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スワロウテイル

「キリエのうた」に推しが出演するので岩井俊二監督作品を観よう第2弾。
今回は「スワロウテイル」を観ました。

スワロウテイルって名前はよく耳にしていたんですが、かなり予想外の話でした。

架空の日本に住む移民たちがニセ札を作っていく話ですが、結局モノの価値って何なんだろうと考えさせられました。

陳腐なニセ札で簡単に増えていく円。そのお金でグリコは歌手になれたわけですが、お金を手に入れて成功しても、グリコ達が幸せになれたわけではありませんでした。

また、リョウ・リャンキ達が必死に探していたカセットテープも、最後アゲハから手渡されリョウ・リャンキの元に返ってきましたが、至って平凡なカセットテープのように描かれていたなと感じました。
アゲハが渡したカセットテープは、側から見ればこのために多くの人の命が犠牲になったなんてとても思えない、平凡なカセットテープでした。
モノの価値なんて、絶対的なものじゃないんですよね。

それと、アゲハが自分の価値を最後まで貫いたのと良かったなと。グリコがアゲハを引き取ってから、グリコはずっとアゲハに「自分の価値を下げさせない」ようにしてくれていたのが印象的でした。

スワロウテイルは円の価値が世界一だった頃という仮想の世界の話ですが、円の価値が低い今見ると、改めてモノの価値についてあれこれ考えてしまいました。

スワロウテイルは、移民の話なので娼婦やら薬やら社会で「影」とされている部分が多く描かれていますが、映像が美しく、つい影の世界に惹かれてしまいました。
「リップヴァンウィンクルの花嫁」も観て思ったのは、岩井俊二監督作品は映像が美しいというか、オシャレですね。写し方というかカットの仕方というか…。凄く現実的な問題を扱いつつも、映像が綺麗なのでどこかおとぎ話の世界のように感じられるのが魅力的です。

そして出演者がめちゃめちゃ豪華ですね!
大塚寧々の役がイメージにない感じだったので、特に衝撃的でした。
そして渡部篤郎と山口智子のかっこよさ!なかでも渡部篤郎の役の、普通に仲間を裏切りそうだけどなんだかんだ仲間でいてくれる感じや冷酷な感じが最高にかっこよかったです。
渡部篤郎の雰囲気に合いまくってましたね。

それと江口洋介の中国マフィアのボスも最高でした!江口洋介って若頭系の役が似合いすぎますよね。
裏社会にいるのに、どこか人間味がある感じも似合う。スワロウテイルでもアゲハを助けてくれていい奴でしたね。最初からグリコの面影が重なっていたのかもしれませんが。
ラストシーンの江口洋介の表情が好きすぎました。本編に描かれていない、この後のリョウ・リャンキの運命を考えると…どうか生きていてくれと願ってしまうほど魅力的なキャラクターでした。
この流れで「孤狼の血」も観たくなりました。あの江口洋介も好きすぎるんですよね!江口洋介の裏社会を束ねる若頭の色気感がたまらないのかも…。

というわけで、「スワロウテイル」も面白かった〜!
岩井俊二監督作品、もっと観ていきたいと思います。

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