。
え…?この先に本当に街があるの?ってくらい、他の車とすれ違わない。おまけに街頭も少なめでさ…。
まぁ夜だから仕方ないにせよ、道の駅のあるところ大抵車は激混みに混み合っているものだ、という先入観があった。
ここで合ってんのかな…という不安もないではないが、ナビに過ちなどあろう筈もない。
そうか…これが道北ってやつか…!と慄いているうちに、車はとうとう音威子府村に到達したのであった。
村に入って間もなく、道民の心のふるさと【セイコーマート】こと【セコマ】の看板が顔を出した。
そういえば、かなりの距離のあいだコンビニを見かけていなかった気がする。
まぁとにかく今夜の飲み水や明日の朝のコーヒーなどをゲットしようではないかと、我々は音威子府村のセコマに降り立った。
……てか、虫すっっっご!!!!!!!
確かに延々と山深い道を走ってきたわけだが、それにしたってこんなになる!?というくらいセコマは虫にまみれていた。
そう。一瞬店に入るのを躊躇するほどに。
えー…何と形容すれば解るだろう。とにかく多分『コンビニに虫が集まっててさー』という話を聞いた場合に想像する8倍くらいは虫がたかっていると思ってください。
後で判ったことだが、この界隈でもたった一軒のコンビニらしい。しかも時刻は夜の22時近く。
そう。山全体にとって、このコンビニは集虫灯のような役目を果たしてしまっているのに違いなかった。
何しろ界隈に一軒しかないコンビニと来れば、むしろ開いていただけでも感謝しなければならないレベル。
とにかく虫を触らないようにおっかなびっくり開き戸を開け、ささっと中に入る。
しかし、中もまたそんな気遣いが無駄に思えるほど、そこらじゅう生きた虫と死にかけた虫と死んだ虫がお祭り騒ぎ状態なのであった。
従業員さんかわいそすぎる(泣)
多分あれだけの数の虫、毎日掃除するだけでも相当に骨が折れることだろう。虫が無理なら絶対務まらないコンビニである。
ともかく、何とか虫の間を縫って必要なものをGETし、わたしたちは【道の駅 おといねっぷ】へと車を急がせたのであった。
かくして到着した【道の駅 おといねっぷ】には、驚くべきことに車が1台しか停まっていなかった。
この日は土曜。到着したのが夜の22時だったことを差し引いたとしても、かつてこれほど人の気配がない道の駅にお目にかかったことがない。
天気はあいにくの小雨で、あまりにひと気がないのも寂しかったが、今から次の道の駅を目指したところで、そこが人で溢れている可能性は極めて低かろうと思われた。
見たところトイレも24時間でそれほど汚いというわけでもない。
とりあえずわたしたちは、今夜のねぐらをそこにすることに決めた。
最北端を目指すにあたって決めてきたのは、前回の駆け足旅の反省も踏まえて、まず見どころが多いだろうと思われる稚内近辺は、できるだけゆっくり見たいということ。
なので、今日はどうしても音威子府までは進みたい、という目標は達成できた。
何しろ日本最北端。そう易々と来られる場所でもなければ、二度目があるかは甚だ疑わしい。
とにかく初めて目にするオホーツク海。宗谷岬。肉眼で確認できるという樺太や島々。それらをしっかり目に焼き付けるべく、なるべく楽しんで行こうじゃないか!と再確認した。
ちなみに余談だが、今回の旅からはnoteにメモを取るようにした。
行く先々であったことを口語で箇条書きにして保存し、それを元に書いている。だからきっと前回までよりはマシなものになってると思うんだ!
いや。うん。そう願いたいと思う。
翌朝の音威子府村は、前日に引き続き雨がそぼ降るあいにくの天気だった。
しかし、前夜はほとんど窺い知ることの出来なかった周辺の景色はなかなかに壮観で、道の駅も思ったほど小さくはない。
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わぁ~!キレイだね~!ほんとにこんなとこまで来たんだねー!と窓からの景色で感慨に耽っていると、ここで連続して悲しい事件が起きた。
何とこの雨の中、靴を片方車の外に落としたまま寝ていたのである。
車中泊民の皆さまはくれぐれもお気をつけください!
たまに駐車場に枕みたいなのとか、腰に入れるクッションとか、靴下とか子どものサンダルとか落ちてて「自分は絶対ねーな」と思ってたけど、ある。あります。
寝る前には必ず何も落としてないかチェックしましょう(泣)
そしてもうひとつ。本当にお詫びしなければならないこと。
【道の駅 おといねっぷ】様、申し訳ありません。
車中泊禁止の道の駅とは知らず、夜中に着いたために看板もきちんと確認せず、一泊させて頂いてしまいました。
この場をお借りしてお詫び申し上げます。
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今回この画像を確認していて、国交省のお達しで基本道の駅は「宿泊はご遠慮頂いている」という旨を初めて知りました…お恥ずかしい。
だからネットで調べてると「ここは宿泊OK」とか書いてあるんだなあ。
そしてそういうところも、ご厚情で何となくOKな流れになっている…みたいな感じなのでしょうね…。
どうりでうちの他には1台しかいなかったわけだ…。
次からはもっとちゃんと前もってしっかり確認したいと思います。
改めて申し訳ありませんでした。
3.【道の駅 ピンネシリ】⇒【道の駅 マリーンアイランド岡島】⇒【道の駅 北オホーツクはまとんべつ】⇒【道の駅 さるふつ公園】
しっかりと宿泊禁止を掲げているところへ泊まってしまったという失態に若干凹みつつ、思わず逃げるようにしてスタンプだけ押して音威子府を後にしてしまった。いずれにしても帰路は絶対にまた通る場所なので、その時に何か買ったりしようと言い訳しながら車を進める。
【道の駅 ピンネシリ】は、【道の駅 おといねっぷ】から中頓別町を通る国道275号線を30分ほど北上した、ピンネシリ岳のふもとにあった。
そこへ向かう道すがら、初めて見る景色をぼんやり眺めながら走っていると、中頓別町の道沿いに突如として激シブの建物が姿を現す。
一度華麗にスルーしてしまったが、いなてえ建物や廃墟大好きな夫がすぐさま「戻ろう」とUターンすると、そこには【国登録有形文化財・旧丹波屋旅館】さんが建っていたのでありました。
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何しろ百年ほど前に建てられた旅館らしく、中に入ることはできないけれど、外観だけでもかなり見応えがありました。
あと、周辺には廃線になってしまった路線の駅なんかも残っていて、なかなかに趣深い。
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全体的にかなり廃れてしまった空気が漂う道だったけれど、それがまた諸行無常感というか…独特な味となって郷愁を運んでくるような…そんな道なのでした。
さて、旧丹波屋さんのある道をさらに走り続けていると、すぐそばに何やらでかい山が見えてきた。
土地勘もなく地形もイマイチ解らない我々は、すぐにナビでその山の名前を確認した。ナビには【敏音知岳】とある。
「何て読むの…?」「びんおんち…?びんおんしり…?」「もしかしてビヨンセじゃん…?」などとアホなことを言い合っているうちに「びんおんしり…?びんねしり…?はっ!!ピンネシリかー!!!」という正解にやっとたどり着いたのだった。
アホですね!!
ていうか『敏音知』=『ピンネシリ』て。
読めるかー!!!
朝9時前に辿りついた【道の駅 ピンネシリ】は、基本的にピンネシリ岳の登山客向けの受付施設と併用で、裏手は宿泊施設っぽいものも見て取れた。
またしても外観を撮り忘れるという失態を犯してしまったが、大型ログハウスのような豪華な造りで、外観はなかなかに迫力がある。
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建物のすぐ裏手には登山道入り口と思しき鳥居が建っていたが、これはピンネシリの頂上にある神社?だかお社??だかのものだそうで、鬱蒼とした森の入口に真っ赤な鳥居が立っている風景は、YouTubeの怪談系チャンネルなんかに出てきそうな風情で、こちらもなかなかに雰囲気があったのでした。
まぁ、ここまで来るとオホーツク海はもう目前と思われた。
なので、できるなら食べ物は大好物のホタテを売りにしている道の駅で食べたい。
若干の申し訳なさを噛み殺しつつ、こちらもスタンプだけ押して通過した。
何しろ、わたしたち夫婦は2人とも北海道で生まれ育ったにも関わらず、一度も【オホーツク海】というものの片鱗さえ見たことがないのだ。
「できるだけのんびり行こう」などと言いつつ、気持ちは明らかに逸っていた。
本当なら、国道をそのまま北上して【道の駅 北オホーツクはまとんべつ】を目指したいところではあったが、それだと次回に回すには微妙な場所にある【道の駅 マリーンアイランド岡島】を取りこぼしかねないので、いったん国道275号線を音威子府方面に戻り、道道12号線の分岐を、オホーツク海方面へ曲がってゆく。
実際に走ってみて解ったことだが、この辺は想像していた「オホーツク海沿岸へ至る道」とは、全然違っていた。
まず、とにかく山深く、意外なほど高い山が多い。
自分が地理音痴な上に勉強不足なこともあるが、日高山脈の麓に位置する我が町とは違い、北の方はもっとなだらかな地形をしているものだと思い込んでいた。
とにかくスマホの電波も切れ切れな山道を、ひたひたと走っていく。
途中には、離農した農家と思しき廃墟や廃屋が至るところに点在していた。
やがて、ナビ上の現在地がどんどん海岸線へと近づいて行き、山が開けたかと思うと、突然広大な牧草地群が眼前に広がってくる。
思わぬところで出会った牛の群れに、一昨年和牛農家を離農したばかりの夫は、若干遠い目をして黙り込んでしまった。
まもなく、海へ向かう道は直線となり、朝は小雨が降っていた空もおあつらえむきに快晴。
我々のテンションはここまでの全てをさておき、初のオホーツク海に爆上げとなった。
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ここに来る前、夫は誰から聞いたものか「オホーツク海って、こっちの海より黒いらしいよ」なんてことを口にしていたものだったが、そんなことは全然なかった。
夏の海はどこに居たって、広く青く、爽やかな風が吹いているのであった。
そのまま進んだ道道12号線の突き当りにある国道238号線を、少しだけ南下したところに【道の駅 マリーンアイランド岡島】はある。
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完全にオホーツク海に面した道の駅で、ちょっとはしゃいだ感じのする船の形をした外観は、旅行気分をさらに浮き立たせてくれた。
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中は他の道の駅と同様おみやげ品や軽食を扱う売店やちょっとしたレストランがあり、このあたりから早くもお土産品が宗谷岬売りになってくるのを微笑ましく見つめながら、とりあえず枝幸産のホタテスモークを購入してみる。
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あと、建物の入口付近には、何年か前に話題になった毛ガニや特産品が当たるガチャガチャが置いてあった。
こういう面白い試みに挑戦している道の駅を見ると、何とかして自分たちの力で地域を盛り上げよう!という気概を感じて本当に嬉しくなるのだ。
しかし「帰りにやってみようよー!」と話していたにも関わらず、ホタテの美味さとオホーツク海のキレイさにテンション上げてるうちに、うっかり忘れてそのまま帰ってしまったのは、毎度ながらアホの極みとしか思えない。
もーほんとにちゃんとしろ自分!!
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さて、ここからはひたすらに海岸線を走る国道238号線を北上するだけの簡単なお仕事になった。
次なる目標は【道の駅 北オホーツクはまとんべつ】である。
【マリーンアイランド岡島】からは北へ約40分。ここからはずーっとオホーツク海を拝みながら走れるなー!と、浮かれ夫婦は上機嫌だった。
ところが、いざ国道を北上し始めると、いたるところに防風林のようなものがあり、オホーツク海はあまり見えなくなってしまった。
少し残念ではあったが、わたしたちが住んでいる道南よりも格段に寒いこの地域で、海から直接風が吹きつける道路は、冬にはやべえくらいの悪路になるであろうことは容易に想像がつく。
途中、道路の上にアーチ型のフードを被せたような『スノーシェルター』と呼ばれるトンネルのようなものがあり、それが冬の雪や強風をしのぐための安全装置だということを知った時、日高とは気候が根本的に違うのだな…ということをまざまざと思い知ったのであった。
そんなこんなで【道の駅 北オホーツクはまとんべつ】へ向かう道の途中、わたしたちはまたしても不思議な建物を見つけてしまった。
遠目に見るとお城のような…北竜町で見た温泉施設のような…とにかくレンガ色をしたバカでかい建物である。
また「何だろ!行ってみよ!病」を発症し、わたしたちはそこへ至る道を折れ曲がった。すると、ポケモンGOの画面には『オホーツクミュージアムえさし』というポケモンジムが堂々と表示されている。
この道の駅旅で少しずつ学んできたことだが、とりあえず『博物館』と名のつくところは道の駅と同じくらい郷土に根差している確率が高いので、時間が許すのならばできるだけ入ってみた方が楽しい、ということが判ってきた。
こちらの【オホーツクミュージアムえさし】も寄って大正解!
界隈の歴史や生態系、地質や文化形成など、ありとあらゆる情報がさらりと詰まっている上に、入場無料という太っ腹さ加減なのであった。
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思わぬ寄り道になってしまったけれど、ここは本当に寄って損はない施設だったので、特に化石や古代にロマンを感じる人は必ずお立ち寄り頂きたい場所としてご紹介しておきます。
売店で買ったオリジナルトートバッグも可愛かったよ!(洗濯して今しわしわ状態なので画像がなくて申し訳ない)
さて、楽しい寄り道も終わり、本線への復帰。
しかし雲行きはここで再び少しずつ怪しくなってきた。
とは言え、ここは道北。ちょっと引いてしまうほどの直線道路沿いに立ち並ぶ風車を見ながら、低く雲が垂れこめた荒涼とした野を駆け抜けていくのも、それはそれで味がある気がしてしまう。
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他に珍しかったのは、ほとんど民家や店舗が見当たらない道沿い、たまに出現する家屋のほとんどには、驚くほど高い塀が張りめぐらされていたこと。
日高地方であれほど高い塀を備えているのは、侵入者を警戒する工場や富裕層の住宅くらいではなかろうか。
同じ北海道なのに、風土によって住宅の形が変わるという経験は多分初めてだったので、しみじみと感心してしまった。
そのまま風車の立ち並ぶ異国感あふれる情緒的な道をゆくと【道の駅 北オホーツクはまとんべつ】にたどり着く。
ここは【浜頓別交流館】という地元のコミュニティセンターや商工会と併用になっていて、観光に全振りという感じがしない。
ちょうど移住者向けの説明会を開催していたようで、お役所の受付窓口みたいな雰囲気になっているスペースもあった。
お土産品や飲食物も少しは置いてあり、中でもパン屋さんがかなり美味しそうではあったけれど、まぁパンはどこでも食べられるので我慢した。
近隣にはクッチャロ湖があったりするので、どちらかというと観光客というよりは、地元の憩いの場になってるんだろうなぁ、という印象でした。
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本当は、夫はクッチャロ湖に寄りたかったようだ。
しかし寄り道したこともあって、この時点で既にお昼近かった。
そしてまた、わたしの空腹も限界に近かったのだ。
密かに決めていた今日のお昼の目当ては、猿払村の道の駅のホタテ。
わたしの「ホタテが食いたいんじゃー!!」という魂の叫びを察し、夫はそっと進路を【道の駅 さるふつ公園】に向け直したのだった。
ここまでの道の駅めぐりを振り返ってみると、一番印象に残っていたのは、まず他の地域に比べた時の『圧倒的な人の少なさ』
「ここにしかない風景」の連続に、観光的満足度は比較的高い環境だとは思うのだが、住環境の過酷さが人の定着や物流の発展を妨げているのか、コンビニやスーパーを含めた商業施設の少なさは不便感をことあるごとに煽ってくる感じだ。
『日本最北端の地』となると行ってみたい想いはあっても、高速道路もあんまり整備されていない、商業施設もそれほど多くない、子供が喜びそうな目ぼしいリゾートもないとなると、お子さま連れとかはなかなか観光先に選ぶのも難しいのかもなあ。
そういえば、修学旅行生と思しき学生さんを除けば、お子さま連れを本当に見かけなかった。
あとは、とにかく延々と続く夏にも関わらずどこか荒涼とした風景。
結構スピードが出ていても、めちゃくちゃゆっくり走っているように感じるほど。
道北の道はとにかくスピード感がバグるので、運転の際はお気をつけください。雄大な自然の中をゆったりと走っているのに、空気を読まない鹿がしばしば飛び出してくるよ!
さて【道の駅 北オホーツクはまとんべつ】からそのまま国道238号線をさらに30分ほど北上すると、まもなく【道の駅 さるふつ公園】が見えてくる。
進行方向に向かって右側には『いさりの碑』という石碑が立てられた公園、左側にはレストランや道の駅を備えた商業スペースがあり、ここはこれまでの道の駅で一番賑わっていた。
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ここら界隈はホタテの国内シェアをほとんど占めているというだけあって、道の駅は当然のごとくホタテ推し推しの推し。
事前に調べておいたホタテ丼を楽しみにしていたのだが。
何と。昼ちょっと過ぎにして既に売り切れですと!!(号泣)
わぁあああん!!!一番楽しみにしてたのに!!してたのに!!してたのにぃいいいい!!!と足をバタバタさせて地面を半径3メートルくらいで転げ回りたいくらい悔しくて悲しかったのだが、もうアラフィフなのでぐっと我慢した。
もしかすると、震えていたかも知れない。
そんな妻を見るに見かねて、夫がホタテ飯のおにぎりを買ってくれると言ってくれた。
しかしこれもハイ!!売り切れー!!!\(^0^)/
もう泣き喚きたい気持ちを通り越して虚無になったわたしに、夫はそっと残り2個しか売っていなかった『ホタテめし』と『ホタテフランク』を差し出してくれたのでした。
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あと画像は撮り忘れてしまったけど、ここのホタテ串は過去食べたどのホタテ串より美味しかった。大粒で生臭みも一切なく、貝柱の甘みが濃厚。
もうひとつ、特筆すべきは『コケモモソフト』
これがめちゃくちゃおいしー!!!程よい酸味が爽やかで、わたしはミックスを食べたのだけど、濃厚なミルクとそれが相まって神バランス。
猿払村の道の駅に行ったらぜひ食べて欲しいやつなのでした。
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こうしておなかもいっぱいになったわたしたちは、いよいよ宗谷岬までの残り少ない道のりを走り始めたのでありました。
それでは、このたびはこの辺で!!
次回は宗谷岬到達から稚内周辺めぐり、帰路に寄った道の駅のおはなしでお会いしましょうー!