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◆どら焼き備忘録/100個目を終えての中間所感
100個目のどら焼き備忘録を書き終えた今、胸の中には僅かな達成感と、これからもまだまだ続くであろう果てしない道のりへのワクワク感が去来している。
今日はせっかくなのでどら焼きに纏わる雑談も交え、ここまでの段階で忘れられぬ味となったいくつかのどら焼きをご紹介していこうと思う。
①畑田本舗『どら一』/衝撃の出会い
あれはどれくらい前だったか。もう、かれこれ10年近く昔だったのではないかと思う。
あの日は確か、母を遠方の病院に連れて行ったのだ。
その帰り道、北海道民の心のふるさと・セコマ(旧セイコーマート)に立ち寄った。
特に欲しいものはなかったが、飲み物だけ買って車に戻ろうとした刹那、レジ横に見慣れぬパッケージの和菓子が鎮座されているのが目に入った。
それが、四国は愛媛県に本社を置く【畑田本舗】さんの塩バターどら焼き『どら一(どらいち)』であった。
何の気なしにあの魅惑の皮をひとくち齧った時の衝撃は、どう表現しても伝わる気がしない。
そもそも、あの頃のわたしは生クリーム原理主義で、和菓子になどおおよそ興味を抱くことはなかったのだ。
多分母の病院で些か疲れていたのと、バターが大好物だったのと、珍しい組み合わせのスイーツを見かけると買わずにおれない性分がたまたま合致したのだろう。
ともあれ『どら一』との出会いは、わたしの中のどら焼きのイメージを一変させた。
ふわっふわでいて、しっかりと和菓子感も備えたきめ細かい皮。そして濃厚とあっさりの間を絶妙に揺蕩う安定感のある中道あんこ。そして伯方の塩を使用したのだという、エッジの効いた塩味を含むこってりとしたバタークリーム。それらが波状攻撃からの見事なユニゾンとなって味覚をぶん殴ってくる。
それでいて『どら一』の味わいは決して暴力的ではない。
全てが優しく心地よく、まったりとした幸せとなって全身を包み込んでくれるのだ。
ともあれ、初めてこのどら焼きと出会った日は、町中のセコマというセコマを巡り歩いて『どら一』を買い占めた。
今にして思えば、なぜセコマが畑田本舗さんの商品を一時期だけでも置くに至ったのか知る由もないが、以後、セコマでどら一を見かけることはなくなった。(その代わり、畑田さんのスイートポテトは時々見かける)
その後、セコマではオリジナルのどら焼きを数々販売することになるので、もしかすると内地で人気のどら焼きで売れ行きのシミュレーションをしていたのかも知れない。
どら一を店頭で買えなくなったわたしは、以後数年にわたり、四国から送料四千円弱をかけて、年に一度お取り寄せをするようになった。
毎度暑苦しいほどの熱量のメールを添付していたので、スタッフさんたちに引かれていないことを祈るばかりである。
ちなみに、現在ではかなり認知度も上がったせいか、某有名スーパーの物産展や、有名銘菓を扱うデパートなどでも時々見かけるようになった。
一番驚いたのは、札幌に向かう途中にあるSAで売られていた時だが、見かけるたびに10個単位で購入しているので、このレビューは100個目となっているけれど、数にすれば1.5倍くらいは食べている自信がある。
さて。
のっけから気持ち悪いと思った方もいらっしゃることだろう。
しかし、まぁ食えばわかる。
「塩バター」「あんバター」などの単語にレーダーが反応してしまう方なら、絶対にお解り頂けることと思う。
『どら一』は暑い季節には販売しないデリケートな商品なので、ぜひ一度お試しいただきたい。
そんな『どら一』のレビューはこちら⬇️⬇️⬇️
②菓夢in『どら焼き』/夫が見つけてくれた小さな名店
続いては、札幌市手稲区にある小さな和菓子屋【菓夢in】さんの手焼きどら焼きだ。
こちらは手稲の病院に通っている夫が、病院までの待ち時間を持て余した時に偶然見つけた和菓子屋さんで、そういえば最近嫁がどら焼きどら焼きうるせぇな、と思って飛び込んでみたというのだから、騒いでみるものである。
実を言うと、わたしはまだ実店舗にはお邪魔できていないのだが、夫はあれから病院に行くたびに菓夢inさんのお菓子を買ってきてくれるようになった。
人気商品のどら焼きが夫の病院終わり時間まで残っているのは稀で、運が良くても買えて2個くらい。したがって、まだお土産として人様に布教することもできていないという人気ぶりである。
ちなみに、レビューでも触れたけれど、こちらも他のウマい和菓子屋さんのご多分に漏れず、何を食べてもハズレがない。
とりわけ、どら焼きと人気を二分しているらしき『白胡麻餅』は絶品だ。
ぜひとも午前中に来店して、食べてみたいものはすべてゲットしてください!
正直、ここは今のところ道内No.1とさえ思っている。
そんな【菓夢in】さんのどら焼きレビューはこちら⬇️⬇️⬇️
③丸基屋きのすけ&吉野屋『どら焼』/岩手で出会ったしっとり系とふわふわ系の双璧
昨年、何を思い立ってか突発的衝動的気まぐれ新幹線旅行を敢行した際、奥州藤原氏の権勢を偲ぶべく岩手県へと足を運んだ。
当然のごとく、滅多に赴く機会のない本州上陸、持ち帰ってくる自分用お土産はどら焼き一色。
このマガジンでもくり返し語ってきたように、岩手はどら焼き天国だったのだが、中でも深く感銘を受けたものをふたつご紹介しようと思う。
③-1.丸基屋きのすけ
わたしはどら焼き備忘録のデータ部分を書くとき、パッケージの後ろにある製造者のところを見て記入している。
なので、こちらのどら焼きもおそらく【丸基屋きのすけ】と記されていたのだと思うのだが、今改めてネットで検索してみたところ、同名の菓子店は存在せず、代わりに【双鶴本舗 丸基屋】というお店がヒットした。
所在地が同様だったので、おそらく同じお店だと思われるため、一応製造者表記のままで進めていこうと思う。
こちらのどら焼きは、全てにおいて辛口評論な夫をして「ふわふわ系の最高峰」と言わしめたものだ。
詳細はコチラからどうぞ!!
③-2.吉野屋
岩手の双璧としてご紹介するもうひとつのお店は、平泉の【吉野屋】さんだ。
某有名牛丼チェーンと名前の響きは同じだが、こちらは奥州平泉で110年の歴史を持つ老舗。
丸基屋さんがふわふわ系の最高峰とすると、こちらはしっとり系の最高峰とでも言うべきか。
とにかく小ぶりの中にぎゅっと美味しさが詰まっており、それがおくちの中でほろりと崩れる瞬間は堪らなかった。
詳細はぜひコチラからお確かめください!!⬇️
何度も言うけれど、岩手旅では美味しいどら焼きとしか出会わなかった。
まぁ他の県と比べてみたことがないから解らないが、盛岡駅の一階『おでんせ館』は是非ともみなさま一度行ってみて欲しい。
④青木松風庵『朝焼きみかさ』/大阪大手の底力
去年の6月。愛犬との今生のお別れに打ちひしがれていた時、大阪のお友達がわざわざ送ってきてくださったのが、この【青木松風庵】さんの『朝焼きみかさ』である。
関西ではどら焼きのことを『みかさ』と呼ぶらしいというのは知っていたが、実際にそんな表記をしているどら焼きと出会うのは初めてだったので、そこから大層わくわくした記憶がある。
しかも大手メーカーさんの商品なのに「朝焼き」の名を冠し、賞味期限もかなり短め。そりゃ期待も高まるってものですよ!
結果として、お友だちの愛がこもったこちらのみかさは期待を裏切らない美味しさだったので、今回は関西代表的に推しとして選出いたしました!
青木松風庵さんは大阪を中心に幅広く展開されているお店のようなので、関西圏の方にはきっとお馴染みかと思われますが、まだ食べたことのない方はぜひ!
詳細は以下からどうぞ!⬇️⬇️
⑤もりもと『本店限定どら焼き』/あんこぎっしりのド直球
初めて食べたとき、実を言うと心の底から「これがわたし的には過去最高のどら焼きだー!」と思ったことを告白しておく。
なので、今回もそう紹介するつもりだったのだが、100を超えるどら焼きを食い尽くしてきた今、軽率に「過去最高」を進呈して良いものか悩んでしまったので、もう一度買いに行ってみたのだ。一昨日。
![](https://assets.st-note.com/img/1737388987-CfD6wYisNxVMchvPuEynSKpz.jpg?width=1200)
結論から言うと、最高!と叫ぶ部類には間違いなかったけれど、並び立つどら焼きも結構あると思いました。
でも、あのもりもとが『本店限定』と売り出すだけの価値はたっぷり詰まってる。
このどら焼きは、改めて食べてみると、まずあんこの多さに慄いた。
正直、フォルムを見た時はハッキリと「え…あんこ多すぎん??」と思ったのだ。
しかし、食べてみて「あ、そっか。あんこ美味すぎるんだ」と思い直した。
そう。これはあんこを心ゆくまで楽しむどら焼き。
そして、何しろあの【もりもと】なんだもの。皮も全然負けてない。
まぁ、あんこがお好きな方はとにかく絶対に一度食べてみて欲しい。
午前中に売り切れることも少なくないので、少し早めに足を運んでね!
おわりに
そんなわけで、ここまでの100個で特に印象深かったお店を6店ご紹介してみた。
本当は、他にも札幌の【嘉心】さんとか、網走の【網走千秋庵】さんとか、北見市の【菓子處 大丸】さんとかも入れたかったんだけれども!!
全部語りだしたらマジで一万文字余裕で超えてしまうので、あとはレビューをご覧頂けると幸い。
あと、お気づきの方もいらっしゃるかも知れませんが、実を言うと特にオススメしたいどら焼き備忘録には、地味な印がついている。
ご興味を持たれた方はマガジンをご覧になってみてください。すぐにわかると思うよ!
2024年の4月から始めた『どら焼き備忘録』も、9ヶ月目を数える今、とうとう100を超えてしまった。
平均すると一ヶ月に10個以上はどら焼きを食べてたことになるけれど、実際はリピがあったり、備忘録には記載してない変わり種も結構食べてるので、多分もっと食べているのだろう。
単純に「どこの何を食べたか覚えていられないから」という理由で始めたこのレビューだけれど、実際に始めてみると案外「ここのはもう食べた!」とか「あ!見たことないどら焼きだ!」などと、食べ物方面にだけはやたらと発揮されるわたしの記憶力に夫は慄き、妹は呆れていたが、つまりそれほどまでに『どら焼き』という和菓子には奥深い魅力が備わっているのだとご理解頂ければ幸いなのです。
2025年1月20日現在、まだアップしていない分まで含めると、記事は既に110個目を数えた。
何が怖いって、関東圏や四国・九州はまだほとんど未開拓なんだよね。
これからまた少しずつ、あちこちの美味しいどら焼きに出会えたら嬉しい。
そしてもし、皆さんのオススメどら焼きがあったら、ぜひ教えて頂きたいのです。
更に言うなら、わたしのこの拙い記事で誰かが「あ!ここの美味しそう!」って、どこかのお店のどら焼きを手に取ってくれたら最高だなあ。
それでは、このたびはこの辺で!
また、200個目の所感でお会いしましょー!!