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❖どら焼き備忘録 76個目/網走千秋庵(網走市) 〜大看板の名残りを背負う老舗の味〜

◆店名/網走千秋庵(網走市)
◆品名╱どら焼き
◆サイズ╱中

網走方面へ車中泊旅行に行った際、晩ごはんのために立ち寄ったお店を後にしようとした時、偶然「手焼きどら焼き」ののぼりが目に飛び込んできた。
すでに走り始めていた車を無理矢理「停めて!」と停車させ、走ってたどり着いた小さなお菓子屋さん。
ショーケースの特等席には「網走千秋庵」と大書されたどら焼きが鎮座していたのだった。

千秋庵と言えば、あの銘菓『山親爺』と『ノースマン』で有名な、近年では『巴里銅鑼』のヒットも記憶に新しい北海道の老舗有名菓子メーカーである。
思わず「千秋庵って…あの…?」と呟くと、言い終わるか終わらないかのうちに「違います!」とピシャリ遮られた。
仕方なく「あ…すみませんじゃあ同じお名前なだけなんですね」と慌てて繕うと「でも全く関係ないわけでもありません。昭和の初期に暖簾分けして頂いたと聞いてます」とのこと。
ぬぁーにぃー!?そんなレア情報初めて聞いた!

俄然興奮しながら「えー!すごいですねー!」と驚くと、またすかさず「かと言って味は継承していません。このどら焼きはうちのオリジナルです!」とピシャリ。とにかくこちらのご年配の女性スタッフ、圧がすごい。
「あ、あ、じゃあ独自のお味なんですね!そのほうが嬉しいです〜」とゴマすりぎみに更に繕うと「別に暖簾分け当時の味をそのまま守り続けてるわけでもありません!」って。さすがにこの辺からはわたしも草が生えだした。
もう完全に半笑いで「じゃあ新しいお味なんですね」とお伝えしたら、なぜかこの時だけお母さん、鼻先でフンッと笑って「新しいったって、もう昭和40年代からの味ですけど」とお答えくださったのだった。

さて、そんな忘れられないやり取りを展開した網走千秋庵さんのどら焼き。

見た目からアタリの予感はしていたのだけれど。

あー!これうまいやつだ!!
と、ひとくち目から叫んでしまった。
やん!久々のヒットー!

皮は完全にわたしがこよなく愛する口どけ最高のほろりふわり皮。しっとり感もきっちり含んでいる。ちょい甘め。

これはほんまにうまいやつ!食べてほしー!

餡は案外粒は少なめだが、豆の味わいをしっかり残す濃厚つぶあん。
甘さは控えめで、皮の甘さとベストバランス。
これだー!これだよわたしが求めているやつはー!

ほんとにね。
もうお母さんの圧ある接客も老舗のプライドを感じさせる全然素敵接客に思えてくるからゲンキンだよね!
でもマジでそれくらい美味しい。

寄ってよかった名店です。
【網走千秋庵】の名をぜひ脳裏に刻んでください。

ちなみに、自分はどら焼きしか目に入らなかったので気づかなかったのですが、こちらのお店はケーキも美味しいらしいですよ!

それでは、このたびはこの辺で!


◇生地
香ばしさ★★★★★★☆☆
しっとり☆☆☆☆★☆☆☆ふわふわ
ほろり    ☆★☆☆☆☆☆☆しっかり
甘め        ☆☆☆★☆☆☆☆甘さ控えめ
◇あんこ
豆の風味★★★★★★★☆
つぶあり☆☆☆☆☆☆★☆つぶ弱
濃厚        ☆★☆☆☆☆☆☆あっさり
甘め        ☆☆☆☆☆★☆☆甘さ控えめ
塩味あり☆☆☆★☆☆☆☆塩味なし

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