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◆ミドル夫婦の車中泊de道の駅めぐり 〜函館方面編②〜

この記事は、初めての車中泊旅で行った函館方面の道の駅めぐり編・第2弾になる。
前記事はコチラ!⬇️⬇️⬇️

 ところで、前記事で書き忘れたのだけれど、初日は函館にある家族風呂【花家族】さんのお世話になった。
スタッフさんのお気遣いが素敵で、とってもリーズナブル。脱衣所に設置してるドライヤーがばちくそに弱いことを除けばまぁまぁ良かったよ!
車中泊旅民はお風呂道具とドライヤー装備で行ってみてもいいかも。

 そして今回の函館の第一印象は、全体的にものすごく人柄がいい街だなぁ、ということ。
失礼ながら見た目はコワモテの方も多かったけれど、道や順番を譲られることも多かった。
基本接客もフレンドリーで嫌味がなかった気がする。
 さすが一大観光都市!と言いたいところだが、観光都市でもそうじゃないところはたくさんあるのだ。
なのでやっぱり、あの人柄の良さは函館の風土が育んだものなんだろうなぁ。

 さて、そんなこんなで2日目は、当初から「とにかくゆっくり函館を見て回ろう!」と計画していた。
 絶対に外したくない目的地は3つ。
函館朝市と五稜郭、そしてハリストス正教会。
あとは時間とノリで見るものを決めていこうということになった。

1.函館朝市はマンパワースポットなのだ

 前日に街ブラをした時には、当然ながら朝市スペースは全部シャッターが降りていて、酷く閑散としていた。
 この車中泊以前は、愛犬のために日帰りに絞って行ける範囲の道の駅をめぐり歩いていたのだが、今の北海道はどこの街へ行ってもほぼ必ずと言っていいほど『瀕死の商店街』とも言うべきシャッター街がある。
 だから、いくら函館朝市と言えど、一体この中の何軒が朝になったら店を開けるのかな…?と、若干不安に思っていたのだ。
 わたしが訪れたことのある20年ほど前は、人波でごった返す店が所狭しとひしめいていた。
あれほどとは言わないまでも、せめて半分くらいは開いてて欲しいよなぁ…と祈りながら朝市スペースに向かったら。

 何と降りてるシャッターなどほぼ皆無。

函館さん!ナメててすみません!!」と謝罪しなければならないほどの活気に包まれており、すっかり度肝を抜かれてしまったのだった。

朝市で食べた3色丼。値段は忘れたけど美味かった記憶だけが残っている便利仕様の脳みそ。

行けども行けども美味しそうな海鮮の画像と看板を掲げる店の波の中、少しでも安くて美味しそうな店を探して歩く。
 だいたい似たりよったりだが、わたしがウニを食べられないのと、夫氏がホタテに興味がないので「うちのマグロは美味いよ!」と豪語しているお店に決めた。ちなみに店名を忘れたのは本当に我ながらバカだと思っている。ごめんなさい!!

 時刻は朝の7時前だと言うのに、朝市はもう観光客で大賑わい。それに威勢の良い店員さんの呼び込みが、活気に拍車をかけている。

 そういえば、この『呼び込み』って文化、ほんと会わなくなったよねえ。
どこの観光地もコンプラ問題やSNSでの拡散に敏感になったせいか、すっかり奥ゆかしくお上品になってしまった。
 それを思うと函館の呼び込みは、ちょっと胸を締め付けられるほどに懐かしい『古き良き昭和』を想起させた。
 結局ここでは「ちょっとお姉さん。今なら5個買ってくれたらオマケするよ」と袖を引いて囁いてきた悪役女優みたいな素敵マダムのお店のホタテ燻製と、「嘘じゃないってー!ほんっとにこれ食ったら他のメロン食えねーよー?」と怪しげな通販番組みたいな呼び込みをしているお兄さんのお店のカットメロンを買い、次なる目的地であるところの五稜郭へ足を向けたのでありました。

2.五稜郭で土方歳三の像と記念撮影するZOU

意味もなく韻を踏むサムイ導入ですまんZOU。

はい。
そんなわけで、20年以上ぶりの五稜郭に行って参りました。

駐車場からテンション爆上げていく

 何度来ても、函館戦争の舞台となったこの遺構を前にすると、何とも言えない気持ちが込み上げてくる。
 若い頃読んだ司馬遼太郎の数ある人気作のひとつ『燃えよ剣』を呼んで以来すっかり土方歳三に傾倒し、20代の頃は彼の命日が近づくと、毎年のように『土方歳三最期の地』へ足を運んでいたものだった。
 あぁ…そういえば歴代の彼氏とも来たんだっけなぁ…などと若かりし頃の幼い恋心なんかも思い出しちゃったりしてね…ドゥフフwwwって一人で思い出し笑いを噛み殺したりなんかしてね…
 いやぁ~、そんなわけで函館は実に感慨深い街なのですよ!

タワーから望む五稜郭

五稜郭タワーは展望台に登るのに1000円くらい料金がかかった。
エレベーター前は観光客でごった返していて順番待ちの状態。ちゃんと行きも帰りも売店スペースを通るようになっている。
食べ物以外のお土産品は品揃えもよく概ね満足。わたしは最近集め始めたご当地マグネット(五稜郭の形をしたやつ)を購入した。
 …ただ、何だろうなあ。タワーの2階部分に入ってたジェラート屋さんとか、某有名カレー店のカレーパン…やはりあまりにも有名な観光名所のせいだろうか…微妙だったっす。
 ジェラートは【スイーツ魔人】とさえ呼ばれたこのわたしが人生で初めて食べきれなかったほど甘く、甘さ以外の味がしないほどであった。
あとカレーパンも油がぺったりしていて味気なく、名前と店構えの立派さに比すると悲しい感じの代物なのだった。
 展示物と景観以外は、唯一函館で残念感を禁じ得ない場所となってしまった。

 某F市あたりにも言えることだけれども「先人たちの努力もしくは歴史の積み重ねによってめっちゃ有名になってしまった、今ではさしたる努力もなしに人が来る」感じの観光名所は、えてして飲食物が微妙になる傾向がある。気がする。
 もちろん、そういった名所のメインは飲み食いじゃあないんだろうけどさ。そうなったところって、否応なしに北海道の、ひいては日本の顔になっちまうんだよ。外国人の方だってわんさか来るんだからさぁ。
仮にそこの食い物が日本を訪れて最初の食い物だったとしたら…って思うと、もうちょっとこう…さ…ね…うん…ね…。

 とはいえ、五稜郭に関してはタワー館内すべて塵ひとつもなく、歴史的・文化的遺産を大切に保存しよういう人たちの心意気は充分伝わってくるのであります。
人手不足の昨今、いろんな面で仕方ないところもあるのでしょうね。

いっそ踏まれたい。

 さて、タワーを堪能したあとは、五稜郭の中をめぐって歩いた。
よく晴れ渡った空に吹く風も心地よく、草の香りがしていた。お堀の水も涼し気で、ジョギングやウォーキングにいそしんでいる地元民の姿もちらほら。
 そうか。東京で言ったら皇居周辺のあの感じみたいなもんなのかもね。

 しかしのんびりとした空気感とは裏腹に、中は歴史的価値のある建造物や遺構、資料が盛りだくさん。
 特に2010年に復元されたという函館奉行所は圧巻!
いたるところに匠の技が見てとれ、かつ貴重な資料展示も見応えがあり、時間が経つのも忘れて見回ってしまった。

とにかくどでけえ函館奉行所
記念撮影なんかもできる。

そんなこんなで中も外もしっかり堪能し尽くし、我々は次の目的地へと向かったのであった。

3.旧函館区公会堂と旧イギリス領事館で軽コスプレ&セレブごっこ

 函館元町という区域には、歴史的建造物が集中している。
 殊に様々な宗派(って言うの?)が寄せ集まるようにして建っている教会群は荘厳で、函館の中でも一種独特な雰囲気を放っている不思議なエリアだ。
 教会以外にも領事館や当時の公共施設が立ち並び、この頃は元町が海外に向けた政治や宗教の中心地であったことを窺わせる。

 で、今回の旅では、わたしが個人的に【旧函館区公会堂】に行きたいと思っていた。
何故ならかなりリーズナブルな料金で当時のドレスなどを着て、写真を撮るサービスがあるという情報を入手したからだ!

遠くに見える旧函館区公会堂
写真で見るとド派手だが、実際に見るときちんと周囲に溶け込んで見える不思議

 私事になるけれど、実は5年前に結婚したわたしたちは式も挙げておらず、ドレスを着て写真を撮るようなこともしていない。
 なので、せっかくだからこの機会に夫と一緒にコスプレ写真など撮れたらいいのになぁ、と淡い期待を抱いていたのだ。

あらゆる場所が映えるスポット
2階からの眺望は最高

 実際、一階にはたくさんのドレスやタキシードを貸し出している場所があり、写真屋さんも居たのだけれど、結局それを着て撮影することはなかった。
 なぜかと言うと館内は観光客でごった返しており、とてもじゃないがいい年したおばさんとおっさんがフリフリしたド派手な衣装を着込んで館内を練り歩くという所業を衆目に晒す度胸がなかったからである。
 ただ、詳しい値段は忘れたけれど、小樽なんかでやっていた似たような貸しドレスの記念撮影よりはずっとずっと安くて種類も多かったように思うので、人がすいている時などは多分めちゃくちゃ楽しいのではないかと思います。残念!!

 泣く泣く【旧函館区公会堂】でのコスプレを諦めたあとは「近くにあるから」という理由だけで旧イギリス領事館にも足を運んでみた。
 こちらも豪奢な造りの建物で、おおよそ当時のまま保存されている執務室や応接室の重厚なインテリアを使って、カジュアルに記念撮影ができる。

仕事してるフリで遊ぶ夫氏
優雅なティータイムを楽しんでいるフリの我
王様ランキングみてーだな

 こちらは確か一階部分で紅茶やらガラスのアクセサリーやら食器やら、やたらとオシャレなお土産ものを扱っていたような記憶がある。
確かアフタヌーンティーを楽しめるカフェも開設されていたような気もするが、記憶が定かではなくて誠にすみません。
 ともあれどちらも自由に撮影できるスペースが多く、ガチコスプレイヤーの方々にも人気なんだろうなぁ、などとぼんやり考えつつ、次なる目的地へ向かったのでありました。

4.函館ハリストス正教会〜金森倉庫へ

 函館を訪れる際の目的地。
五稜郭は2人の、そして旧函館区公会堂がわたしのと来れば、3番目の【函館ハリストス正教会】は、夫が最も行ってみたい場所なのであった。
 何でもこの教会は、日本でも最も早く建立されたハリストス正教の聖堂があった場所に建てられた由緒ある教会らしく、お祖父様の更にもっと前の代からハリストス正教の熱心な教徒であった夫にとっては、聖地みたいな場所なのだろう。日常の7割くらいはちょろちょろしている夫の珍しく殊勝な態度に、信仰ってすごいなあ、と感心してしまった。

函館ハリストス正教会。紅い門が特徴的。
ファンタジーゲームに出てきそうな外観。
中はとにかく厳粛で荘厳な雰囲気。

 実際に今も使われている教会の中では、教徒さんたちが多分ボランティアで受付をしており、入場料なども一切取られることはなかった。
 わたしにはよく解らないが、イコンと呼ばれる絵画みたいなものや神具みたいなものもかなり年季の入った貴重なものが多いようで、軽率にカメラを向けるのはあまりに忍びなかったため、外観の画像しか残っていない。
とにかくこの画像をお義父さんに見せた時、多分どのお土産よりも嬉しそうに興味深そうにされていたことを思うだけでも、個人的には行って良かったなあ、と思える場所なのでした。

 函館元町駐車場に戻った頃には、時刻はもう確か16時を回っていた。
そろそろ今夜の宿泊先や晩ごはんを決めねばならない。
一瞬、函館山でロープウェイに乗ろうという案も出たが、結局わたしたちは空腹に負け、お土産を準備していないこともあり、とりあえず金森倉庫に向かってみようという話になった。

 えー。
 ここで大変残念なお知らせなのだが、金森倉庫の写真は一枚もない。
思い起こすとかなり見ごたえのある素敵レンガの建物と味のある街並みだったのに。
 何故かと言うと、疲労のせいか何なのか、きっかけは何か全く思い出せないけれど、とにかく夫とまためちゃくちゃ険悪なムードになったからだ。
 稀に新婚旅行で離婚する夫婦がいるって聞くけどさ。ちょっとわかるよね。
日頃はあまり可視化されることのない価値観や思考の違いが旅では浮き彫りになる場面が多い。何しろ金森倉庫の中では、しばらく互いに顔も見ないまま無言でぶらぶら土産物を探した。まさに愚の骨頂である。

 それでも何とか、お土産は確保した。
 ・函館プティ・メルヴィーユの期間限定フレーバーのメルチーズ&焼き菓子の詰め合わせ
 ・色んな海鮮味のおせんべい
 ・ホタテ入り松前漬け
他にも朝市で買ったホタテの燻製や各種おつまみなどもあったので、今回はこれでいいだろう、という結論に達した。
 それにしてもなぁ。全然noteを想定していなかったのがつくづく悔やまれる。
もっと美味しいものとか珍しいものとか、ちゃんと画像に収めればよかったよ!

5.2日目の晩ごはんとお泊りの敗北

 晩ごはんは、何だかんだ悩んだ末に、またしてもラッキーピエロに決めた。おそらく来年まではもう来ないだろうということで。
金森倉庫にもラッキーピエロの支店があり、ぎゅうぎゅうの激混みのそこに入ったのだけれど、正直全てにおいて森町赤井川店の方が上だったと思う。何でかなあ?
全品注文してから作る、みたいなうたい文句が赤井川店の方にはあった気がしたんだけど、金森倉庫はちょっとポテトも揚げたてなのかな…?みたいな感じで、ガチガチで混んでたせいかテーブルもちょっとお汚れになってたりしてね…仕方ないけどね…
あ、でもエビチリバーガー美味しかった。

 ほんで、ですね。
先にもう謝っておきます。
ごめんなさい!!
この記事のタイトル『車中泊de道の駅めぐり』なんだけども。

2日目は心が折れた。
地獄のふわふわマットで。
あのまま寝るなんて無理無理の無理すぎた。

で、恥ずかしい話、いい歳してファッションホテル?レジャーホテル?
平たく言うとラブホに泊まりました。一泊11600円。

もったいねー!!!(号泣)

せっかく車中泊で宿泊費を浮かせよう!っていうのが最大の動機だったのにね!!バカみたーい!!
 なのでこの旅では、事前に夫が言っていた通りつくづく装備は大事なんだ、ということを学んだのでした…

 余談だが、この時止まったのは函館市のかなり郊外の山奥にあるホテルで、検索で良さげなところを探して行ったのだけれど、途中に墓地がちらほらある時点で嫌な予感はしていたんだよな…
 まぁ、別に何もなかったんだけど。すごく綺麗なホテルではあったんだけど。
 朝起きたら、部屋の中がお線香の匂いに包まれていたのと、洗面所を使っている間、鏡にずーっとなんか変な影みたいのがちらちらしてる気がするのがばちくそに怖かった。
 えー。函館方面のファッションホテルにご宿泊の際は、どうか皆さまお気をつけください。

6.道の駅 なないろ・ななえ⇒帰路へ

 翌日は、どの人気ランキングを見ても常に上位に入っている【道の駅 なないろ・ななえ】を経由して帰ることが最初から決まっていたので、気楽に出発した。
 その他に何ひとつ予定を入れていなかったのは結果的に大正解で、ゆるりと帰路を楽しみながら十分に余裕をもって帰ることができた。

 やっぱなあ。ただ闇雲にきつきつのスケジュールで道の駅を巡るだけの旅は、わたしたちには向いていない。
次からもこんな感じでなるべく余裕をもって行きたいよね、と話しながら帰った。

 ちなみに【道の駅 なないろ・ななえ】は噂に違わずキレイで充実した施設でした!
まぁ登録番号で言うと121番だもの。新しい道の駅なんでしょうね。
それにしても品揃えもセンスよく、飲食物も「ここにしかない」を中心に構成されており、皆が口を揃えて「絶対に寄った方がいいよ! 」と言うのも頷けるのでありました。
 道の駅本体にレストラン、あと男爵芋の発祥地??だったかな??か何かで、お芋の博物館みたいなのが隣接されている。
調べてみたらこちらの博物館【日本空間デザイン賞2019BEST100】に選ばれてるんだって!
はあああ。そりゃあすごいわけですなあ。

くそでかジャガイモオブジェは「よく作ったなあ!」と感心する映えスポット。みんな色んなポーズで記念撮影してるのを見てるだけでも楽しかった。
お芋の博物館(男爵ラウンジって言うらしい)は、とにかくオシャレでカッコよかった。世界中のポテチが売られたりしていて、ここでもしこたま買い物した。ジャガイモのチーズケーキが絶品だったよ!
フライドポテトもめちゃくちゃ美味しかった上に、ディップが複数選べるのもポイント高かった。
こちらは世にも珍しいりんごがゴロゴロ入ったカレー。マジですげえ林檎リンゴりんごだった。

 こうして、【道の駅 なないろ・ななえ】を過ぎたあとは、ほぼ一直線で帰路についたのでした。

 自分的に総括すると、
・やっぱ車中泊にはある程度お金をかけてでも必要だと思われる装備は揃えた方がいい
・狭い車だと、整理グッズは必須
・場所選びは絶対的に重要。事前リサーチをサボったらあかん
・旅noteを書くつもりなら自分の記憶は信用するな。メモれ。画像撮れ。
・あれ行ってみたいな…食べてみたいな…と思ったものは道の駅スタンプを犠牲にしてでも体験すべし
・楽しめ
・夫婦喧嘩はほどほどに
といった感じかなあ。
 しかしとにかく、知らない街、知らない道を大いに歩いて色んなものを食べ、自由な時間に寝て起きる車中泊旅はめちゃくちゃ楽しかった!
次は今回の反省点を活かして少しでも快適な車中泊を体験しよう!と、心に固く誓った我々なのでした。

それでは、このたびは、この辺で!
次回は三笠方面編でお会いしましょう~!!
バカ長noteをここまで読んでくださった方、ありがとうございました!

そして函館方面の戦利品である。

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