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月子
2021年7月12日 19:52
駅前の人混みをくぐり抜け、何度か細い道を右に左に進んだ先の雑居ビル地下一階に店はあった。入り口はかなり暗く、古びたランプが1つ足元に置いてあるだけで、いかにもな不気味さに一瞬引き返そうか迷っていた。勇気を出し足を踏み入れる。「いらっしゃいませ」と声がした。「迷わず来れましたか?ここは分かりにくいですから」柔らかく話すのは、想像していたよりも随分と若い女性だった。少し安堵し「途中、目印になる