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忘れられない日【出産記録】

2025年1月21日15時17分、娘を出産した。
当初の予定日は2月9日(肉の日!)で3週間近く早いお産となった。
妊娠後期で切迫早産の診断がついたり、逆子がずっと戻らずで、そのまま計画帝王切開の予定だった。
その予定日よりも更に1週間早くに破水した。
その日は午前中に検診をしたばかりだった。
お世話になっているクリニックはサービスが手厚く、車で送迎してくださる。
家から歩いて30分はちょうどよい運動になると、後期になるまでは徒歩で通っていたが、切迫早産の診断がついてからは、家からクリニックまで毎回車で送っていただいていた。
その日も検診が終わり、家まで送っていただき、昼ごはんをしっかり食べて、ゆったりと過ごしていた矢先に破水。
元々、尿漏れや出血を経験していなかったため、これはいつもとは違う事態が起きているとすぐ判断がついた。
尿漏れと破水は分かりづらいらしい。

何かで貰った破水セット(簡易パンツ、でかナプキン、防水シート)が役に立ち、クリニックへ連絡し状況を伝える。
すぐ来てくださいと指示があり、準備してあった入院バックを持ち、車で迎えにきていただく。
早めに準備しておいて、本当に良かった。
ちなみに現在持ってきて良かった持ち物は①ペットボトルに装着するストローキャップ(100均の優れもの)②汗ふきシート(2日シャワー浴びられない)③のどスプレー(乾燥している&術前術後は絶飲食のため、とにかく喉が渇く※濡れマスクがあれば尚良かったかも)この3点は私には必須だった。

看護師さんに「急なことでさぞかし不安だったでしょう」と優しく声をかけてもらった。
クリニックに着いてしまえば安心と思っていたし、頭は意外と冷静だった。
とにかくお腹の子さえ無事ならそれでよい。

それからは心の準備もする間もなく、あれよあれよという間に緊急帝王切開のオペの準備が進んだ。
今日手術することになるとは思いもよらず、仕事中の夫へLINEを送る。
結局夫は手術に間に合わなかったが、どのみちオペ室には入れないので、産まれてから来てくれるで充分だと思っていた。
心細さはなく、信頼している頼もしい医療従事者の方々がいたので、私は指示通りに動けば良いだけだった。
今日生まれの芸能人を検索すると、高田純次さんが出てきて思わず笑う。
純次さんのように肩の力が抜けた、周りに愛されるような人になるかな。

多少の緊張はあったが、元々手術はする予定だったので少し早く我が子に会えることに喜びを感じていた。
午前中の検診で3kgを超えていた娘。
予定日まで待っていたらかなり大きくて大変だったかもしれない。
なので良かった。あなたも早く生まれてきたかったんだね、そう思った。

15時オペ室に先生がやってくる。
背中から麻酔をいれる。痛さより大きなお腹でまるくなる姿勢がややしんどかった。
すぐに麻酔がきいて、下半身の感覚がなくなる。
看護師さんや助産師さんたちが、色々と声をかけてくださり、リラックスした状態で横たわっていた。
15時17分我が子が出てきた。
たった17分しか経ってないことにびっくりする。
本当にあっという間だった。
すぐに泣き声をあげる赤ちゃんに安堵する。
看護師さんがスマホで写真や動画をたくさん撮ってくださったのは、良い思い出になった。
お腹を縫われている間、皮膚がひっぱられている鈍い感覚だけあったが、痛みはない。
笑って会話していた。落ち着いてて偉かったね、よく頑張ったね、と声をかけていただく。
私は本当に手術台に横になっていただけだった。
医療の力はすごい。ずっと心の中で思っていた。

生まれたての赤ちゃんは髪の毛が生えていたり、少しだけまつ毛も生えていたり、しっかり小さい爪もちゃんとあって、さっきまでお腹の中にいたとは思えないほど、立派な人間って感じだった。
触るとふにゃふにゃしていて、とても可愛い。
生まれてきてくれてありがとう。
やっと会えたね。
心の中で呟く。

トータル1時間弱で手術が無事終わる。
個室に運ばれベッドに寝かせて貰う。
やがて夫が慌ててやってくる。
喜びをわかち合い、面会時間ギリギリまで一緒にいてくれた。

麻酔が切れてからはお腹が痛んだが、なにより一番困ったのが、のどの渇きだった。
どうにか対処法はないかとネットで調べていると「花瓶の水を飲んだ」なんて投稿もあり、驚きつつも気持ちはよく分かるくらいには喉がカラカラだった。
翌朝7時半になるまで一滴も飲めないなんて。
手術を終え興奮してたせいか、寝てもすぐ目が覚めてしまう。
後期には赤ちゃんを迎える準備で1~2時間ごとに起きてしまうようになっていたので、慣れてはいたが、もっとまとまって眠れていたら、こんなにのどの渇きに苦しむことはなかっただろう。

痛み止めの点滴を入れてもらうと、少し楽になる。
長い夜を越えて、待ちに待ったお茶は本当に美味しかった。

私は何も変わっていないのに、今日から新しい人生が始まる感覚があった。

娘が生まれてきてくれたこの日のことを、一生忘れないだろうなと思った。

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月子
記事を最後まで読んでいただき、ありがとうございます。